アメリカンな雰囲気を味わいに、有休を取得して、平塚までツーリングをしてきた。
目的地はアメリカンな世界観で有名なPepper’s Drive-In。
有名なので前々から、というかもう10年前くらいから、行ってみたいと思ってはいたものの、なかなか機会を作れずにいた。そんなところに、ようやっと念願の訪問をしてきた、という次第だ。
往路は八王子側から相模川沿いを南下した後で厚木市、伊勢原市のど真ん中をぶち抜くような、市街地コースを通った。
相模川沿いを走っているうちは快走できたものの、厚木市の、特に本厚木駅近辺になると、平日とはいえトラックをはじめとする車列が多くなり、渋滞とはいかないまでも、快走からは程遠い、単なる移動というような様相になった。
特にきつかったのは、やはり気温だ。初夏とはいえすでに30度を優に超える気温の中、爆発し続ける空冷エンジンを股間に挟んでいるのだから、それはもう灼熱地獄。トラックに前後左右を囲われながら、信号待ちで止まろうものなら汗がダクダクと流れ出た。
そんな暑さと、車列との戦いを経てたどり着いたのは、写真のような、古き良きアメリカの雰囲気色濃い店舗だった。
これが周囲の田畑の中にぽつんとたたずんでいる光景は、なかなかにディストピア感があった。我らゲーマー的にはアメリカ的というよりもむしろFallout的とさえ思える。
店の中に入ると、まずはキンキンに聞いたクーラーの冷気が心地よかった。
そして特筆すべきははやり、所狭しと店内を覆っているアメリカ雑貨の数々。インターネットの情報で知ってはいたものの、その物量にはやはり圧倒させられた。
平日のしかも開店直後ということもあって、先客は1グループしかおらず、席には余裕があったので、店主に良いかどうかを聞いたうえで、ボックス席を1人で占拠させてもらうことにした。
席に着き、オーダーをする。
ちなみにこの店は、アメリカンダイナーな風貌でありながら、実はカレー屋だったりする。ハンバーガーやホットドッグの店ではないのだ。
テーブルに置かれたチェックリストのような用紙に、カレーの量、辛さ、つけたいトッピング、その他サイドメニューを記載して、店の人に渡すことでオーダーするシステムになっていた。
今回は、辛さ、量ともに普通、にこみチキントッピング、というカレーに、瓶コーラをセットでつけて注文した。
まず届いたのはコーラ。瓶で来る。コーラが飲みたかったわけではなくて、このシチュエーションで瓶コーラ、という絵が欲しくて注文したといっていい。いや、あえて言おう。ヌカコーラの絵が欲しかったのだ。味は普通のコーラだった(当たり前)。
そしてカレー。うん、普通においしかった。みんなが好きな味。なんの変化もないド直球。こういうのでいいんだよ系のカレーだった。おいしいおいしい。
特筆すべきは、内装外装もそうだけど、接客だったと思う。てっきりクセの強いアメリカかぶれおじさんが店主かと思いきや、品のいいマダムが、上品かつ丁寧な接客をしてくれて、とても居心地がよかった。アメリカというよりも、英国式庭園の茶室の風情。
興味深い外装と内装、快適な冷気、心地よい接客、おいしいカレー。これらを存分に楽しんだ後は、伊勢原市、清川村を経由して、宮ケ瀬湖エリアを流してから帰路に就いた。
距離でいうと遠回りになった復路だけど、街中を走った往路よりもだいぶ快適に走ることができて、往路も復路と同じ道で来ればよかったな、という学びを得た。また何年後かにもしPepper’sに行くことがあれば、往復ともに宮ケ瀬湖エリア経由で行くことにしよう。