日記: 9月12日(2022年)

 Warlanderなる新作オンラインゲームのオープンベータテストを少しだけ遊んでみた。

 WarlanderはファンタジーRPG調の世界観の中で、1チーム20人対20人の「2チームデュエル」、または20人対20人対20人対20人対20人の「5チームウォーロイヤル」という2種類のモードで遊べる、大規模PvPゲームだ。

 プレイヤーは戦士、僧侶、魔法使いの3種類のユニットのいずれかを選択して操作する形になっていて、1チーム内で4人のスクアッドを5つ形成して、目標達成(敵の城の制圧)を目指すというシステムになっている。

 従来のゲームで言えば、MMORPGのRvRを想像するのが最も近いかな。それも実際にプレイした感じだと、やや遠かったけど、コンセプトは同じだ。対戦専用ゲームで言えば、ファンタジーアースゼロを想起する人も多かったようだ。けど、これもまた、ちょっとニュアンスの違うゲームだと思う。

 さて、そんなWarlanderを、2戦ほど遊んでみたので、そのファーストインプレッションを述べておきたい。

 まず、良かったところだ。

 「これは新しいな」「いいな」と思ったのは、試合開始前のブリーフィング部分だ。

 スクアッドの戦術目標、および、チーム全体の作戦方針を、まず投票で決めるというフェーズが最初にある。これによって烏合の衆である野良の集合体で、目的意識を共有しやすいように工夫されている。

 また、その戦術目標通りにプレイすると、報酬も加算されるようにすることで、戦術目標の順守にインセンティブが与えられているのも、うまくできている。システム的に戦術目標を共有させ、システム的にそれが有名無実化することを防ぐこの手法は、ナイスアイデアだし好感度が高い。

 実際にそれがどの程度、プレイに影響しているかはわからないけど(というか、最初の段階ではそんなに機能してなさそう)、試みとしては面白く、興味深かった。この部分のUIはシンプルながらもグラフィカルでわかりやすく、初プレイでもなんのためになにをしているのかがわかりやすかった点もプラス評価だ。

 あといい点は、この写真ね。負けると敵の城内で縛り上げられる屈辱シーンが流れる。これは面白い。

 さて、一方で悪かったところは・・・うん、たくさんある。

 大きいところで言うと、どうやら対戦ゲームとしてのバランスが今のところ取れてないっぽいな、というところかな。なんというか、おそらく運営の想定された展開通りには、プレイされていないのだろうと思う。

 普通に想定する展開は、前線の押し合いへし合いの末に、敵の拠点を制圧して、ついには勝利、というような流れなんだと思う。まぁ、普通はそう思うよね、っていう。

 だけど、2回だけプレイした限りではあるものの、その2回ともが、前線を無視して敵本陣にバックドアを仕掛け合い、城のコアを破壊して、先に破壊した側が居留守勝利、という展開になっていた。

 こういう絡め手の勝利は、可能性としては残しておいたほうがゲームとしては面白いと思う。完全には否定しない。だけど、その成功率は格段に下げておかないと、その戦術が最適解になってしまって、ゲームの本筋の楽しみがなくなってしまう。デザートが美味くて、メインディッシュが不味いようなことになってしまう。

 この点が、今このゲームが抱えている、1番の問題なんじゃないかな、と思った。

 なお、この点はプレイヤーの戦術理解度が全体に低いために発生することで、プレイヤーの質の向上や、コマンダー機能の有効活用によって、システム的にではなくプレイヤー的に解決される問題である可能性は、一応ある。ただ、個人的には、それでもこういう展開は、もっとシステム的に対策をしたほうがいいんじゃないかな、と感じられた。「少人数では攻略できなくするために城砦は存在する」という大前提は無視すべきではない。宇宙の黄金律だ。

 また戦術部分だけではなく、個の戦闘という部分でも、その楽しさが少ない感じはあった。

 プレイヤー感戦闘は、かなり大味でおおざっぱな印象だ。全体に攻撃偏重に感じられ、すぐ殺して、すぐ死ぬようなバランス。そのため前線の構築の方法が、じりじりとしたものではなく、ゾンビアタック合戦のような形式になっている。この点は戦術以上にプレイヤーが不慣れなことが影響しそうではあるので、まだ臆断しかできないけどね。とりあえず今のところは、戦闘に楽しさがなかった。

 キャラクターの個性がないのも、この手のゲームに望まれる要素としては残念かな。クラスごとに男女くらいは用意してほしいし、もっと見た目のバリエーションも欲しい。デッキシステムも相まって、愛着を持てるようなアバター性が低い。この辺りは正式リリースや、その後のマネタイズにかかわる箇所かもしれないから、今後に期待できなくもないけどね。

 また、思ったよりもビルドの楽しみが少なかったのも残念。Mordhauのような、取捨選択の妙があるといいな、と思っていたけど、そんなものはどうやら望むべくもなさそうだった。各クラスで、出来ることは全員似たり寄ったりで、レベル上げによってその性能が底上げされていくだけ、少し攻撃方法にバリエーションが出るだけ、というような雰囲気だった。

 そのレベル上げ要素もかなり不安。レベルアップによって、リニアに性能が伸びていくようなので、先に育成を進めた人は、純粋に後続よりもユニットの性能が高い。同じプレイヤースキルであっても、与えるダメージや、ヘルスの量が違う(たぶん)。この手の対戦メインのゲームであれば、レベルアップで得られるスキルは、縦の性能差ではなく、横の戦術幅に費やされるべきだと思うんだけど、このゲームの場合は、完全に「先行有利状況を作るためのレベルアップ」になっている可能性が高い。

 と、まぁ、2回だけのプレイの癖によくもまぁこれだけ欠点を並べたな、と思うところではあるんだけど、気になったのは、というか気にいらなかったのは、こういう点だ。

 いくつかの点は、私にとっての短所であって、ある人にとっては長所になるかもしれないから、刺さる人には刺さるゲームかもしれないけどね。

 ってなわけでWarlander。ファーストインプレッションは、うーん、せいぜい50点といったところかな。

 もう少しプレイしてはみるつもりだから、そこで良いところを発見できて、「やっぱり面白かったわー」って手のひらを返せるといいんだけど・・・どうだろうな。

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