MO2: 本島の日常風景と、このゲームのレビュー


 本島にきて数日。

 そこでの平凡な、でもちょっといつもより遠くまで足を延ばしたときのプレイ風景を動画にした。

 今までの動画も含めて、このゲームの雰囲気が、いくばくかでも伝われば、これ幸い。

 で、動画とは関係なしに、そろそろ「結局このゲームどうなのよ?」というレビューを書いておきたい。MMORPGおじさんの責務として。

 初心者島しか知らない頃は、さすがに駆け出し冒険者過ぎて、書く資格はまだないよなぁ、と思っていたレビュー的な記事。だけど、やっとこさ本島で冒険を始めたのだから、駆け出しなりにレビュー的なことをのたまってもいいはずだ。

 【3D版のUltima Onlineなのか】

 よく言われる・・・わけではないけど、目につくSteamの日本語レビューにあるせいで、よく言われ、よく聞かれるのがこの文言。

 「3D版のUltima Online」。

 これが是か非かと問われると、案外そうだと思うし、でも、そうではないとも思う。

 私はUltima Onlineが初めてのMMORPGではなかったということもあって、Ultima Onlineにあまり幻想を抱いていない、という立場なんだけども、そういう立場からすると、この文言は是だと思っている。ただ「3D版のUltima Onlineなのか。それならプレイしてみたいな」というロジックで興味を持つ人たちは、たぶんUltima Onlineにある程度幻想を抱いている層、Ultima Onlineに美化された思い出がある層、というような気がするので、そういう向きからすると、果たしてこれが是なのか非なのかよくわからない。なので、自分ではそう思いつつも、なかなかこの文言を肯定しにくい。

 とはいえ私の視点では、「3D版のUltima Online」という文言は、このゲームの内容を、かなり正確に言い当てていると思っている。このゲームの要素は、Ultima Onlineと同じく、「せっせと一人でスキル上げ」「そのあとやることが無くなったらPvP」「人によってはいきなりPvP」「PvPしない人は余生はただただその世界での生活を楽しむか、スキルを上げ切ったところで引退」というような構造だ。ライフスタイルやライフスパンがかなり近しい。気がする。たぶん。

 ちなみに私はUltima OnlineでもPvPをしなかったし、このゲームでもおそらく積極的にはしないので、上述した選択肢の中だと、「せっせと一人でスキル上げ」をしてからの「PvPしない人は余生はただただその世界での生活を楽しむか、スキルを上げ切ったところで引退」という人生を歩むんじゃないかなと思っている。

 また広い世界で、特に何の目的も与えられず、好きに生きていけ、というような放り投げ方や、その世界の広さ、謎の没入感、ゴールのなさ、フルPvPの緊張感、殺伐さ、などもUltima Onlineにとても良く似ている。

 【キャラクタービルドの楽しさ】

 これがそこそこというか多めにある。そこが気に入っている。

 これまたUltima Onlineと同じなんだけど、数多くのスキルがあり、かつ、全スキルの合計値には、そのすべては選択できないという限界地が設定されているため、そのあたりの取捨選択を考えながらスキルを上げることになる。

 それを自分なりに計画することと、その計画の実現に向けて少しずつ前進していけること。つまりビルドを考え、ビルドを完成させていくこと。その過程。それが楽しい。このゲームのコアの部分だと思う。

 生産系スキルと、戦闘系スキルとが、それぞれ別個のスキル合計値をもって分かれているというのも、2種類のビルドを考えられるという点で、楽しみの幅が大きくていい。

 コツコツスキルを上げていくことを楽しむ、スキル上げが手段ではなく目的になっている、そういうスキル制のMMORPGに求められる要素が、よくわかっている。そういうゲームだ。

 【サーバー状況】

 このゲームは全プレイヤーが1つのサーバーで遊ぶ、という理想を掲げてスタートした。

 が、知っている人は知っているように、その理想はリリース初日に崩壊した。運営の想像以上に人気が出てしまったのか、サーバーキャパの数倍~十倍もの人数がログインを施行したため、一発でサーバーはパンク。多くの人が1日以上待ってもログインできないというような、顧客サービスとしては許されざる事態を招いてしまったのだ。

 その現状が今はどうかというと、一応沈静化している。

 理想を捨てて、サーバーを5つのインスタンスに分けたことが奏功している。これでサーバーへのログイン待ちで時間がつぶされることはかなり少なくなり、快適に遊べているし、ログイン後にも致命的なラグなどを感じることは、今のところない。

 【UI】

 これがなぁ。悪くないけど、もう一つ足りない。個人的に気になる点を羅列すると。

 「TABで開いたウィンドウをTABをもう一度押して閉じることができない」これ。欲しいのにない機能。Cを押すとキャラクターシート、Iを押すとインベントリーがそれぞれ開いたり閉じたりするんだけど、TABを押すとその両方を同時に開いてくれる。すごく便利。だけど、TABをもう一度押しても、閉じはしない。TABで開いても、CとIを押して閉じることになる。感覚的にすごく嫌。

 「右クリックホールドでマウスルックにならない」これも欲しいのにない機能。マウスを視点移動ではなくカーソル移動にしている状態でも、右クリックをホールドするとマウス視点移動モードになる、というのは定番の操作体系だと思うんだけど、これがない。これがないので、インベントリーやその他のウィンドウを開いている状態から、急遽移動したくなったときに、マウス視点移動モードにするのに時間がかかる。Zで切り替えられるんだけど、とっさになかなか押せない。

 「自分で装備しているものがわからない」今自分が剣を装備しているのか、弓を装備しているのか、盾を装備しているのか、そういうことが、抜刀しないとわからない。装備の切り替えは納刀中にしかできないので、装備の切り替えがちゃんと行えているかは、納刀して、切り替えて、抜刀してみて、そこではじめてわかる。そしてそこで切り替えが失敗していると、もう一度納刀して、切り替えて、抜刀して、となり大変面倒くさい。今装備しているものマーカー、が欲しい。

 「客観的に自分を見られない」このゲームは完全に1人称視点固定のゲームになる。キャラメイクで顔から体格から、かなり細かくいじれる割に、それを自分で眺める手段がない。キャラクターシートにお情けで表示されるモデルを見られるのと、ログイン時にみられるというだけになる。もったいないし、味気ない。武器や鎧のモデリングもいい感じなだけに、そのもったいなさもひとしおだ。冒険や戦闘が1人称視点縛りなのは、むしろ好感が持てる点なのでいいのだけど、自キャラを外観を愛でるための、しかし操作面で有利にならない、そんな3人称視点モードが欲しいものだ。

 【エンドゲーム】

 わからないけど、PvPしない人には限界があるんじゃないかな。

 PvPをしないならハウジング。という気がした時期もあったけど、結局ハウジングを楽しむには、そこを防衛し続けるだけのPvP力、組織力が必要なようだ。

 あとはPvEでいうと、各地のダンジョンにはボスキャラがいるようで、それはチームを組まないと倒せなそう。そしてその素材がないと作れないものなどもあろうから、そのあたりを追求するのもエンドゲームの楽しみ方かもしれない。でもこれも、現状ボッチプレイの私には関係なさそうだな。

 とはいえ、この恐ろしく広い世界を、8割方でも踏破しつくすというだけでも、かなりのプレイ時間を要しそうで、個人でできる範囲ですら、遊びつくすにはまだまだ先は長そうだ。ボリュームの心配は全くしていない。

 【グラフィック、音楽、SE】

 すこーし明るすぎるかな、と最初は思ったけど、総じてセンスがいい。華美に過ぎず、かといって地味でもない。ほどよい。古き良きファンタジー世界の香りがある。

 【総じて】

 思ったよりはるかに出来のいい、面白いゲームだった。というのが今の印象だ。

 Ultima Onlineに近いプレイ感もあるし、Life is feudalに近い冒険感もある。この辺の合わせ技が好きそうな嗜好の人には、1度プレイしてみることをオススメしたい。

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