亀の子スポンジを買ってみた。
亀の子スポンジは、みなさんご存じ「亀の子たわし」ブランドのスポンジだ。
私はこの20年ほどずーっと、食器洗い用のスポンジと言えば、100円そこらで3、4個ほどがパッキングされているような最安値のものを、スーパーや100均で買って使い続けてきた。一面が固めの素材のシートになっているようなタイプのやつだ。
それでこれまで何の不満もなかったし、食器洗い用のスポンジなんてもんは、安いものを短期間で使いつぶしていくものだ、と思っていた。
が、先日。いいスポンジはそれはそれで使用感が違うだの、耐久性が違うだのという話を、周りから聞かされた。それで今までは考えたこともなかった、「高品質な食器洗いスポンジの世界」というものを知り、軽く興味を抱いたので、試しに買ってみた、という次第だ。
ブランドのチョイスにあたっては、特にこだわりや推薦があったわけではない。高品質なスポンジを買ってみよう、と思って模索し始めたときに、昔から見知っている亀の子たわしというブランドは、なんとなく信頼と実績のブランドに感じられた、というだけのチョイスだ。直感だ。
で使ってみたんだけど、うん、なるほど。
品質の高さは、案外すぐに感じられるものだった。
まず弾力が違う。程よくかたい。固いので、握ってホールドしやすく、洗いやすい。
またなかなかヘタらない。まだ使用期間が1週間ほどなんだけど、安いスポンジだったらもうヘタっているような時間だ。それが今のところ、購入時の固い弾力を8割ほどは保っている。
密度が薄いのも特徴か。安いスポンジはかなり高密度な繊維構造なんだけど、亀の子スポンジはけっこうスカスカしたスポンジになっている。にもかかわらず固いので、繊維そのものの質が違うのだろう。高野豆腐とへちまくらい違う(本当か?)。
密度が薄いことは感覚的に、内部の衛生さが保ちやすいのでは、という安心感につながる。密度の濃い安いスポンジは、どれだけ絞っても内部に汚れた油を含んでいるような気がするが、亀の子スポンジにはそういう懸念が少ない。
トータル的にみて、高いだけのことはあるな、と短い使用歴でもわかるくらいには違いがあった。
問題はやはり、その価格差の度合いか。安いスポンジは100均で4つ入りを購入したとすると1個25円。それに対して亀の子スポンジは1個で定価374円。そこには約15倍もの価格差がある。別に25円のスポンジでも、過去20年間特に困ってはいなかったことを思うと、15倍の投資の意味とは? と疑念に思えなくもない。
・・・のだけど。
これねー。一回高品質なものを使うとねー。知ってしまうとねー。いいんだよねー。
単純に今は、亀の子スポンジを使うこと自体が楽しい。いや、食器洗いなんて楽しくはないんだけど、そんなつまらない日課のなかにも、新しいツールを使う喜びによって、少々の満足感を潜ませることができている。
そういう付加価値込みで考えると、常用するかどうかはともかく、たまにこういうアクセントを日常に持ち込むのは、15倍の価格差以上のメリットがあるかもしれない。
ってことで、Fly!は亀の子スポンジを、たまにはオススメします。