カテゴリー別アーカイブ: 英国紀行’14

英国’14: 15.クライストチャーチ

 この日は翌日の帰国に備えて、コッツウォルズを離れ、ヒースロー空港至近のウィンザーまで移動をする日だった。

 当初の予定では、すぐにウィンザーまで移動して、ウィンザーの観光をする日にしよう、と計画していたんだけども、ウィンザーで1日つぶすのもつらいし、その途中で1箇所くらいは観光しないともったいないよね、ということになった。そこで急遽、白羽の矢が立った観光地が、オックスフォードだった。

 オックスフォードといえば、皆さんご存知のようにオックスフォード大学の街だ。街の中心部にはオックスフォード大学のカレッジが林立していて、それぞれのカレッジの歴史ある校舎が、そのまま観光スポットになっている。

 今回は時間がないので、最も代表的な「クライストチャーチ」というカレッジの校舎だけに対象を絞って見物してきた。

 その時の印象としては、まぁこんなもんかな、というようなものに過ぎなかった。もうこの時点ではすっかり「歴史ある英国風景」を見飽きてしまっていたし、長距離移動で疲れていたし、突然田舎から都会に戻ってきて違和感があったしで、感動するだけの気力がなかったのだ。

 でも今にして思い返せば、建物といい、調度といい、中庭といい、およそ日本の大学とはかけ離れた雰囲気の、興味深い場所だった。もう少し気力を振り絞って、真剣に見物しておけばよかったと、いまさら後悔しているよ。無気力なまま、ザーッと流すように見物してしまったのは、実にもったいなかった。

 クライストチャーチの観光に消極的だったもうひとつの理由には、ここの最大の売りであろう「グレートホール」が見物できなかった、ということもあった。

 グレートホールは、公開日・公開時刻が不定期な場所なんだけども、残念ながら私が訪れた時は、ちょうど非公開だったのだ。このグレートホールは、ハリーポッターのホグワーツ城の、食堂のモデルにもなったという場所で、さぞや荘厳だろうと期待していただけに、見られないと知ってがっくりきてしまったのだ。

 そんなわけで、せっかく立ち寄ったものの、気合のはいらない見物でお茶を濁し、早々に立ち去ってしまった場所。それがオックスフォードのクライストチャーチなのでした。

正面側の街並み

内部の中庭

内部の礼拝堂

外の庭園

英国’14: 14.スタントン

 近場周りの日最後のスポットは、スタントンだ。

 ここは日本のガイドブックにあまり載っていないし、いくつもりもなかったんだけど、B&Bに置かれていた地元ガイドでオススメされていたので、行ってみることにした場所だ。

 到着してみると、さすがに地元民オススメだけのことはあった。観光地化されていない典型的なコッツウォルズの村、という風情で、作られた景色ではない、生のコッツウォルズなんだろうな、と思うような街並みを堪能できた。

 それでも多少は知られた村らしく、ぽつぽつと観光客らしき人が歩き、興味深げに建物や草花を眺めていたりもした。でも、それもせいぜい両手で足りるほどの人数でしかなく、景観を損ねる要素にはなりえないものだった。穴場に来たな、という感覚は、旅の興奮を高めてくれた。

 また、街の教会がいい雰囲気だったことも特筆したい。街のメイン通りから少し外れたところにあった教会は、こじんまりとしながらも立派な尖塔をもった、蜂蜜色のレンガでできた建物で、その鄙びた感じがなんともいい雰囲気だった。

街並み(この先行き止まり)

立派な家

花に囲まれた家

ハニーストーンと花

村の教会も蜂蜜色

英国’14: 13.スタンウェイ・ハウス

 今回の旅行スポット報告のなかで1番の小者(記事的に)。それがこのスタンウェイハウスだ。

 そもそも立ち寄る予定もなかったんだけども、スノーズヒルラベンダーから、次の目的地のスタントンに向かう途中、突然目の前に立派な建物の門構えが見えたので、急遽停車して見物を試みた次第だ。

 でも、この日はあいにく休館日。というか、週に2日しか開いていないという場所だった。降りて、門構えの写真を撮って、残念だねー、ってことで、すぐに立ち去っただけの場所となった。

 だから別にこの場で報告するほどのこともなかったんだけども、そういう残念なこともあったということを忘れないために、一応書き記しておくことにした。

 なお、あとでウェブサイトで調べてみると、なんだか壮大な噴水のあるガーデンと館とでなる場所だったらしい。結構よさそうなところで、入れなかったのが返す返すも残念だなぁ。前もって調べておけば、それにあわせて近場周りの日を設定できたかもしれないのに。

閉ざされた門

外から眺めるのみ

英国’14: 12.スノーズヒル・ラベンダー

 近場周りの日と定めたこの日の午後は、さらに近所のチマチマとしたスポットをめぐった。こういう動き方ができるのも、レンタカードライブ旅行の醍醐味だ。

 次に向かったのはスノーズヒルラベンダーというラベンダー畑。コッツウォルズではよくみやげ物屋でラベンダー製品を見かけるんだけども、その総本山のようなところだ。今回訪英したのはラベンダー最盛期の7月。きっとラベンダーが一面に咲いている風景を見られるに違いないと期待した。

 その期待は見事に的中した。スマホカメラの写真ではなかなかその感動を収めきれなくて、いまいちな写真しかなかったんだけども、本当に息を呑む光景だった。好天、紫色の絨毯、ラベンダーの薫る風、遠景に広がるコッツウォルズの丘陵。この季節この場所でしか観られない組み合わせを大いに堪能した。

 このことをB&Bの主人に話したところ、「来週にはラベンダーの刈り取りでした。最高のタイミングでしたね」とのこと。実にラッキーだった。

ラベンダー畑

英国’14: 11.ブロードウェイ

 近場のチッピング・カムデン、ヒドコート・マナー・ガーデンの観光を終えて、一旦立ち寄ったのがブロードウェイだ。

 ブロードウェイというとどうしてもアメリカのミュージカルのメッカを想像してしまうけど、もちろんそうじゃない。この街もやはりコッツウォルズの代表的な街のひとつであり、また、我々の宿泊したB&Bから1番近い街でもあった(正確には間にウィラージーという小さな村があるが)。近いだけにいつでもいける、という感じでこれまで観光していなかったんだけども、ここへきてようやっと観光した、というところだ。

 その名前の通り、道幅が大きくとられているこの街は、広々とした空間が印象的な街だった。周囲の建物の建材こそ、やはり蜂蜜色のレンガでできていて、コッツウォルズらしさを醸し出してはいる。でも、どちらかというと「こじんまり、チマチマした街並み」を想像しがちなコッツウォルズからすると、その優雅な道の広さは、やや異質な雰囲気だった。イギリスの田舎というよりは、アメリカやカナダの田舎、という感じ(知らんけど)。

 道幅の広さの効能もあってか、商業的に利用し易い街らしく、メイン通りの店は素朴というよりは、いかにも観光地的な、あるいは地元民の普段使いとしてなのかもしれないけど、とにかく商売に長けた感じがあった。農民ではなく商人の街、というような雰囲気。ま、これはこれで、変化球として興味深いんじゃないかな。

 ちなみに、そもそもなぜこの街は道幅が広いのか、ということなんだけども、なんでもここは昔、2頭立ての馬車を、峠を越えるために4頭立てに換装する宿場街として機能していたらしい。そんな交通事情から、道の広さと街の名前とが決まったのだそうだ。街の一角にはそのことを示す石碑があったりもして、なるほどといった風情だった。

道路幅が広い

空間が広い

いい雰囲気の食料品店

2頭立て馬車はここまで