モデルは前回の予告通りSHOEIのGT-Airだ。
【見た目編】
色は写真のものなんだけど、アンスラサイトメタリックという、名称だけではちょっとイメージしにくい色にした。
アンスラサイトとは無煙炭、つまり純度の高い石炭のことらしい。それのメタリックなので、「きらきらした石炭色」ということだ。やっぱりわからん。
実際の見た目で言うと、すこーーーーーしだけゴールドの入ったガンメタという感じかな。思った以上に上品な色で気に入っている。
色以外の見た目で印象深いのは、サイズだった。今までのZ-5より一回りデカい。特に後頭部が長い。百式改。
【準備編】
箱からヘルメットを出してまずしたことは、サイズの確認、PINLOCKの取り付け、あごひもの調整だ。
試着もせずに通販で購入したけど、サイズは問題なかった。今まで使っていた同じSHOEIのZ-5と、同じサイズで、同じ装着感。内装がこなれてない分、まだ固い感じもあったけど、問題のない範疇だった。
PINLOCKは、シールドに特殊なフィルムを張り付けることで、シールドを2重ガラスのような構造にして、シールドの曇りを防止するという仕組みの、SHOEI自慢の便利機能だ。
これは出荷時には取り付けられてはいなくて、付属品として別途ついてくるので、これをシールドに張り付けてやる必要がある。作業はシールドをいったんヘルメットから取り外して行うんだけど、その作業にちょっとてこずった。Z-5のほうがシールドを外すのは簡単だったかな。
そしてあごひも。格好良く言うとチンストラップ。今まではDリング式の着脱機構だったけど、GT-Airはラチェット式になっている。すごく便利に違いない、と思ったけどそうでもなかったな。慣れると感想は変わるのかもしれないけど、現時点ではDリングでも一向にかまわない気分。
かくして準備ができたので、試走してみたのだった。
【実走編】
下道を小一時間、30kmくらい走った。
Z-5からの明確な劣化点として懸念していたのは重さ。しかしこれは問題がなかった。重くなったなぁ、という印象を感じることなく、試走を終えた。200gくらいの増量であれば大丈夫だったようだ。
逆に期待していたのは、サンバイザー機能。これが特筆すべき、期待を大きく上回る便利さだった。
いままで好天下の昼のライディングでは、まぶしさに顔をしかめながら走るのが常で、顔面の筋肉を緊張させ続けるのが当たり前になっていた。スモークシールドやサングラスの着用が一定の解決にならないでもないんだけど、いざ暗いトンネルに入った時などが怖いので、これらはあまり選択肢にならなかった。
そんな長年付きまとっていた問題が、サンバイザー機能であっさりと解決してしまった。
サンバイザーを出している状態では、まぶしさを感じることがないので、顔面を緊張させずにいられる。顔が疲れない。そしてトンネルだったり、原色の風景を見たかったりしたら、さっとワンタッチでサンバイザーを上げることもできる。必要な時に、必要なものを。素晴らしい。
サンバイザーなしのヘルメットをかぶっているすべてのライダーに、是非サンバイザー付きのヘルメットをお勧めしたいと感動してしまった。そしてこの一点をもって、買い替えてよかったと心から思うことができた。偉いぞサンバイザー。
ただ、ほかの点はそんなに改善はなかったかな。
ベンチレーションの効果は、下道で40km/h程度で走っている限りでは、あまり実感できなかった。というか今までのバイク人生で、高速道路で走ってるときでさえも、ベンチレーションの効果を感じたことなんて、ほとんどないんだよなぁ。ヘルメットのレビューを見るとよく「頭頂部に風を感じる」とかあるけど、ほんまかいな、と。私の感覚が鈍いのかな。
とにかく、今のところそういう感覚はない感じだ。ただ、GT-Airは明らかにベンチレーターの表面積がZ-5より広いので、高速道路を走ったりすれば、また感想は変わるのかもしれない。と一縷の望みを抱いている。頭頂部で風を感じたい。
また風切り音も普通にうるさい。Z-5と同じレベル。とはいえ「バイクに乗ってるときの音はこんなもんだろ」と思ってしまっているので、別に気にはならない。普通にうるさいし、でも、うるさすぎて発狂するってほどでもない。今まで通り。
現状の感想はこんなところかな。いい色だったし、まだきれいだから、被りたい気にはさせてくれそうだ。これでもう少しバイクに乗る頻度が上がる・・・かなぁ。