MWOを一緒に遊んでいる人たちが話題にしていたので、2chで話題になっているという「軽量級の強さ」に関する話題を読んでみた。
主な論点は以下のようなものだった。
1.軽量級が強いのはおかしい
2.軽量級の強さはラグの恩恵を受けるから
いろんなノイズもあるけど、話題は大きく分けるとこの2つに集約できるように読めた。でも両方の話題ともに、話の流れには少々同意できないものが多かったかな。そもそもこの2つを切り分けずに、ごっちゃにして議論している時点でどうかと思うんだけど、まぁそのへんは議長の居ない、2chのようなフォーラムでは仕方ないところだ。でも、ここではちゃんと分けて考えたい。
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まず1つめ。「軽量級が強いのはおかしい」のかどうか。
これは要するに、MWOの元祖であるボードゲーム版バトルテックの伝統の「重量=強さ」の法則に則ってない、ということへのクレームだ。これは以前述べたように、ボードゲーム版未体験の私も、そういう世界観は維持したい気持ちがあって、半分は同意したい。でも、だからといって、あんまり極端な意見には賛同できないんだよね。
「強襲級には軽量級が3、4体束になっても勝てないべき」とまでいってしまうと、オンラインゲームとしてみたときに、極端すぎると思う。ボードゲームの世界観をある程度は引き継いだほうがいいと思うけど、行き過ぎると全員アトラスしか使わないゲームになってしまう。雰囲気は継承しつつも、オンラインゲームにはオンラインゲームに適した法則を、再構築する必要があるだろう。
個人的には、
・ボードゲーム:強襲級>>>>>軽量級
・理想:強襲級>軽量級
・現実:軽量級>強襲級
というくらいが適当ではないかなと思っている。どうだろうか。
「上手い人は軽量級で強襲級と渡り合えるけど、普通は負ける」が私の理想。でも現状は、「上手い人は強襲級で軽量級と渡り合えるけど、普通は負ける」になっている。ただしSSRM装備機は除く。
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2つ目。「軽量級の強さはラグによるのか」。
これは違うだろう。いや、違わないけど、違う。ラグの影響はセカンダリなもので、肝心なのは「スピードの恩恵が不当に大きい」と言うことだと思う。この恩恵の中にはラグも含まれるかもしれないけど、その各論だけピンポイントで触れても仕方がない。ここでは「ラグの恩恵」の1つ上のレイヤーである、「スピードの恩恵」と言うことについて考えたい。
たとえばアトラスでジェンナーに射撃を当てる、というのは2重の意味で「スピードの恩恵」の影響を受け、かなり難しいものになっている。1つは純粋に相手の動きが速いからということ(命中率格差)。もう1つは、そもそも射撃チャンスがないということだ(攻撃頻度格差)。
速くて当てにくい、のは当たり前のことだ。2chではこの当たり前のことにすら反論が出て、「予測射撃をすればいいだけで当てにくくはない」というような暴論が出ていた。まぁ、2hらしいと言えなくもない。でも、100km/hのストレートと、160km/hのストレートの打ちやすさを考えれば、速さの恩恵は明白だ。恩恵があること自体は否定してもしょうがないポイントだと思うんだけど、なぜか否定される。議論の余地のないところに議論を作るのは不毛だ。
また、この2者の対戦では命中率以上に「攻撃頻度の格差」というものが影響してくる。旋回速度の低い機体は、それが高い機体に半永久的に死角をとられ続け、「1回も敵を正面に捉えることができないまま死ぬ」ことすらある。壁を背にするなどすればある程度防げるものの、それは限られた場合だけの話だし、そういうときは相手にしない、という選択権を動きの速いほうが持っているので、対策としてはその場しのぎにしかならない。だからこれも速さの恩恵の大きな部分だ。ここも否定の余地がない。
さてここで問題にすべきことは、これらの速さによる恩恵を全否定することではなくて、速さの恩恵の量を調整するということだと思う。つまり軽量級の持つ「速さによる防御力」と、強襲級の持つ「硬さによる防御力」のバランスは、現状で適当なのか? 適当でないとすればどうあるべきなのか? という方向で考えるべきなのだ。
で、話題のラグの件はその後に、ではどのくらいの設定にしたもんか、っていうような詳細なことを考えるときの、さらに大枠が決まった後で、やっと持ち出すような部分だ。それを、いきなり「ラグだから当たらない」という話にもちこんでも、何の解決にもならないし発展性もない。
ラグの話がこの話題の1番のミスリードだ。
スピードが上がるたびに逆に旋回性能が下がるというようにしたら案外良いかもしれませんねぇ。
ですね。
あとは停止中のみ旋回速度が速い
とかもいいかもしれない。
ちょっとバランスかえると逆に軽量級が
息しなくなりそうなのが怖いけども。