LoLの背景世界で展開されるカードゲーム、レジェンド・オブ・ルーンテラ(LoR)を遊んでみた。
この手のゲームのジャンルはなんて言うのかな。物理的なカードゲームはトレーディングカードゲーム(TCG)とか言うらしいけど、LoRの日本語公式サイトにはストラテジーカードゲームと書いてあるし、Wikipediaさんはデジタルコレクティブカードゲーム(DCCG)と言っている。ここではWikipediaさんを支持して、DCCGと呼称することにしようか。
先行するDCCGとしては、ハースストーンとか、シャドウバースとか、Magic: The Gathering Arenaなどが有名らしい。それに最近ではLoLだけではなく、エルダースクロールとかウィッチャーのような他の有名シリーズからも、DCCG版がリリースされているようだ。
DCCG版をリリースする有名シリーズが多いのは、このジャンルは開発にかかる投資が少なく、かつ、当たれば利幅がデカいからなんだろうな、と推測はできる。でも、そういう生臭い動機でリリースされたと想像してしまうと、ちょっとプレイのモチベーションが下がるんだよなぁ。まぁそれはここではいいとしよう。
そんな群雄割拠のDCCG界に、ライオットゲームズも強大なネームバリューを持つLoLの世界をひっさげて、堂々切り込んでいった。・・・というわけで前置きが長くなったけど、少しだけプレイしてみたLoRの話をしたい。
えー、率直に言うとですね。
今のところさっぱり面白くない。
これはたぶん私が単純にこのジャンルに馴染んでないせいもあるのだとは思う。このジャンルに馴染んでいる人に言わせると、先発の長所短所を良く研究している、なかなかの良作とのことだ。
なので、ここから先はDCCGとしての面白さ、出来の良さ、バランスの良さ、というような部分ではなく、DCCGを知らない人がこのジャンルのとっかかりをどう感じたか、という話にしたい。
まずね、カード集めがかったるい。これだ。
そもそものジャンルの祖であるTCGがそういうものだし、カード収集部分こそがお金の稼ぎどころだから、絶対に排除できないプロセスなんだろうけど、それでもやっぱり、このプロセスはだるい。
もっとストレートに言えば、とっとと全種類のカード使わせろや、と思ってしまう。この発想自体がもう、DCCGに向いてないのかもしれないけどね。
次に感じたのは、専門用語が多く、かつ、他のジャンルに比べてその理解の必須度が高い、ということだ。
例えばRPGでいえば「DPS」という単語を知らなくても遊ぶことはできる。「ヘイト」という単語を知らなくても、最初の10時間くらいは余裕で遊べるだろう。
でもLoRの場合、ファスト、バースト、なんか死ぬヤツ、なんか攻撃できないやつ、みたいな専門用語が、初プレイから数多くのしかかってくる。で、これらはわかっていないと、最初の1分の時点からそもそもゲームにならない。だから遊びながら覚える、ではなく、遊ぶ前に理解している、ことが必須になる。
こういったことを総合して、このゲームは(このジャンルは)とにかく「遊ぶ前の事前づくり」がすさまじくハードルが高いな、と感じた。
遊びながら覚える、ということもできなくはないんだろうけど、それでは絶対に楽しめない。「事前づくり」をし終えることが楽しむための最低条件、というようなゲームなのだ。
もちろんそれは開発側もわかっているようで、LoRではできるだけ自然に「事前づくり」が進むように、チュートリアルやAI戦を通して、少しずつ「事前づくり」が進むようにはなっている。なっているんだけど、じゃぁこのチュートリアルが楽しいかというと、うーん、さっぱり面白くないのだ。
そんなわけでLoR。これは「事前づくり」自体が楽しい人、または、楽しくなくても超えた先を信じられる人、または、「事前づくり」をリアルマネーで解決しちゃう人、にオススメします。
私はというと、うーん、もう少し触ってみるとは思うけど、早々に「こりゃなかなかついていけそうにないな」の気分なのでした。