というわけで、大型自動二輪の教習が終わった。まだ免許の書き換えはしてないんだけど、とりあえずシリーズを一段落させるべく、この内容に関わる日記のエントリーを独立させ、少しだけ記録性・資料性を高めておいた。
最後に、教習を振り返っての雑感を述べて終わりたい。
・大型二輪はむずかしいか?
全体の印象としては、決して「難しくはない」。普通自動二輪を先にとり、公道をたいした距離ではないにせよ、数年間走った上での挑戦、という私の立場からすると、そういう結論になる。
かつて大型自動二輪免許の取得を「限定解除」と呼び、取得方法が試験場での一発試験のみ、という受験システムだったころの、合格率1桁%(だったそうな)という冬の時代に比べれば、よく揶揄されるが如く「教習所で買える免許」になっているというのも、あながち冗談だけではないと思う。私と同じ立場の人なら、0~2時間の延長で必ず取れるはずだ。
技術的には、普通自動二輪を合格できれば、大型自動二輪も合格できると思う。アクセルやクラッチのつたない部分を、強引に力でカバーするというような、力任せの運転がクセになっている人にとっては、車重が重いぶん、ゴリ押しが通用しにくくてきついかもしれない。だけど普通二輪でもすでに重たいと思っていた人は、大型だろうが中型だろうが、どうしようもなく重たいわけなので、逆に普通二輪と大型二輪の重さの差ほどには、越えるべきハードルの高さの差を感じないように思えた。そして私はどちらかというと、後者派だった(いや、もちろん重かったけどね。でも「だから難しい」というわけでもなかった)。
正直、検定の超緊張状態のときを除けば、ほとんど不安なく教習を乗り切ることができた。
以下、各項目について、個人的な感想。
坂道発進: 楽だった普通二輪よりさらに楽。
一本橋: 普通二輪と変わらず。むしろ安定感があって楽。
スラローム: 普通二輪より加速が激しいので、繊細な操作が必要かも。
急制動: 重いぶん慣性力が強い。でもブレーキも高性能で、プラマイゼロ。
波状路: テキトーに立って半クラしてれば、検定には受かる。
クランク・S字: 普通二輪と変わらず。
交通法規: 普通二輪と変わらず。
・教習所
教習所の様子は、やはり10代後半~20代前半が圧倒的に多かった。次いで20代後半~30代前半となり、この2世代で私の見る限り90%を占めていたように思う。ただ二輪は「おじさんの趣味発掘」的な扱いを、最近受けつつあるようで、中年以降の人も極々まれにいた。しかしこの世代の人は、概ね苦戦していたように思う。
男女比は、大体9:1くらいかな。1コマの教習で、大体4-6人が同時に二輪教習待機所に入るんだけど、そこに2コマに1回くらい女性がいた。不思議と美人が多かったが、トウの立った人も多かった。夫の趣味に付き合います、な雰囲気。
イメージ的には、ヤンキーが多いかと思われがちだけど、土日教習だったこともあってか、そうでもなかった。高校生ってのも少なかった。でもまぁ、致命的に頭の悪そうな層も、普通自動車に比べると比率が高かった。バイク=暴走族のイメージ、いまだ完全払拭はされず。
それと普通二輪のときとは違い、AT限定制度が導入されていて、これを受けに来ている人もいた。AT限定の割合は1割くらいかな。女性は半分弱くらいの人がAT限定だったかもしれない。でも、MTでもATの体験走行をするから、なんとも言えないかな。
大型教習の全体のイメージとして強く感じたことは、「全くできないことを教える」というよりは、「うまくはできないことをうまくする」という姿勢のように思えた、ということだ。
1からは教えてくれない。どんな内容でも、まず口頭で「これやってみろ」から始まる。方法の説明もせずに、いきなり実践。「下手にせよ、とりあえずは出来る前提」で始まる。で、実践させといて、至らない部分があると指摘される。指摘がないと、自分の走行に半信半疑のまま、「これでいいのかなぁ」と思いながら進んでいく。精神衛生上、あまりいいシステムとは思えなかった。
・合格しての心境
元々大型に乗りたいというよりも、見栄で取ったわけで、なんか新車購入とかは、どうでも良くなってきたな!
せっかく取ったからには、遅かれ早かれ買うだろうけど、免許取得前の、カタログを見ては興奮するような、心の高まりがなくなってしまった。いつでも乗れると思うと、逆に勢いがつかない。ちょうど学生が、試験期間に「試験終わったらアレやるぞ、コレやるぞ」とか思いながら、実際に試験期間が終わると何もせず怠惰に過ごすのに似ている(私だけか?)
ってなわけで、今後のバイクライフをどうしようか、非常にのーんびり構えて考えている今日この頃なのでした。
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以上で、だらだらと4ヶ月にわたって、来訪者の9割9分9厘がゲーマー(推定)というこのサイトで展開してきた、需要のかけらもない大型自動二輪教習記録を終わりにしようと思う。客のニーズを無視した欠陥商品ながらも、義理で読んでくれた極々小数の皆さん、まかり間違って検索エンジンから飛んできてしまった皆さん、ありがとうございました。
願わくば、オンラインゲーマー/ライダーのマルチクラスが、このシリーズによって1人でも増えんことを、そしてその人が安全運転を全うできることを祈って。