カテゴリー別アーカイブ: ツーリングと話題:Bolt

日記: 12月1日(2025年)

 勝沼・甲府ツーリングに行ってきた。

 行先選定のきっかけは、甲州のワインセラー巡りをしていた友人が、「ワイン工場併設のパン屋のパンが旨い」とXに書き込んでいたことだった。

 よろしい。ならば行って食おう。

 勝沼あたりはバイクで走りに行くにはちょうどいい距離感なので、そういうエリアの情報は正直かなり嬉しい。バイク乗りも20年を超えると、さすがに新鮮な行先を選定しにくくなってくるもんなので、そこに新しい風が吹き込まれると、大変助かるのだ。

 ってなわけで、いつも通り有給休暇を取得し、平日の空いている中央道を流すこと1時間あまり。途中の初狩PAで休憩をはさみつつ、すいすいっと勝沼ICに到着した。

 そこから目的地のパン屋まではすぐなんだけど、せっかくのツーリングだ。最短距離では向かわずに、快走路のフルーツラインを少し流して、秋のツーリング気分を満喫してから、遠回りでパン屋に向かうことにした。

 到着したパン屋は、事前の予習通り、シャトー勝沼なるワイン工場の一角にあった。パン屋と工場併設のワイン直売所を合わせても、私の他に客は2、3組しかいなかった。平日午前だからなのか、いつもこんなもんなのかはわからない。両方かもしれないな。

 とにかく空いていたので、優雅に直売所を見物し、パン屋でパンを購入することができた。

 ここの名物はクリームパンだ。店頭ではクリームパンのパン部分だけが並んで売られており、レジでの精算時にそこにクリームを挟んでくれる、という不思議な販売形式が特徴だった。

 そのクリームパンを、駐車場に止めたバイクに座ってぱくり。その形状も相まってか、普通のクリームパンというよりは、カスタードクリームサンドというような味わいだった。一時期はやったマリトッツォの先祖みたいな感じでもあるかもしれない。味? こんなもんは旨いに決まってますがな。

 パンを食べ、目的を早くも達成してしまった後に向かったのは、笛吹川フルーツ公園だ。

 高台にあるこの公園は、駐車場からの景色がよさそうだったので、第2の目的地に選定した。

 この公園は実際なかなかいい公園だった。期待通り、高台の駐車場からの景色は良かったし、公園そのものも開放感があった。特に、短いながらも起伏に富んだ、公園内を貫く道路を走るのは、気分のいい体験だった。

 最後の目的地は、武田神社にした。

 締めくくりにふさわしい威厳がある。

 笛吹川フルーツ公園から武田神社までは、フルーツラインと愛宕山スカイラインの2つの道を経由して向かうナイス快走路ツーリング・・・の予定だったんだけど、見事に失敗した。

 フルーツラインについては、そもそも分岐を間違えて乗れもしなかった。代わりに普通の県道国道を走り続けてしまった。ま、それはそれで見知らぬ土地の見知らぬ街を見分できたから悪くはなかった・・・と思いこもう。

(※ちなみにここでいうフルーツラインは、パン屋に行く前に言及したフルーツラインと同じ道の、違う部分のことだ。パン屋の前に走ったフルーツラインを、ずーっと走り続けると、かなり遠くまで行ったあと戻ってくる形でフルーツ公園エリアに帰ってくることになり、そこからさらに甲府方面に進めるようになっている)

 愛宕山スカイラインは、道そのものは乗れたし、悪くもなかったんだけど、季節柄落ち葉の量がすさまじくて、大変だった。こんなに落ち葉が積もり、かつ、落ち葉が降ってくる中をバイクで走ったことはない、というくらいの落ち葉だった。落ち葉の雨を浴びながら落ち葉の絨毯の上を走っているような状態だったから、ヘアピンカーブが続く山道なのに、滑るのが怖くてバイクをろくに傾けることもできず、ゆっくりゆっくり低速で地面を見ながら曲がるような、繊細な走行を余儀なくされてしまった。とにかく恐ろしくて、風景やワインディングを楽しむとかいう状況では、まったくなかった。他の走行車両がほとんどいなかったのが救いだったけど、そりゃいるわけないよな、というような道路状況だった。

 ともあれ、そんな風にしてたどり着いたのは16年ぶりの武田神社

 正直、16年前のことはあまり覚えていないんだけど、威厳と落ち着きとがあるいい神社だったように思う。16年前と同じことを書くけど、武田信玄の本拠地である躑躅ヶ崎館の跡地に立っている、ということに価値を感じる場所だ。

 その後、間違いなく16年前にはなかった、新しそうな観光施設に併設された、立ち食いソバやのようなお食事処で「謙信あごだしラーメン」なるものを食べて、帰路についた。

 落ち葉で困ったりはしたものの、紅葉に染まる世界を堪能できて楽しかった。

日記: 9月30日(2025年)

 久々のツーリング記録。

 富士山5合目までツーリングで行ってきた。

 そして6合目まで歩いてきた。

 そういう話をしたい。

 今シーズンは、9月10日をもって富士山は閉山となった。もう歩いて山頂を目指すことはできない。

 でも、富士宮口の5合目から6合目までのルートに限っては11月中ごろまで、宝永火口周辺へのハイキングコースとして、まだ通行可能になっている。

 そして車道についていうと、富士山のシーズンオフと同時に、逆に富士宮口5合目までのマイカー規制は解除されている。

 つまり、マイカーやマイバイクで富士宮口5合目まで自走し、そこから6合目まで徒歩で登る、という体験ができるのは、今の時期の「閉山後1カ月ほど(9月中旬~11月初旬)」か、あるいは初夏の「開山前1カ月ほど(6月中旬~7月中旬)」しかないのだ。

 ってことで、そんな今しかない体験をするために、富士山まで行ってきたんだけども・・・。

 この日、下界はよく晴れた日だったのだけど、富士山スカイラインの入り口から仰ぎ見た富士山は、頭にすっぽりと分厚い雲をかぶっていて、上ったところでなにも見えなさそうな雰囲気を、これでもかと醸し出していた。文字通り暗雲が立ち込めていた。

 とはいえ、せっかく来たのだし、雲の中に突っ込んで走ってみるのも、それはそれでテンションは上がるかもしれない。ということで、そのまま富士山スカイラインに突入し、雲中走行を敢行してきた。

 途中、一昨年の富士山一周ツーリングでも立ち寄った水ケ塚公園でいったん停車し、持ってきたフリースを、ジャケットの下にしっかりと着こんでおいた。

 この日の東京の最高気温は30度に達していたので、服装はメッシュジャケットに半袖シャツの、完全なる夏装備だった。

 しかしこれから挑む場所は、標高2400メートルの富士山5合目だ。標高が100メートル上がると、気温が0.6度下がる、という小学生時代の知識を動員すれば、2000メートル以上も標高が上がると、気温は12度以上下がるということになる。5合目の気温は15℃程度であることを想定しなければならないのだ。

 そんなわけで気温対策を万全にしてから、5合目への走行を再開した。

 水ケ塚公園は、およそ2合目ほどに相当する。そこから、今は使われていない富士山スカイラインの料金所跡を抜け、ぐんぐんと上っていくと、蛇行する山道に時折「ここは3合目」「ここは4合目」といった表示が現れた。上っている実感が得られて楽しい。

 そして、そこはもう完全に霧の世界だった。

 もくもくもやもやとした霧が、なんだか幻想的で美しい。高原の朝、というような道だ。下界の30度の残暑の世界が嘘のよう。

 道路としては、ところどころ急坂のヘアピンがあるものの、しっかりとした舗装がされ、十分な道幅もあったので、難易度はそんなに高くないコースだった。さすが日本一の富士山への道だけあって、ちゃんとしている。

 5合目に到着してもその傾向は同じだった。駐車場もしっかりと舗装されていたし、概ね平坦な部類だったので、駐車で精神をすり減らすようなこともなかった。えらいぞ富士山。

 そしてそれと同時に、到着したこの日の5合目は、やっぱり雲のなかでもあった。どこを見下ろしても、何一ついい景色ではない。残念だった。

 とはいえ、ここまで来たのだから、6合目までは登ってみて、「富士山を6合目までは登ったことがある」という実績を解除しておきたい。早速山道を登り始めることにした。

 5合目から6合目までの道のりは、まぁ、高尾山くらいだったかな。ちゃんとした登山装備でなくても、特に問題なく登れるような、ハイキングコースに毛が生えた程度の道ではあった。

 ただ火山ゆえなのか、森林限界を超えていて樹木の保水力がないせいなのかは知らないけど、土壌がザラザラとした砂や小石状だったのが厄介だった。足のグリップが悪く、特にスパイクのないバイクシューズでは、ずりずりと滑るのが少々怖かった。

 でも、樹木がほぼなく、草もちょぼちょぼとしか生えていないという光景は、同時に私の目には新鮮な世界でもあった。

 雲のせいで眼下に見下ろす世界を楽しめなかった私にとって、数少ない目を喜ばせるものはそれだったかもしれない。

 そんな風に足元に閉口し、景色に感嘆しながら、ものの20分ほどの登山で、6合目に到着した。

 表示によれば、上がった標高はわずか90mだ。

 6合目には2つの山荘があるのだけど、この日は営業していなかった。平日だからなのか、シーズンオフだからなのかはわからない。

 ここでしばし休憩し、そしてもうそこでやることはなくなってしまったので、そそくさと5合目まで戻って帰路についた。

 6合目からは、その先に宝永火口方面へのハイキングコースもあったのだけど、あまり天候が良くなかったし、まだ足底腱膜炎をひきずってもいて足がつらくもあったので、早々に切り上げることにした。

 帰路は再び水ケ塚公園に立ち寄り、フリースを脱ぎ、併設されている森の駅で富士山ラーメンを食した。ラーメンは立地が立地だけに、かなり割高なものではあったけど、こういう施設は存続してほしいのでお金を落としてきた。

 あとは帰宅するのみだ。

 当初の予定では、道志みちを通って、道の駅にでも立ち寄りながら帰るつもりだったのだけど、なんだか疲れてしまっていたので、高速道路をひたすら走ってまっすぐ帰ってしまった。

 うーん、体力というか、バイク筋がないな。ケツも肩も痛いんじゃ。

日記: 7月4日(2025年)

 アメリカンな雰囲気を味わいに、有休を取得して、平塚までツーリングをしてきた。

 目的地はアメリカンな世界観で有名なPepper’s Drive-In

 有名なので前々から、というかもう10年前くらいから、行ってみたいと思ってはいたものの、なかなか機会を作れずにいた。そんなところに、ようやっと念願の訪問をしてきた、という次第だ。

 往路は八王子側から相模川沿いを南下した後で厚木市、伊勢原市のど真ん中をぶち抜くような、市街地コースを通った。

 相模川沿いを走っているうちは快走できたものの、厚木市の、特に本厚木駅近辺になると、平日とはいえトラックをはじめとする車列が多くなり、渋滞とはいかないまでも、快走からは程遠い、単なる移動というような様相になった。

 特にきつかったのは、やはり気温だ。初夏とはいえすでに30度を優に超える気温の中、爆発し続ける空冷エンジンを股間に挟んでいるのだから、それはもう灼熱地獄。トラックに前後左右を囲われながら、信号待ちで止まろうものなら汗がダクダクと流れ出た。

 そんな暑さと、車列との戦いを経てたどり着いたのは、写真のような、古き良きアメリカの雰囲気色濃い店舗だった。

 これが周囲の田畑の中にぽつんとたたずんでいる光景は、なかなかにディストピア感があった。我らゲーマー的にはアメリカ的というよりもむしろFallout的とさえ思える。

 店の中に入ると、まずはキンキンに聞いたクーラーの冷気が心地よかった。

 そして同時にこれでもかと目に入ってくるものは、店内に所狭しと並べられ、また壁という壁、天井という天井に張り付けられた、アメリカ雑貨の数々だった。インターネットの情報で知ってはいたものの、その物量にはやはり圧倒させられた。

 平日のしかも開店直後ということもあって、先客は1グループしかおらず、席には余裕があったので、店主に良いかどうかを聞いたうえで、ボックス席を1人で占拠させてもらうことにした。
 
 席に着き、オーダーをする。

 ちなみにこの店は、アメリカンダイナーな風貌でありながら、実はカレー屋だったりする。ハンバーガーやホットドッグやチェリーパイのような、アメリカンフードの店ではないのだ。

 テーブルに置かれたチェックリストのような用紙に、カレーの量、辛さ、つけたいトッピング、その他サイドメニューを記載して、店の人に渡すことでオーダーするシステムになっていた。

 今回は、辛さ、量ともに普通、にこみチキントッピング、というカレーに、瓶コーラをセットでつけて注文した。

 まず届いたのはコーラ。瓶で来る。コーラが飲みたかったわけではなくて、このシチュエーションで瓶コーラ、という絵が欲しくて注文したといっていい。いや、あえて言おう。ヌカコーラの絵が欲しかったのだ。味は普通のコーラだった(当たり前)。

 そしてカレー。うん、普通においしかった。みんなが好きな味。なんの変化もないド直球。こういうのでいいんだよ系のカレーだった。おいしいおいしい。

 特筆すべきは、内装外装もそうだけど、接客だったと思う。てっきりクセの強いアメリカかぶれおじさんが店主かと思いきや、品のいいマダムが、上品かつ丁寧な接客をしてくれて、とても居心地がよかった。アメリカというよりも、英国式庭園の茶室の風情。

 興味深い外装と内装、快適な冷気、心地よい接客、おいしいカレー。これらを存分に楽しんだ後は、伊勢原市、清川村を経由して、宮ケ瀬湖エリアを流してから帰路に就いた。

 距離でいうと遠回りになった復路だけど、街中を走った往路よりもだいぶ快適に走ることができて、往路も復路と同じ道で来ればよかったな、という学びを得た。また何年後かにもしPepper’sに行くことがあれば、往復ともに宮ケ瀬湖エリア経由で行くことにしよう。

日記: 5月5日(2025年)

 道の駅清川にツーリングに見せかけた、買い出しに行ってきた。

 つまり今回はツーリング回に見せかけた、グルメ回だ。

 道の駅清川は、特産品として清川恵水ポークなる豚肉を推している。そしてそれを使った豚丼を食堂で供してもいるのだけど、その豚丼に使う「豚丼のたれ」を、瓶入りで販売もしている。

 この「豚丼のたれ」を以前購入し、自宅で豚丼を作ってみたところ、非常においしかった。私の味覚にばっちり合った味だった。そして、すぐに使い切ってしまった。

 その後、その辺のスーパーで売られている、類似の普及品も試してみたけど、この道の駅清川の豚丼のたれとはちょっと違う味ばかり。不味いわけではないけど、違うのだ。あの味が良かったのだ。

 使い切った直後しばらくは、この清川の豚丼のたれロスにも耐えられた。だけど月日が経ち、ついに限界が来た。また、あの豚丼を、食べたい。

 ってことで、それを買いに行く名目のツーリングをしてきた、というわけ。

 ちなみに上掲の通販サイトだと、3本で3726円という、目を疑うような高価格で売られている豚丼のたれだけど、現地で買えば600円だ。600円でもスーパーで売られている普及品と比べるとやや高いけど、十分常用できる価格の範疇と言えるので、心配はいらない。道の駅の食堂で豚丼を食べるよりも、だいぶコスパよく自宅で同じ味を味わえるので、むしろお値打ち感のほうが強い。

 目的地としては、おなじみの宮ケ瀬湖方面へのツーリングの延長線なので、これと言って目新しいことは特にない。いつもの道をささっと走って、買って、ついでに食堂の豚丼もいただいて、帰ってきた。

 初夏のツーリングは非常に気持ちよかったし、ゴールデンウィーク中とはいえ午前中に行って帰ってきたので、そんなに渋滞に巻き込まれることもなかったし、豚丼もうまかったし、楽しいプチツーだった。

 そしてこれからしばらくは、我が家の食卓に豚丼が出てくる頻度が上がることだろう。

日記: 12月30日(2024年)

 BOLTにバックレストを装着した。

 BOLTを買った段階で、ハンドル、サイドケース、そしてこのバックレストを変更するのが、予定カスタムのすべてだった。

 そして順調にサイドケースをつけ、ハンドルも交換したのだけど、バックレストに関しては、いつまでもカスタムできずにいた。

 狙っていたモデルのバックレストが、長らくメーカー欠品中で手に入らなかったためだ。

 そうしてバックレスト無しでの運用を続けた結果、いつしかその姿に思い入れが出てきてしまい、逆にバックレスト無しのほうがシュッとしていていいかな、とすら思いつつあった。バックレスト装着の夢は、ほとんど霧散してしまっていた。

 ところが、そんな風にバックレストへの思い入れがなくなった頃になって、突然狙いのバックレストが家に郵送されてきてしまったのだ。

 通販サイトで「再版・入荷されたら即購入、発送」という登録をしたままにしていたためだ。

 商品が来てしまったものは仕方がない。そんなにもう求めてはいなかったとはいえ、装着しよう。

 ってことで装着してみた。

 今回装着した「結果的に1年以上入荷を待ったバックレスト」は、ハリケーンのものだ(型番:HA6412B)

 このバックレストは、競合品となるYAMAHA純正デイトナのものが「接合部がプレート」なのに対し、「接合部が丸パイプ」な点が気に入って選んだ。このパイプ形状は、BOLTのエンジンガードやフレームのパイプ部分と一体感がある。個人的には、BOLTのバックレストの中では、装着時の姿がもっとも自然な美しさになるように思う。

 装着作業に当たっては、すでにバックレストの装着部分に、サイドケースのホルダーがついていたので、そこにだけ少し工夫が必要だった。具体的には、ホルダーの厚みの分だけボルトの長さが足りなくなりそうだったので、2cmほど長めのボルトを別途用意した。結果的には1cm長めのボルトで、ボルト長は足りた感じだったけど、超過分が何かに干渉してはいなそうだったのでいいだろう。大は小を兼ねた。

 装着後の姿は・・・どうかな。

 予想通り、パイプ形状の一体感は良い感じだったけど、同じく予想通り、今までのシュッとしたオシリがちょっとゴツくなってしまったのは自分の中でも賛否がある。ま、いいか。

 装着後は試験運転と称して、いつものご近所テケテケツーリングに出た。

 毎年のことだけど、年末の都内周辺は交通量が少なくて、普段よりも快適に走ることができていいね。そしてこれまた毎年のことだけど、寒いわ。まだ12月だから、一番寒いのはもう1、2か月後だと思うけどね。

 ともあれ、年の瀬に納得のカスタムと散歩ツーリングができて、私の今年のバイクライフもまずまず有終の美かな。満足満足。