Google翻訳が進化したと話題だ。
難しい理屈はよくわからないけども、なにやら凄い人工知能を使って、より自然な翻訳ができるようになったらしい。もしそれが本当なら、我々英語の不得手な洋ゲーマーにとっては、福音とも言える出来事だろう。
ということで、その能力を試してみたい。
まずはBattleTechWikiのグレイソン・デス・カーライルのページから原文を印象して、翻訳してみよう。比較として、元祖翻訳サービスとしておなじみのExcite翻訳にもご出場願った。
【原文】Grayson Death Carlyle (born 21 May 3004[1] – died 22 May 3065; aged 61 years) was the commander of the famous mercenary unit Gray Death Legion. Known for his innovative battlefield tactics, especially the use of anti-BattleMech infantry, Carlyle is widely acknowledged as the father of 31st century warfare.
【Google翻訳】Grayson Death Carlyle(30年5月21日生まれ、30年5月22日死亡、61歳)は、有名な傭兵ユニットGrey Death Legionの司令官だった。 彼の革新的な戦場戦術、特に反BattleMech歩兵の使用で知られるCarlyleは、31世紀の戦争の父親として広く認められています。
【Excite翻訳】グレイソン死カーライル(誕生した5月21日3004[1]--死んだ5月22日3065;年老いた61年)は、有名な金銭ずくなユニットグレー死軍隊の司令官であった。彼の革新的な戦場戦術のために知られて、特に、anti-BattleMech歩兵、カーライルの使用は31世紀の戦闘の父と広く認められる。
うーん、差は歴然だなぁ。
Google翻訳はほとんど治すところがない。せいぜい「反BattleMech歩兵の使用」は「対BattleMech歩兵の運用」というくらいだ。国産(?)ということもあって、なんとなくいままではExcite翻訳を贔屓していたんだけど、もうGoogle翻訳以外の選択肢はなくなるな、という印象にならざるを得ない。
この場合のGoogle翻訳のえらいところは、固有名詞を固有名詞と判断する精度の高さだ。「Grayson Death Carlyle」「Grey Death Legion」などを、英語スペルで残しているところに知性を感じる。
また、カッコ書きの生没年表記の部分などでも体言止めを使用するなど、より自然な語順選択、文法選択をしている点も素晴らしい。翻訳もここまで来たか、と感心する。
だめな所は、生没年が西暦3004年~西暦3065年なのに、西暦30年~30年になってしまっているというところ。気を利かせて解釈するロジックが空回りしたせいか、未来の年号に対応できていない。意訳しすぎて意味が変わってしまうようでは、致命的なことにもなりかねないので、このあたりが少し信頼性に疑問符が浮かぶところだ。
実を言えば、この例文はいくつか試した中で、もっともGoogle翻訳の良さが出ていたものを、選択的に掲載したものであって、もっと機械翻訳っぽくなってしまう英文も多々ありはした。でも、そのいずれの場合でも、Excite翻訳に比べれば、圧倒的にわかりやすいものだった。そしてわかりにくい機械翻訳風の文章になってしまった例であっても、Google翻訳のほうならば「全体的な文意は容易に汲み取れる」という範囲には、概ね収まっていた。実用性、という点では十分だった。
数年前に比べると、ぐっと「英語版しかないゲーム」で遊ぶ機会は減ってしまった今日この頃。「あの頃にこれがあればもっと楽だったのに」と思いつつも、今後もし翻訳が必要な機会があれば、Google翻訳が大いに活用できそうだという手ごたえを得た、いち洋ゲーマーの私なのでした。