カテゴリー別アーカイブ: バイクとツーリング

日記: 11月24日(2009年)

 バイクメーカー各社がバイクの2010年モデルを、続々発表する季節がやってきた。東京モーターショーも終わり、毎年この季節は新型のニュースが楽しい。ところが今年は・・・というか、ここ数年は実に低調だ。

 よくあるのは、環境性能の強化ニュースや、環境基準についていけないがゆえのカタログ落ちというような、パッとしない話ばかりで、わくわくするような新型の発表は少ない。例えばYAMAHAについては、2009年はV-Maxが復帰したし、2010年にはSRが復活するというニュースがあるけど、どちらも新鮮味のない話だ。それにこういった方向性の発表は、伝統にこだわりのある知人曰く、「魂を抜かれて戻ってきた」という形になるわけで、ウケもあまりよろしくはないようだ。

 そんな低調なニューモデル発表の中で、個人的に惹かれるのはTriumphの新型Thunderbirdかな。いわゆるクルーザータイプのバイクで、バイクがよくわからん人にわかりやすく言えば、「ハーレーみたいな形」のバイクだ。但し、クルーザータイプでありがちなVツインエンジンではなく、パラツインエンジンなので、本質は完全に別物なんだけどね。

 今まで基本的に、「乗馬姿勢」で乗るバイクにしか乗ったことがないので、どかっと座るようなクルーザータイプに乗ってみたい、というのが惹かれる要素だ。しかしクルーザータイプに乗ってみたいとは言えども、ヒネクレモノの私としては、ジャンルど真ん中のハーレーは俗っぽくてイヤなのだ。かといって国内メーカーのクルーザーに乗ると、「プアマンズハーレーですか」とかバカにされるんじゃないかという被害妄想を、私は勝手に抱きながら乗ることになりそうなので、こっちはこっちで抵抗がある。その点、Triumphのクルーザーなどという変り種は、「わざわざ選びました」感が山盛りでそういった心配もなく、しかもカッチョよく、さらに恐ろしくレアであろうことは想像に難くないので、とても惹かれるのだ。

 まぁ、まだまだ我がFZ6は走れるし、不満もないし、外車を買うだけの安心感のある駐車環境もないし、ってことで、次の車検もFZ6で行く予定だけどね。だから当面は、カタログを眺めて満足するだけに留めておこう。

 さて、そんなわけで、我がFZ6なんだけども・・・どうやら2010年度はカタログ落ちの気配だ。FZ6はもともとレーサーレプリカであるR6を、一般的な用途に向くようにマイルドに味付けしなおした、というようなコンセプトのバイク。ところが、2009年に、R6やFZ6の兄弟として誕生したXJ6は、FZ6をさらにマイルドにしたというようなバイクで、こいつの存在がFZ6の存在意義を大きく揺らがせてしまったのだ。走り屋はR6を選び、ツーリング派はXJ6を選ぶ。おおぅ、これではFZ6の需要がないではないか。

 これが本当の理由なのかはわからないけど、とにかくFZ6の2010モデルの話は、いまだに聞こえてこない。うーん、自分が乗っているバイクがカタログ落ちしてしまうというのは、実に・・・嬉しいな。

 レア度が増すぜ!

日記: 11月22日(2009年)

 道が混みすぎだ。

 この週末。天気予報が今ひとつだったので遠出をすることは避けて、ゴルフ練習場に立ち寄ったり、遠めのラーメン屋を訪ねたりと、バイクでぶらぶらと都内を走った。しかし、道路の電光掲示板に表示された高速道路の渋滞情報を見ると、つくづく連休を活かしにくくなったな、と思わざるを得ない。冒頭で叫んだとおり、道が大変に混んでいるのだ。

 そりゃあ例年とて、3連休の初日と言えば渋滞が付きものだったけど、それがどうもETC割引制度導入以降というもの、激しさを増しているように思えてならないのだ。ETC割引の恩恵を受けていない私が、被害妄想というか、僻み根性を持っているから、余計にそう感じられるだけかもしれない。でもたかだか単なる3連休ごときで、毎度毎度「八王子~上野原渋滞20km」とかいう表示を今まで見た記憶がないんだよなぁ。やっぱり混んでると思うよ。

 佐久キャンプツーリングのときに、パーキングエリアで話しかけたレーサー乗りのオッサンは、「ETC割引なんて迷惑だよなぁ。邪魔なサンドラがこないように、どっちかっていうと倍額にして欲しいくらいだ」とかなんとか、高速道路を自分の遊び場だと思い込んでる発言をしていた。それを当時の私は、「なにを自分勝手なこと言ってんだこの人は、ははは」とか思っていたんだけども、今ではすこーし気持ちがわかるよ。少なくとも、ETCを付けていない層にとっては、ETC割引制度というのは、「ETC割引のおかげで高速道路の利便性が下がる」制度に等しいものな。利便性対価格比で言えば、要するに値上げされたようなもので、だったらいっそ全員の値上げをしてくれたほうがどれほどよいか。

 って・・・ああ、これでは私が自分勝手なオッサンと同じだな。うへうへ。

日記: 11月1日(2009年)

 到着したキャンプ場は、海まで徒歩3分。炊事場、コインシャワー、トイレ、極めて清潔。ウォシュレットまであり。場内電灯あり・・・という、節約を旨とすることの多いバイクツーリングで利用するにはやや高級すぎる、いわゆる高規格キャンプ場というところだった。1区画5000円というような、本来はファミリーキャンパー向けのキャンプ場だ。

 なんだけども、このキャンプ場ではその場内の一角を・・・というか、余ったスペースを、バイク用の区画としてテント1張2000円で使えるように用意されていた。2000円でもかなり高いけど、海至近というロケーションと、コース的に都合のよい立地、そしてなにより、バイクでは無縁だと思っていた高規格キャンプ場を覗き見るチャンス、ってことでここに陣を張ることにした。


どたばたと設営完了

 さて前回言ったように、夕方という明るさを通り越し、夜というべき時刻に到着したので、時間の猶予はない。完全な暗闇になる前に、テントを設営せねば。視界が悪い中、しかしテキパキと設営を進めていく。こういう場面では、「月明かりでも設営できる」がウリの我がテント、ムーンライト2型の実力が存分に発揮できた。設営自体にも、すっかり慣れた感じで、我ながら頼もしい。

 テントが無事設営できたら、もうやることはない。飯だ!

 そもそも「野外で1人焼肉宴会」を夢見てキャンプツーリングをはじめ、しかし過去2回とも雨にたたられたわけだけども、今回はついにこれを達成できた。感無量だ。


肉カモーン

 使用3回目で、だいぶ煤けてきたピラミッドグリル・コンパクトを組み立て、炭を熾す。同時に、ストーブとコッヘルと不思議なめし袋を使って、炊飯も開始だ。今晩のメニューは、肉、飯、酒。それだけ。潔い。

 10月末ともなると、日中はともかく、夜はやはり冷える。薄手のダウンジャケットを羽織って、万全の構えをとりつつ、1人宴会のスタートと相成った。

 たまに脇を通りかかるファミリーキャンパーの好奇の視線(被害妄想)を、鋼鉄の精神力でシカトしつつ、食い、飲み、食う。暗闇の中で、赤熱する炭火と焼かれる肉とを見つめながら、静かに飲食をしているそのイメージは、昔のネスカフェのCMのようで、妙なヒロイズムに浸ることができた。リアルモンハンだぜー!みたいな。ヒロイズムというよりもナルシズムかな。


道の駅で買ってきたペールエール

 黒ビール2缶、地ビールのペールエール1瓶、安物のブラックニッカの小瓶1つを空け、豚と鶏で合計400gほどの肉も食いつくし、大満足。この日は気持ちよくテントに収まって、ぐっすりと寝た。

 しかし。地獄はここからだった。

 翌朝の目覚めは、頭痛とともにきた。ガンガンガンガン。今まで飲酒でこんなに痛くなったことはない、というくらいの激しい頭痛に襲われた。また吐くほどではないものの微量に胃のムカツキも感じる。いわゆる二日酔いというやつになってしまったらしい。

 ろくに水分も取らずに、酒だけ飲み続けたのが敗因だったのだろうか。うーむ、普段飲みつけないで、イベント時にだけ飲む人間は、こういうときの加減が下手で困るよね。まぁ、私のことなんだけども。


朝の外房の砂浜

 ってことで、困った。出発することはおろか、テントの撤収作業すら億劫なほど痛い。今日は、勝浦の朝市を見に行くとか、九十九里浜沿いの道を気持ちよく走るとか、そんな素敵な予定に夢膨らませていたんだけど、もうそれどころではない。無理をして朝の海岸線を見に行ってみたけど、この日の観光的行動は、これが最初で最後になった(これ以降、写真はない。撮る余裕がない)。

 チェックアウトギリギリの11時までテントで寝込み、50%ほど回復したところでよろよろと出発した私は、「最短距離で東京に帰る」ということだけを目的に、コースを取った。

 本来の目的のひとつだった、そして実は一番期待していた九十九里浜沿いの道も、最短距離で東京へ向かうためには、その1/3程度を走っただけで抜けなければならない通過経路でしかなかった。苦渋の思いで海岸沿いから進路を東京に向け、東金道路を目指す。

 しかし私の体調は、そこで限界をむかえてしまった。なんとかたどり着いた福俵PAでバイクを止めた私は、倒れこむようにベンチにダウン。そこで仮眠を取ることにした。

 は!

 目が覚めると、暴風が吹き荒れていた。この日は、季節はずれの夏日だったらしく、絶好の行楽日和ではあったんだけども、その気温の大きな日較差が強風を生んでいた。私は眠りから目覚め、風の強さに一瞬呆然とした後で、大事なことに気が付いた。仮眠をとる際に、無造作にその辺においてしまった眼鏡と手袋がないのだ。

 これだけの暴風だ。きっと吹き飛ばされてしまったのだろう。

 破れかけの手袋はともかく、眼鏡はまずい。最悪の場合コンタクトレンズが荷物にあるから、頭痛に耐えてでも装用すればいいけど、それでも大事な眼鏡を失うのは痛い。車道で粉々になっている眼鏡の絵を想像して、青くなって周囲を見てみると、それは信じられない光景だった。

 私のバイクのシートバッグをくくっているゴムコードに、なぜか眼鏡と手袋とが風で飛ばないように挟み込まれていたのだ。

 おそらくは周囲を通りかかった誰かがそうしてくれたのだろう。なんという親切か。私は全く気が付かなかったのだけど、ということは逆の可能性を想像すれば、荷物を奪われていても気が付かなかったということでもある。最悪の事態と、実際に起こった事態との格差があまりにも大きく、感動してしまった。

 日本ってやつぁ、なんてすばらしい国なんだ! 福俵PAの親切な方、本当に有難うございました!

 体調もだいぶ復調し、親切に触れた嬉しさもあいまって、残りの帰路はさほど苦痛ではなかった。朝から何も口にしていないことを思い出し、市川PAで朝食兼昼食のミニカレーを食べて腹を満たし、そこからは一直線に我が家に帰っていったのでした。

日記: 10月31日(2009年)

 この週末は、千葉房総半島一周キャンプツーリングに行ってきた。


行程図

 これから冬が近づいてくるにつれ、キャンプツーリングは気温的に厳しくなってくると思われるので、これがきっと今年最後のキャンプになる。だからこれを今年のツーリングの集大成とすべく、気合を入れて出発した。

 首都高湾岸線から東関東自動車道、京葉道路、館山自動車道と、次々に高速道路を乗り継いでいく。ETC割引制度導入以降、サンデードライバーが激増していて、散々な目にあうことが多い高速道路のツーリングだけども、この日は首都高の一部区間以外は快適そのもの。市原SAで少し休憩をしただけで、あとはほぼノンストップで現地まで移動することができた。行楽シーズンも終盤だからかな?

 さて今回の第一の目的地は、「ばんや」だ。「ばんや」は保田漁協直営の海鮮レストランで、様々なメディアでも紹介されている超有名店。ここで海の幸を食するのが、今回の目的のひとつなのである。


込み合う店内

 私が「ばんや」に到着した時刻は11:30頃。混雑することで有名なので、行列に並ぶことを覚悟していたんだけど、運よく待ち時間ほぼゼロで着席することができた。1人だったから、隙間の空席にするっと入り込めたことも、プラスに働いたのかもしれない。でもその後10分も経ったころには、店の前には順番待ちの人々が、20~30人ほどひしめき合っていたので、ここは基本的には「並ぶ店」だと思ったほうがよさそうだ。そういうのが嫌いな向きにはオススメできない。

 壁の掲示板を見ると、刺身、煮魚、焼き魚、揚げ物、と様々な海鮮系のメニューの書かれた札が掲げられていた。ここの名物は、巨大なイカのかき揚げ丼とか、新鮮な刺身などらしい。しかしこの日の私は、どうしても焼き魚が食いたい気分だったので、マコカレイの塩焼き定食をオーダーすることにした。魚種の選択は、ただ単に「食べたことがなかった」というもの珍しさによるものだ。


食いかけスマヌ

 待つこと20分弱。混雑っぷりと、焼き魚という調理法があいまってか、だいぶ長めに待たされた後で、やっとマコカレイの塩焼きが到着した。マコカレイとはなんぞや? と思っていたんだけど、見た目は単なるカレイですな。そして食ってみての味も、実にカレイっぽいというか、淡白な白身魚だった。おいしいんだけども、淡白すぎて物足りないともいえる。これは揚げたり煮たりしたほうがうまい系統の魚だな。

 ぺろりと塩焼きを食い終えた私は、順番待ちで混み合う「ばんや」を速やかにあとにした。

 この混み合いには、ETC割引とアクアラインの値下げも、大きく影響しているのかもしれない。アクセスしやすくなった内房に行ってみよう、というアクアライン特需の流れの中では、目的地と定めるに実に適当な位置にある店なのだろう。店にしてみれば願ったりかなったりな僥倖だろうけども、私のようなETCのない身分としては、余計なことをしてくれたものだと思ってしまう。うへうへ。

 今日はこの後、内房の海沿いを南下し、そのまま最南端を通って、ぐるっと外房を北上して、キャンプ場に行く予定だ。下道をそこそこの距離進まなければならないので、頑張ろう。


道の駅でソフトクリームが好き

 走っていて目に付くのは、道の駅の豊富さだ。房総半島はやたらと道の駅の多い土地のようで、石を投げれば道の駅に当たる。そのくらい道の駅がある。ってことで、いくつかの道の駅に意味もなく立ち寄ったりしつつ進んでいった。中には残念な感じの活気のない道の駅もあったり、そうかと思うとそこから10分程度の距離ににぎやかで立派な道の駅があったりする。道の駅に土地の活性化を期待した地方自治体の苦労と、その成功失敗にまつわる悲喜こもごもが偲ばれた。

 南総の道では断崖の下や防風林の隙間から、チラチラと太平洋を横目にしながら進んでいくことになる。切り立った岩山がそのまま海中に没するような、急峻な地形のありようと、そこに波がぶつかり飛沫を上げる様子が、いかにも日本的で気分が出てくる。今までの私のツーリングキャリアは、そのほとんどが山ツーリングばかりだったので、海が見えるというだけでも、相当興奮してくるのだ。


野島埼灯台

 やがて房総半島最南端にそびえる、野島埼灯台にたどり着いた。

 この灯台はお金を払って中に入り、登ることができる。せっかく来たからには、有料と言えども登らないわけには行くまい。わずか200円を払って入場し、「階段とハシゴ」という原始的な手段で灯台の展望台まで登った。

 北の房総半島と、東西南の太平洋とを一望。うむ、いい景色だ。

 しかし実は、私はこういうところで長くは景色を楽しめないたちなんだよね。この日もざっと一望しただけでもう「よし、見終わった」という気分になってしまった。これは「見ること」そのものよりも、「見たことがある」という経験をこそ欲しているからなのかもしれない。我ながら興趣がない感じがするけど、そういう性向なのだから仕方がない。

 景色をざっと網膜と脳みそとに刻み込むと、それですっかり満足した私はさっさと灯台を出て、さっさと出発した。

 よし、今日の寄り道はここまでだ。後はひたすら外房の海岸線を北上し、キャンプ場を目指すぞ。

 鴨川(・・・といえばシーワールド)やら、小湊(・・・といえば三日月)やら、勝浦(・・・といえば朝市)やら、御宿(・・・といえば月の沙漠)やらといった、有名な外房の観光地を通り過ぎ、すっかり日が落ちて暗くなりつつある17:00過ぎに、やっとキャンプ場に到着した。

 しまった! 思ったより到着が遅くなってしまったぞ! 真っ暗になってしまっては、テントの設営がしんどい、急げ!

 (つづく)

日記: 9月5日(2009年)

 ゲリラ豪雨も日をまたぐ午前0時前には降り止んだ。

 前回の●山牧場では、夜半過ぎまでの降雨がテントを叩いてくれたおかげで、うるさくてなかなか寝付けなかったんだけど、今回は降り止んでくれたおかげで、比較的静かな環境だったので、案外あっさりと寝入ることができた。この辺はおそらく、回数を重ねた(2回だけど)ことによる精神的な落ち着きもあったのだと思われる。


朝のテントの様子

 途中2度ほど目を覚ましつつ、眠ること6時間あまり。午前5時45分頃についにはっきりと目が覚めてしまったので、行動を開始することにした。

 テントの外に出てみると、やや空気に湿り気はあるものの、天候は文句のない快晴。上がりたての朝日が、木々の間を縫うようにして、テントサイトに降り注いでいた。●山牧場の全天360度を覆う青空も良かったけど、こういう木漏れ日の朝も雰囲気があっていいね。

 気分が良くなってきたので、昨日はいきなりの豪雨で、ろくに探索もできなかったキャンプ場を、うろうろと歩き回ってみた。


清流尾白川

 サイトは清流尾白川沿いにあり、サイトを少し下りれば、すぐに川にぶつかるロケーションだ。昨日の雨で増水したため、夜半過ぎまでは轟々とした濁流の音が聞こえていたけど、今はその流れもおとなしくなって、静かに清水を運んでいるに過ぎなかった。釣りや水遊び(危ないかも?)もできそうだし、ファミリー層にも受けがよさそうだね、この川は。

 反面、キャンプ施設は、まぁ昨日すでに体験したんだけど、ダメダメだ。施設は清潔さがなく、トイレにいたっては、昨日の豪雨の影響で半ば水没しているという有様。これはひどい。正直この一事をもって、私のこのキャンプ場への再訪の可能性は、ほとんどなくなったと言っていい。

 散歩もひとしきり済んだので、朝ごはんにしよう。

 まずは、昨晩同様に「不思議なめし袋」で炊飯をする。と同時に、買っておいたレトルトカレーを温め、カレーライスの完成だ。

 今回の炊事にあたっては、昨晩使ったガスストーブは使わずに、焼肉用に持ってきたバーベキューコンロで炭火を熾して当たることにした。せっかく持ってきた資材を使いたいのと、前回は人任せ気味だった火熾しを自力でやってみたいのと、そして今こそリベンジ焼肉(残り物)をすべきだと思ったのと、そんな理由だ。

 インスタントシリンダー(着火材の練りこまれたナンチャッテ木炭)を着火材代わりにして、備長炭に火熾しを試みた。

 試行錯誤すること20分ほどだろうか。なんとか備長炭にも火がつき、火熾しは完了した。うーむ、思ったよりも時間が掛かるものだけど、逆に言えばこれはいい時間つぶしになるな。火熾しは、末永くいい遊び道具になりそうな気がするよ。・・・ってなんだか放火魔みたいな危ないことを言ってるかな? う、うむ、大丈夫、大丈夫。


炭火焼ホルモン

 そんなこんなで完成したカレーライスを食い終わったら、お楽しみの炭火焼肉(残り物)だ!

 昨日の残りの肉に加え、満を持して登場のホルモンを焼く! ちょっと腐らないか不安だったけど、多分大丈夫そうなので焼く! そしてだーれもいない屋外で、朝の木漏れ日を浴びながら、のんびりと焼いては、食う!

 この後に運転があるから、アルコールは摂取できないのだけど、うむ、これは実際至福だ。

 そんな風にのんびりと朝の焼肉を終えた頃になると、続々とキャンプ場に人がやってくるようになった。こんな早朝から来るとは一体なんなのだかはわからないけど、トンカントンカンとあちこちでテントを設営する音が聞こえてくる。ここは登山道の入口だから、ここを本拠地にするとかなのかな。ふむ。

 そんな「今から遊ぶ人」を尻目に、私は「今から帰る」ための準備だ。


乾け乾け

 とにもかくにも、テントを乾かさなければならないので、テントの各面が陽光に当たるように、角度を変え、置き場所を変えて、自然乾燥させる。乾燥させつつ、私はまた椅子に座ってぼへーっとしたり、そのあたりを散歩したりして、自然の空気を全身で味わった。

 周囲を歩き回ってみると、やっぱりこれから尾白川渓谷を散策するという登山客、トレッキング客が多いようだ。キャンプ場にはこないけど、キャンプ場までの道には途切れることなくポツポツと人が通っている。また、キャンプ場に陣地を構築していた人たちは、どうやら子連れのファミリーキャンパー層が多いようで、水遊びをしたりしつつ、川辺で日がな一日宴会をする構えのようだ。

 昨日の雨にたたられた身からすると、のんきなもので羨ましくもある。く。せいぜい好天の中、楽しむがいいさ!

 やがてテントも乾いたので、いよいよ撤収としよう。前回同様に、帰りの予定は特に無しだ。パッキングをして、とっとと東京まで帰ろう。


ふりさけみれば日本晴

 キャンプ場を出て、木々覆い茂る山を出ると、抜けるような青空が頭上に広がっていた。おぉ・・・なんというキャンプ日和。1日これがずれていればなぁ。くぅ。

 一瞬、翌日も休みなんだし、2泊3日計画にしてしまおうかとも考えたけど、良く良く考えて見れば、この日の夜は、別件の予定が東京で入っていたし、着替えも何もないからそうもいかない。

 好天の甲州に後ろ髪を引かれながら、都心に向けて一路中央道を駆け上がって、今回のツーリングを終えたのでした。