FarCry New Dawnのメインシナリオを無事終えた。
そこで最後に本作の簡単なレビューをして、思い出をまとめておこう。
【世界観】
一応ポストアポカリプスな設定なんだけど、核や放射能の気配は一切ない。
イメージとしては「なぜか警察権力や軍の治安介入がないアメリカの田舎」というだけ。インフラがどうなってるのかとか、除染しないのかとか、そういう疑問に答えるような細かい描写もほとんどない。
このいい加減さはまさしくFarCry。上記疑問にまったく触れていない、ということそのものが壮大なボケ。
【シナリオ】
いまいち。
FarCry 4に比べると、5も、New Dawnも、いまいち安っぽかった。5は超常現象と拉致プレイに頼りすぎだったし、New Dawnはご都合主義的展開が多く、作為的な流れに終始した。
特に顕著だったマイナスイメージは「ラスボスの顔みせ」の使い方だ。
「ラスボスの顔みせ」とは、物語序盤にラスボスがまだ弱い主人公の前に姿を現し、そこで因縁が発生するが、主人公はその場では殺されずに見逃される、というヤツだ。有名なものでは、ダイの大冒険冒頭のアバンvsハドラーのシーンなどがそれにあたる。
この演出は成功すれば、これ以上ない因縁づくりになるが、成功させるのが難しい。ラスボスが主人公を見逃す理由に必然性がないと、物語全体一気に嘘くさくなる。「いやいや、そこで主人公を殺しとけよ」というツッコミが飛び交うことになる。
そしてNew Dawnは、まさにそんな「見逃す理由が全くない状況で何度も見逃される」というシナリオだった。これでかなり興ざめ。
【シナリオその2】
・・・ただね。
それでもこのゲームのシナリオは、尻切れトンボだったFarCry 5の補完的意味合いがあるという点で、ファンアイテムとして一定の価値はあった。FarCry 5を「プレイしてしまった人」に限っては、New Dawnもプレイすべきだと思う。2本合わせることで、ゲーム体験は少し向上するはずだ。
【戦闘】
普段はステルスゲーなのに、メインシナリオでだけ「ランボー」または「コマンドー」にさせられる。
これ、FarCryではいつも通りなんだけど、なんでなんだろうなぁ。
FarCryはお手軽ステルス戦闘が面白いと思うんだけど、そしてそれを多くの場面で要求されるんだけど、肝心のメインシナリオにおける戦闘になると、突如としてわらわら押し寄せるmobを、鬼神のごとく掃射するゲームになる。4も5も大概そうだった。
たまにはステルス狙撃ヘッドショットでラスボスをワンパンして、大団円を迎えたい。
【武器】
FarCry 4では、武器はカスタマイズできるけど、カスタマイズできないユニーク武器のほうが強くて、せっかくの武器カスタマイズシステムがもったいなかった。
FarCry 5では、強力なユニークアイテムが無くなり、カスタマイズ性もアップし、好みの装備を好みの仕様で扱う楽しみが生まれた。
そしてFarCry New Dawnでは・・・ユニーク武器しかなくなり、カスタマイズ性はなくなった。
なんでやねん!!
【成長】
New Dawnでは、資源を集め、それで拠点を発展させ、武器等を開発していく、という成長システムになっている。また、メインシナリオを進めていくと、その進度に従って、敵も強くなっていく。
この自分の成長と、環境の難化とのバランスは、なかなか上手くとられていると感じられた。
ちょっと敵が強いな、と思っても、少しシナリオの進行を止めて、オープンワールドを探検して資源を集め、拠点を強化すると、ちゃんと進めるようになる。前進と停滞をちょうどいい頻度で繰り返せるので、障壁→修行→勝利、のカタルシスをそれなりに味わえた。
ただし、明確に階層分けされたレベルデザインにしたことで、FPS感は薄れたかもしれない。「腕でどうにかする」という余地が減った。勝つにはどうしたって上のレベルの武器が必要だ。
【アバター】
FarCry史上初めて(かな?)、自分の姿をカスタマイズし、それを自分で眺めることができるようになった。カスタマイズの幅は、昨今のゲームに比べるとかなり見劣りはするものの、シリーズ初という点で画期的だ。ブログ掲載用スクリーンショットも、ちょっとはマシになった。
【ボリューム】
のんびり寄り道しつつのプレイで、メインシナリオクリア時のプレイ時間が40時間くらい。引っ張っても50時間くらいで飽きるゲームだろう。
5000円で50時間。1時間100円。
【まとめ】
トータル的には、ボリュームが少ないという点を除けば、FarCry 5よりも好印象だった。ただNew Dawnの面白さは、不完全な5という下敷きの上にあるので、単品だとどうかなぁ。まぁ、いい暇つぶしでした。