カテゴリー別アーカイブ: 英国紀行’14

英国’14: 20.The Bell

 今回の旅行で唯一、何度も通った店がThe Bellだ。

 4泊したB&Bからもっとも近い村がWillersey(ウィラージー)というところで、そこにあるたった2軒のパブのうちの1つが、このThe Bellだった。立地的に他の選択肢がなかった、というのも何度も通った理由ではあったけど、味も雰囲気もよかったという事こそが、より重大な真の理由だった。

 この店はいわゆるInnというやつで、1階が酒場兼レストラン、2階が宿泊施設になっている。ゲーマーとしては、RPGでよくある「冒険者の宿」を想起せずにはいられない。まさに「冒険者の宿」地で行くような雰囲気の店で、そこに身を置くだけでも気分が上がるようなところだった。

 食事をしていると、たまにリュックを担いだ旅人がやってきて、その瞬間だけ酒場のカウンターが、宿屋のレセプションのようになるのも、実に面白い風景だった。ルイーダの酒場といおうか、憩いの我が家亭といおうか、古代王国への扉亭といおうか、そんな気分にもなってくる。

 店の様子は、いかにも田舎のパブという風情で、地元の人が飲み、語り、食べていた。マスター夫妻(たぶん)も気さくな人柄らしく、ろくに英語も話せない私のオーダーを忍耐強く聞き、また地ビールの試飲を進めてくれたり、付け合せの好みを聞いてくれたりと、親切この上なかった。

 料理の味もイギリスとは思えずよいもので、コッツウォルズ滞在中のディナーを豊かに彩ってくれた店だった。

コッツウォルズの地ビールHooky

Hookyのタップ

フィッシュ&チップス

本日のオススメボード

カウンター

ムール貝とスズキのトマトソース的なもの

鴨のコンフィにいろいろついたものだったかな

英国’14: 19.ソールズベリー大聖堂のカフェ

 ソールズベリー大聖堂のおみやげ屋に併設されたカフェスペースで軽めのランチを取った。

 カフェスペースでは、缶入りや瓶入りの飲み物に、ポット入りのコーヒーや紅茶、それにデニッシュやスコーンのような菓子パンやケーキ類がセルフサービス形式で売られていて、またカウンターではパンや具を選べる形式のサンドイッチ、それにスープなども売られていた。サンドイッチは注文の難易度が高そうだったので選択せず、スコーンと瓶入りの謎のジュースを買って食べることにした。

 正直、こんなところの売店のスコーンなんて、と舐めていたんだけども、なかなかどうして、これが美味しいスコーンだった。いかにも本場のスコーンらしく、素朴さとボロボロ感と大きさとが見事に同居していて、日本で食べることのできる、9割方のなんちゃってスコーンよりは、はるかによいものに感じられた。クロテッドクリームとジャムがつけ放題、というだけでも日本の大半のスコーンに勝ち目がない。

 なによりも特筆すべきは、そのロケーションだ。売店で買った飲食物を、ソールズベリー大聖堂の華麗な回廊の中でいただくことができる。これは大変贅沢だ。特にこういった雰囲気に免疫のない東洋の島国からやってきた観光客にとって、その価値は計り知れない。天気が快晴だったことも、その価値を高めてくれた。

回廊でスコーンとジュース

英国’14: 18.Heathrow/Windsor Marriott Hotelの朝食

 英国最初の朝食は、英国旅行の定番とでもいうべき、ホテルのレストランでの「フルイングリッシュブレックファスト風ビュッフェ」だ。

 英国旅行が他のヨーロッパ旅行に比べて、確実に優っている点のひとつは「朝食」に相違ない。とにかく朝食がボリューミーで美味しい。

 伝統的なフルイングリッシュブレックファストは、ベーコンやソーセージやハッシュブラウンといったカロリー十分な料理が、これでもかとプレートに乗って供されるものなんだけども、その内容物をビュッフェ形式にして提供する、というのが、英国内の多くのホテルで採用されているスタイルだ。日本の観光ホテルでよく見られる、日本の典型的な朝食和定食の内容(納豆、海苔、味噌汁、焼き魚etc)をビュッフェ形式で提供する「朝食バイキング」の英国版だと思えばいい。

 とにかく、英国は日本と同じく朝食に気合が入っている。いわゆるコンチネンタルブレックファストのような「パンとチーズとフルーツ」というようなものとは格が違う。肉あり、揚げ物ありのガッツリメニュー。朝からそんなに食わないよ、という非難もあろうが、私はこのガッツリ感を愛すのだ。

 ってことで、ガッツリ食った。美味かった。「英国で美味いものを食いたければ朝食を3回摂れ」というのもうなずける。朝食にハズレなし。

 ちなみに写真の皿に乗っているのは以下の通り。

  • スクランブルエッグ(とろとろ)
  • バックベーコン(かちかち)
  • イングリッシュソーセージ(ふにゃふにゃ)
  • ハッシュブラウン(ぎとぎと)

 野菜? なにそれ? 脂質、たんぱく質、炭水化物でGO。

 あ、そうそう、朝食の会場は昨晩のディナーのレストランだった。「現地の家族連れ」というのが主な客層。このあと、近隣のレゴランドなどにいくのだろうと思われた。

イングリッシュブレックファスト風ビュッフェ

英国’14: 17.Brasserie Centrale

 おまちかね(?)のグルメ編スタート。

 渡英後、最初の食事はホテルのレストランBrasserie Centraleでのディナーだ。

 ホテルの立地が田舎の幹線道路沿い、というような場所で、周囲に繁華街があるわけでもなく、土地勘もなかったので、ホテルのレストランに頼る他なかった(ついてから落ち着いてみれば、周囲にファミレス的なものが2軒ほど見つかったが)。

 ただホテルのレストランというと、フォーマルすぎたり、逆に派手すぎたりして、入りにくいケースもある。その辺の情報がウェブでも見当たらなくて少々不安だったんだけども、杞憂だった。程よくカジュアルな雰囲気で難易度が低く、渡英間もない当地の勝手のわからない時期の食事の場としては無難だった。

 食べたものは、ビールとチキンティッカマサラ。

 ビールはボディントン。日本で簡単に飲める「イギリスの缶エール」としては代表的な銘柄。でもこれをドラフトで飲んだのは初めてだ。缶入りのボディントンと同じく、クリーミーな泡とクセのない味わいとで、水のように飲めた。

 食事はチキンティッカマサラ。イギリス版カレーと言おうか、日本でインドのカレーが日本風にアレンジされて国民食となっているように、イギリスでもインドのカレーをチキンティッカマサラなる料理にアレンジして国民食となっているらしい。ってことで、今回の渡英では、是非食べてみたかったメニューなんだけども・・・うーむ?

 そこそこに美味しいは美味しいんだけど、一口食べて、この料理は「ホテルのレストラン」というフィールドではきっとダメなんだろうな、と直感した。本物を知らないから断言はできないけど、上品にアレンジされすぎで本領を発揮していない、というような気配を感じずにはいられない。ルーもライスも美味しいのに、配膳が小洒落ていて食べにくいし、ライスがあるのにさらにナンもどきがあるのも冗長に感じた。

 ってことでチキンティッカマサラについては、なんとなくどんな味のものかは分かったけど、その国民食とまでなった真価を理解するには及ばなかった。残念だ。

ボディントン

チキンティッカマサラ

英国’14: 16.ウィンザー城

 今回の旅行最後の観光地は、ウィンザー城だ。

 ウィンザー城はロンドン郊外に立つイギリス王家の居城で、ロンドン観光の旅行客も半日ツアーなどでよく訪れる定番スポットだ。私も12年前の英国旅行で1度訪れた事があって、今回は2度目の訪問になる。

 感想からいえば、1回目とあまり変わっていなかった。

 というかむしろ、前回来たときには、まだこういった英国や欧州の観光地に耐性がなく、なにを観ても新鮮で興味深かったので、すごく面白い場所だと思っていたんだけども、今回はその感動をマイナス補正しにきたようなものになってしまった。

 同じようなイギリスのお城でいえば、壮大なエジンバラ城、素朴なスターリング城、テーマパークのようなウォリック城などと比べて、あまりにも事務的で現実的な城だった。建物は立派だし、収められている宝飾品などは、前掲のどれよりも高価なのだろうけど、どうも全体の雰囲気にファンタジーを感じられない。立派なマンションを観ているような気分になってしまうのだ。おそらくロンドン至近という地理条件と、多くの観光客、それに野暮ったい現代的なセキュリティが垣間見える点などが影響しているのだろう。

 ま、でも、そういう場所だと確認できたことはプラスだし、こういう感想もいろいろな比較対象があったればこそ。個人的な琴線には触れなかったけど、自分の中の経験リストを更新できたのはよかったに違いない。

入り口

外から見た城壁

居城正面

高台からの眺め

城内のポスト