最近は数軒の決まった飯屋でしか飯を食わないようになっていて、食に関するアンテナが短くなりっぱなしだった。
そこで久々にリサーチしてみると、知らない間に新しいラーメン屋が3軒も、生活圏内に開店していたというではないか。ラーメン好きの私としては、聞き捨てならない情報だ。
さらに詳細に調べてみると、うち1軒は生活圏というには少し遠くて、もう1軒は最も家からは近いんだけど、あまり通りがからない方向にあるということがわかった。
ってなわけで、今日は残りの1軒にいってきた。3軒のなかでは、駅前のよく通る道沿いにある、最も立ち寄りやすい立地の店だ。
店に向かうと、オープンして本当に間もないらしく、開店記念の花輪が店の前においてあった。・・・んだけど、その花輪が実に地味でちんまりしており、華やかさよりも、むしろ侘しさを演出する結果になってしまっており、逆効果感にあふれていた。しかも、店自体が目立たないつくりになっているせいで、「花輪があるにもかかわらず通りがかっても開店に気がつかない」という悲惨な状態に。設計ミスとしか思えない店構えだ。
どこにあるのかを、Webで調べてから向かった私でさえも、1回では見つけられずに通り過ぎてしまったのだから、何も知らない人が発見するのはかなり難しそうだ。先行きが不安である。
そして入店。「良い豚つかって出汁取ってます」というような宣伝文句らしく、豚の宣伝ビデオ(?)まで流して、「良い豚」を主張していた。メニューは醤油ラーメンと辛みそラーメン、それにトッピング各種。私は、味噌ラーメンは苦手、という思い込みを持っているので(実際にはほとんど食ったことがないだけの食わず嫌い)、とりあえず醤油ラーメンを頼んでみた。700円也。高い高い、高いよ。「良い豚つかってる」という主張は、この値段に対するエクスキューズとみた。
店内にいた客は、私ともう1人のみ。時間が21時前後ということを加味しても、駅前にしてはちょっと寂しげだ。店構えの地味さが大きく響いているように思える。
そしてラーメンが出来上がってきた。速やかに食う。
うーん、うんうん・・・うん、うまい。・・・けど、まぁ、なんというか、その、そう、「普通」ですな。
そのラーメンは、「良い豚」の主張のイメージから、トンコツギトギト系かと思いこんでいたんだけど、ふたを開けてみれば、澄んだスープのあっさり醤油ラーメンだった。絵に描いたようにキレイな醤油ラーメンで、具もチャーシュー、メンマ、ネギ、ノリとまさに王道・定番。あっさり系だからといって、物足りないというようなこともなく、油分塩分がちょうどいいバランスで作られていた。1杯食うのに、なんの不満も芽生えず食いきれる。悪くない。
その普通っぷりは、いい意味で期待を裏切ってくれた。でもね。でもですよ。でも、非常に普通過ぎて、外食をしている感というか、特別感がまるでないのが痛かった。ノーマルなラーメンで、700円という高額を請求する以上は、普通のラーメンではない、なにか特別なプラスアルファが欲しくなる。それなのにこのラーメンには、その「なにか」が致命的にないのだ。あえてたとえて言うならば、「すごくおいしい日高屋」または「すごくおいしいちりめん亭」。要するに、没個性的な印象なのである。
結論としては、「まずくはないけど、コストパフォーマンスが悪すぎる」「おもしろくない」、という評価かなぁ。
50点。