カテゴリー別アーカイブ: 蘇・英国紀行’09

蘇英09: ウェストミンスター寺院

 ロンドン編は単なる有名どころの羅列にしかならないんだけどいくぞ。

 ウェストミンスター寺院。訪問時刻が18:00頃で、とっくに見学時間が過ぎていたため、外観だけ撮影して帰った。ビッグベン、ウェストミンスター寺院は隣接しているので、セットで外観を見て移動したわけですな。

 以前行った感想からすると、床やら壁やらに「○○ここに眠る」というような、有名人のお墓オンパレードで不気味だった思い出がある。内部の装飾などは、英国の式典映像で見られるものそのまんまなので、そういう部分の感動はあったかな。

 ここでアラブ人カップルに写真撮影を頼まれたんだけど、そのとき渡された撮影デバイスがiPhoneだったのが驚いた。多分、少なくとも男性のほうは、在英のビジネスマンなんだろうな。

 写真は↓

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蘇英09: ビッグベン

 ここからロンドン編に入る。ロンドンの旅は既に過去の旅行で訪れたところが大半なので、おさらいというか、同窓会のような気分で、やや早足気味で見て回ってきた。

 まずはビッグベン。皆さんおなじみの国会議事堂(の時計の鐘)だ。

 この日はエジンバラ空港からヒースロー空港に飛んで、さらに地下鉄でロンドン市内のホテルまで移動し、ホテルで荷物をといたあと、そのまま即座に出発してのビッグベンだった。エジンバラのホテルを出てからここまで、ほとんど休みなく移動していたので、動き出す前にはエジンバラだったのに、到着したらビッグベンを目の前にしているということが妙に不思議な感覚だった。

 以前の訪英では、ビッグベンが徒歩圏内のホテルに泊まっていたので、毎朝人気のないテムズ川沿いを、ビッグベンまで散歩して目を覚ますのが短い習慣だった。だから私にとってビッグベンは、ロンドンで最も懐かしい建築物なんだけど、久しぶりに見たその姿がほとんど変わっていなかったので安心したよ。

 ちなみにビッグベンというのは正確には、この時計台のさらにその中にある鐘のことであって、時計台のことでも、ましてや国会議事堂ではないそうだ。議事堂のことではないとはわかっても、鐘のことだというのは知らなかった。時計のことだとばかり・・・。

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蘇英09: 国立スコットランド美術館

 スコットランドという「一地方都市の美術館」ということで、あんまり期待もせずに入ったんだけども、思いのほか豪華な内容だった。

 私はそれほど美術に詳しいわけでは無いんだけども、それでもラファエル、レンブラント、ゴーギャン、モネ、ゴッホなどなど、浅学な私でも知っている欧州有名画家の作品が、たくさん展示されていた。モダンアートにあまり共感できない私としては、せいぜい印象派までが楽しめるレンジ。そんな保守的な私からすると、この美術館の展示物の大半が、ルネッサンスから印象派という内容だったことも幸いして、心安らかに楽しむことができた。

 ひとつ残念だったのは、イギリスの著名な画家の作品がそんなになかったことだ。とはいっても、イギリスの著名な画家という存在自体がそんなにいなくて、要するにターナーやコンスタブルなんだけども、私はコンスタブルの描くのどかな田園風景を愛しているので、それを多く楽しめなかったのが残念だった。この辺の作品はマイナーなせいか、あんまり来日しないしね。ま、来日しても見に行くかというと、そこまでの熱心な美術ファンではないのだけども。

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蘇英09: リンリスゴー

 エジンバラからスターリングへ向かう途中にある小さな町、リンリスゴー。

 ここには、メアリー女王が生まれたというリンリスゴー宮殿や、へんてこりん(失礼)な金属製の尖塔をもつセントミカエル教区教会があるということで、スターリングへの遠出のついでに、時間があれば立ち寄りたいと思っていた。・・・のだけども、結局諸々の事情でリンリスゴーには下車せず、リンリスゴーは電車内から駅とセントミカエル教区教会の尖塔とを眺めただけに終わった。

 ちなみに私は、リンリスゴーって地名の響きが意味もなく好きだ。

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蘇英09: ホリールード教会

 スターリングの鉄道駅からスターリング城にいたる上り坂の途中にあった教会。完全に「もののついで」に立ち寄ったんだけど、予想以上にいい雰囲気の教会だった。

 教会に入ると、優しい顔をしたおばさん(修道女なのかどうかは不明)が「どこからきましたか?」と聞いてきた。そこで「日本です」と応えると、「日本語のガイドもありますよ」と各国語ごとの解説紙片が納められているラックのなかから、日本語のガイドを探し始めた。

 ラックの各国語の段には、それぞれの言語で書かれた国名と国旗が記されていたんだけど、その中にある「日本の国旗」と「日本語で書かれた『日本語』の文字」を、おばさんはなかなか探し当てられない。それは無理もないことで、たぶん日本の国旗なんて覚えてもいないに違いないのだ。

 そこで、私も捜索に加わると、一目で日の丸が書かれた段を見つけ出すことができた。私がラックからガイドを抜き出し、「見つけましたよ(I found it.)」と言うと、おばさんは「オォ!・・・しかし(英語で会話ができている)あなたには、日本語のガイドは必要なさそうですね」などと言いながら、私から日本語のガイドを取り上げ、英語の解説を渡すフリするのだった。そして悪戯っぽい表情を浮かべると、ホッホッホと笑いながら、やがて大股で立ち去っていった。もちろん、私はほとんど英語など話していないので、単なる優しいユーモアだったのだが、それは実に楽しいものだった。

 海外の宗教施設を訪問すると、そのコミュニティにおける施設の重みがわからないだけに、どうしても緊張して望んでしまう。それはそれで悪いことではないんだけど、そのせいで観覧そのものに集中しにくいことが多い。しかしこの教会では、はじめにこのような交流を持つことができたおかげで、実にリラックスして教会内を見学することができた。

 またそういう面を除いても、この教会はなかなか立派なものだった。日本でいうところの船底天井のような天井に、美しいステンドグラス。そこにいるだけで教会や教義の神性を信じてしまいそうな、美しくも神秘的な空間が、見事に現出していた。

 この教会は、かつてプロテスタントとカトリックの対立の舞台にもなったらしく、一時は教会内が2つに壁で区切られていたらしい。今でもスコティッシュ・プレミアリーグのセルティックとレンジャーズに見られるように、完全には宗教的対立が根絶されているとは言いがたいスコットランド。日本人には到底理解できない文化背景だけれども、この美しい教会を分断するような対立は、この先できるだけ無いに越したことはないよなぁ、と思ってしまう日本人なのであった。

 ところで、このホリールード教会は、Church of Holy Rude。しかしエジンバラのホリールードハウス宮殿は、Palace of Holyrood House。これはなんなんじゃろ、と思っていたんだけど、ここで読んだ解説紙片によれば、両方とも同じ語源で、「イエスの十字架の磔」を意味するそうだ。Rudeといっても、中指を立てるわけではないわけですな、うむうむ。

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