ToL: 嫉妬と悪戯

 「第2の拠点も放棄することしたよ」

 そう仲間に通告を受けたのは、飲み会でログインできなかった日の、帰宅後のことだった。なんでも、海岸線や山地に沿っている拠点は、うまいこと壁で囲むことができないので、セキュリティに問題があることが原因だそうだ。なるほどねぇ。

 引越し先の座標を聞いておいて、後日そこまで移動してみた。到着してみるとなんと、そこには堅牢な木壁で囲まれた、立派な拠点が設立されていた。え、もうこんなの作れるようになったん!?

 どうやら私がちょっとプレイしない間に、仲間は長足の進歩を遂げていたようだ。私の知っていたヤツは、こんな開発力はなかったというのに・・・。変わっちまったな、お前・・・。

 ま、いいだろう。では早速この拠点に寄生させてもらうか・・・。

 と思って門をくぐろうとしたら、なんと入れないではないか! そうか。拠点の移動にともなってギルドを破壊したから、ギルドを作り直すまで入れないわけか。納得。でも納得はしたものの、せっかく移動してきたのに、立派な拠点を羨むだけで、利用することができないとは、なんともやるせないぞ・・・。

 高くそびえる城壁。見上げる私。壁の内側には文明が栄えているというのに、私はその恩恵に浴すことができない。途方にくれるにつれ、壁の中に対する嫉妬の念が膨れ上がる・・・。ゴゴゴゴゴゴ。

 ってことで、拠点の正門付近に難民キャンプを設立して、美観を損ねてやることにした!

 キャビンではなく、あえて格好悪いテントを建てる。みすぼらしい柵でそこを囲む。さらには正門の前に畑を耕して、小麦を植えたった! どうだ、通りにくいだろう。格好悪いだろう。ざまあみろ! イエア!

 ・・・というくだらないことをするのに、1時間以上を費やしてしまった。スキル上げにもならないし、本来必要もない施設を作るために、貴重なゲーム時間を浪費したわけだ。

 でもまったく何のメリットもない、こういう行動で遊べることこそが、このゲームの深いところだ。自分で遊び方を考える、という創造性を活かせるMMOは、まさしくUOの系譜といっていい。ToLは隠れた良オンラインゲームだよ、ホント。

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