カテゴリー別アーカイブ: 蘇・英国紀行’09

蘇英09: Mussel Inn

 Mussel Innは、エジンバラの新市街、宿泊したホテルのすぐそばにあるシーフードレストランだ。名前のとおり、Mussel=ムール貝が名物らしく、「キロポット」というムール貝の酒蒸しのようなものが1キロ入ったバケツ(?)をオーダーできるらしい。

 ということで、ここではやはりムール貝のキロポットに挑まざるを得まい・・・とは思ったんだけども、ちょっと飽きそうだし、味の良し悪しもまだわかってなくて怖かったので、日和ってハーフキロポットにしておいた。それに、生牡蠣やら、シーフードの串焼きやらを注文して、白ワインなんぞをたしなんだ。

 さて、まずは生牡蠣。うまい。味付けをいろいろ選べるんだけど、素材本来の味だけでよかったので、Naturalとした。こういう氷盛りは「Cilled」、焼きは「Grilled」というらしい。グリルドはわかるけど、チルドってのはとっさに出ない英語だなぁ。勉強になる。

 続いてメインのムール貝。これまたいろいろとソースを選べるんだけども、Naturalにした。味のほうは・・・うむ、うまい。けど、感動するほどでもないなぁ。牡蠣のほうがうまかった気もする。この辺は単純に個々の好みだろうな。さらにいえば、アサリの酒蒸しのほうが好みだったりもするんだけど、でもまぁ、これはこれでうまかった。

 そのほかの料理も平らげ、前日のCreelersに続いて、はずすことなくスコットランドのシーフードを楽しめた。イギリスにいくとまずいものを食わされるというのを、最後まで回避するというテーマは、十分に実行できそうだぞ。

 そうそう、ここは注文したら勝手にフランスパンがついてきた。うれしい誤算。また、全体的に値段が手ごろで、店の雰囲気もカジュアルなのも好印象。旅人に優しい店だと思った。店の中も活気があって、店員の愛想もいい。また客層も私のような旅人から、地元の家族っぽい連中、一人で来ているお婆さんなどなど様々で、自分が浮くことがないと確信できて気楽だった。

 写真は↓ (※食べ物編の写真はピンボケばかりです)

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蘇英09: Unicorn Cafe

 Unicorn Cafeはスターリング城内にあるカフェ。ただの休憩所に毛が生えた程度のクオリティではあるものの、古い建物を利用した、いかにも中世の城の中ですというような雰囲気は悪くなかった。

 半分セルフサービス方式のカフェで、ケーキ関係はテーブルの上に並んでいるのを自分でトレイに取って、レジまで持っていくシステムになっていた。私はスコーンらしきものをもってレジに行き、そこでポット・オブ・ティーを注文して、それらを持って席に着いた。

 スコーンはさっくり加減の足りない、微妙なもの。味は悪くなかった。そして、やたらとでかかった。スコーンにはつきものの、たっぷりのクロテッドクリームがなかったので、しぶしぶバターとジャムで食べた。まぁ、これはこれでうまい。

 そして紅茶。紅茶の単位はボトル。コーヒーの単位はカップ。さすが紅茶の国。スコーンには紅茶がよく合って、ぐいぐいと飲みまくった。

 坂の上に建つスターリング城まで歩いてきて、ひとしきり観光した後だったので、疲れも相当たまっていたけど、これでかなり癒されたよ。

 写真は↓ (※食べ物編の写真はピンボケばかりです)

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蘇英09: Portcullis

 Portcullisはスターリング城の建つ丘の上にあるホテルで、そこのラウンジで昼食をとった。

 ここは非常に雰囲気がよくて、今回の旅行で入ったレストラン中でも、その点に関しては最高の場所だった。もともとは数百年前の男子校の施設だったらしく、内部は古いヨーロッパの雰囲気を色濃く残していて、ファンタジー好きとしては心踊るものがあった。ハリーポッターで出てくる学寮の談話室のようなイメージだといえば伝わるだろうか。

 ここでは、エールとステーキパイを頂いた。

 この旅行での楽しみのひとつは、日本ではなかなか飲む機会のない、飲めてもキルケニーかバスばかりのエールを、いろいろと飲めるということにあった。ってことで、ここではBelhavenのBESTなるエールを飲む。うむ、うまい。

 続いて、ステーキパイ。朝食と並んで、イギリスで安全牌とされている食事といえばパブランチ。そのパブランチの代表選手の一つであるところのステーキパイは、ビーフシチューのパイ包み焼き、のようなものだった。よく煮込まれたステーキは、ほろほろにやわらかく、うまい。そして、例に漏れずついてきたチップスもうまい。

 この雰囲気の中、エールをちびりちびりやりながらのパブランチ。最高ですな。

 写真は↓ (※食べ物編の写真はピンボケばかりです)

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蘇英09: Creelers

 Creelersは、ロイヤルマイルから少し横道にそれた場所にある、小さなレストラン。スコットランドの西に浮かぶアラン島の漁港に、同名のレストランがあったり、そこからシーフードの通販をしていたりといった母体を持つ店で、いわば漁協直営店のような、地の利を生かした素材で勝負をする店のようだ。

 スコットランドは、というかイングランドもそうだけども、基本的には日本と同じ島国なので、シーフードが豊富で美味い。肉はどちらかというと大味な気がするけど、シーフードは少なくとも鮮度はいいから、大きくは外れにくい。特にスコットランドでは、スモークサーモンをはじめとするサーモンが名物で美味いそうだ。イモに鮭。北海道のようだな。

 ま、よくよく考えて見れば、かの有名なフィッシュ&チップスもシーフードと言えなくもないし、シーフード安牌説は理にかなっていそうな話だよな。うん。

 ってことで、スコットランドではシーフードレストランを重点的に当たってみることにした上での、Creelersというチョイスなのだ。

 ホタテのソテーとリゾット、サーモンのソテー、オヒョウのソテーを注文。「前菜は?」と聞かれたけど、小食日本人にはそんなものまで食う余裕はないので、これに小さなサラダをつけるだけにした。この辺は見栄を張らずに、自分に正直に言うのがよいかと思われる。

 食えば、どれも美味かった。英国でありがちな「味がない」ということもなく、日本のフランス料理店のものと同等に美味かった。特に美味かったのは、ホタテのソテーとついてきたリゾットかな。エース級として期待したサーモンも美味かったけど、鮭なんていつも美味いんだよな、私にとっては。ふふふ。

 写真は↓ (※食べ物編の写真はピンボケばかりです)

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蘇英09: The Royal McGregor

 エジンバラ観光のメッカ、ロイヤルマイルに数あるパブのうちの1つ、The Royal McGregorで昼食をとった。

 The Royal McGregorは、スコットランド名物のハギスの評判がいいとされる店。ということで、この訪蘇で是非ともハギスを食したいと思っていた私が、狙い撃ちで訪れた店だ。

 ハギスというのは、「茹でたヒツジの内臓(心臓、肝臓、肺)のミンチ、オート麦、たまねぎ、ハーブを刻み、牛脂とともに羊の胃袋に詰めて茹るか蒸したプディング(詰め物料理)の一種(Wikipediaより引用)」というもの。人によってこれを美味そうとみるか、ゲテモノ料理と見るかは様々だろうけども、多くの人にとってはゲテモノ料理の範疇ですな。しかし、私には実においしそうに聞こえたので、意気揚々と食いに行ってきた。

 ハギスは多くの場合、ハギスとマッシュドポテトとマッシュドターニップ(カブの一種)がセットで供されるらしい。これらをこのThe Royal McGregorでは「ハギスタワー」と称して、積み重ねた形で供するのが特徴的なのだ。一見するとケーキのようでもあり、美しい。

 入店すると、なかなか美人のオネーサンが席に案内してくれた。しかしそこで渡してくれたメニューは、朝食時限定のセットのみが書かれたメニュー。そこには当然ハギスの文字はない。「違うのだ。私は普通のメニューから選んで注文したいのだ」と言うと、すぐに普通のメニューを渡してくれて一安心。ハギスを注文し、待つこと十分あまりだろうか。めでたく噂のハギスタワーがやってきた。

 そして食う。

 おぅ・・・うめえええええ!

 レバーのようなクセのある濃厚な味。それがマッシュドポテト、ターニップ、それにグレービーソースと合わさって、いままで味わったことのない美味を生み出している。なんだこれ、本当に上手いぞ。

 量がとても多くて、終盤にはさすがに飽きかけたけど、思っていた以上にうまくて驚いた。事前に調査してあった素材や調味料や調理法から、実は「まぁ不味くはないだろう」という楽観はしていたんだけど、その予想をはるかに上回る味に仕上がっていたよ。

 これはなかなか日本では食えない味覚だろうから、舌蕾に刻み付けるようにゆっくりと味わってから、幸せな気分で店をあとにした私なのでした。

 写真は↓ (※食べ物編の写真はピンボケばかりです)

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