日記: 8月18日(2025年)

 最近、おもむろに人生初のパン焼きに挑戦している。

 理由は少し変わっているんだけど、「オーブンレンジの買い替えの是非を検討するため」だ。

 我が家にあるオーブンレンジは、20年以上使っている年代物になる。とはいえ、使用年数だけで買い替えを決意できるかというと、そんな単純な話でもない。

 ただ単に「古い」というだけの話であり、機能的になにか故障しているわけではないので、まだまだ全然使えはする。それに、そもそも私はフライパンや鍋で調理することが多いので、オーブンや電子レンジのキッチン内での立ち位置は、あくまでもサブ的な調理器具に過ぎない。だから別に今は買い替えなくても、問題はないと言えばない。

 とはいえ、さすがに20年も使った電子レンジは小汚く、所有の喜びはもはや微塵も感じられない。キッチンの外観を損ねる汚点にすらなりつつある。だからそれを新しく綺麗なものにしたい。そんなシンプルな欲求がある。

 実用から離れた浅い欲求ではあるものの、それは年を追うごとに無視できなくなってきている。

 そこでそこに、より論理的な根拠を肉付けしてみよう、と考えた次第だ。

 今のオーブンレンジで弱い部分だと思われるのは、電子レンジ機能よりも、オーブン機能のほうだと思われる。そこでオーブン機能のほうを使った料理を、しばらく意図的に数多く作ってみて、不便さを実感することで、新しいオーブンレンジへの欲求を醸成してみよう、浅い欲求を深くしてみよう、というわけ。

 そしてそのオーブン機能を使う料理として白羽の矢を立てられたものが、「パン」だった。

 ってなわけで強力粉やドライイーストを買ってきて、YouTubeで作れそうな簡単なレシピ動画を探して、パン作りをいくつか試してみた。

 やってみると思ったより普通に作れた。あっけない。

 パンを作ってみる、なんてことは1カ月前には考えたこともなかったけど、そんなド素人の私でも、適切に温度と時間の管理をすれば、意外に簡単にできてしまうものだった。パン作り、恐るるに足らない。

 工程で難しいと思えたのは、成型くらいのものだった。これはさすがに手慣れる必要があるようで、今の私の能力ではどうしても写真のように、素人の手作り感あふれる、ダサい見た目にはなってしまう。

 ただ、見た目に目をつぶって食べてみれば、ちゃんとおいしいと思える範疇には収まるパンが作れた。

 もちろん自分で作ったパンは、やっぱりどこか素朴な出来にしかならず、パン屋のパンのおいしさを再確認することにはなる。だけど決してまずいわけではないし、自分が作ったということと、焼き立てということとが、抜群の調味料になって悪くないのだ。

 で、そうしてパン作りをしてみて、今のオーブンレンジに不満が出たかというと・・・まあ・・・少しは出たかな。

 焼成する機能のそのものについては、実は不満はあまりなかった。今までの経験でわかってはいたことではあるけど、要するに、ちゃんと焼けた。少し火力が低いのか、レシピ通りの温度設定で焼いても、時間を多くかける必要があったりはするけど、それはまあそういうもんだろうと思える。

 不満に思えた点は、焼くことのできるパン生地の量だった。

 今のオーブンレンジは、庫内で回転皿が回転するタイプのものなんだけど、このタイプのオーブンはどうしても、生地を置くスペースが狭い。四角い庫内に内接する円の面積までしか天板として使えないので、庫内の底面積全体を十分に活かせない。

 YouTube上のほとんどのパンのレシピは、四角い庫内に四角い天板を差し入れるタイプのオーブンを想定して作られているので、既定の分量通りに作ってしまうと、我が家のオーブンレンジでは1回で焼ききることができない。2回に分けて作るか、分量を半分に計算しなおさないといけない。そこに煩わしさや物足りなさを感じる。

 そういう意味で、回転皿タイプではない、ミドルクラス以上のオーブンレンジに買い替えたら、パン焼きQOLは上がるな、と思えている。

 ただそもそもの問題として、今後も長い習慣としてパンを焼くように私がなるかというと・・・どうかなぁ。

 オーブンレンジ買い替え検討会は、まだまだ続くのだった。

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