10th Aniv.: X-wing vs TIE Fighter

 10周年記念特集(略すのはヤメだ!)第二弾は、X-wing vs TIE Fighter(以下XvsT)だ。

 Diabloほどのメジャータイトルではないと思うので、大雑把にゲームの内容を説明するところから入ろう。

 XvsTの発売は1997年の4月末。スペースコンバットシミュレーターなどと分類されるジャンルのゲームで、映画スターウォーズに登場する戦闘機を操って、敵軍の戦闘機や艦船を撃破するのが目的のゲームだ。フライトシミュレーターの宇宙版だと思ってもらえれば、そう間違ってはいないと思う。

 XvsTは、その前作に位置づけられる、「X-wing(ゲームタイトル名)」や「TIE Fighter(同)」の、集大成的作品として登場したゲームで、前2作では反乱同盟軍ないしは帝国軍のどちらの機体しか操作できなかった(たぶん。未プレイ)ものが、今作では両方を使うことができるという、お得なゲームだった。ガロウとリュウコにおけるKoFとでもいう感じである。

 このゲームの発売当時は、ちょうどDiabloが一段落していて、でも「オンラインゲーム」というものの魅力には、すっかり魅せられてしまっていた頃で、次なるオンラインゲームを模索している時期だった。そんな時、Diabloを主に遊んでいたあるコミュニティの人たちが、XvsTに手を出しているのを見て、私も真似して参戦してみた、というわけである。

 XvsTにはTCP/IPによるインターネット対戦機能はあったものの、Diabloのような優秀なロビー機能を備えてはいなかった。一応マイクロソフトの運営する、Internet Gaming ZoneでXvsTも扱われてはいたけど、Battle Netの盛り上がりに比べれば、存在しないに等しい程度の利用率だったように思われる。

 しかし私は幸運なことに、上記のDiabloのコミュニティから分派した、オンラインゲームコミュニティとでもいうべき集団に参加することができ、毎夜対戦相手には事欠かないほどの環境を得ることができた。日本では数少ない、「XvsTのオンライン対戦機能を満喫できた人」だったと思う。

 XvsTとそのコミュニティは、今にして思うと熱を上げすぎだろってくらいに活発に活動を続け、大会を開いたり、その大会の参加者の1人が、大会内容を題材にした小説を書いたりするくらいにまで盛り上がっていた。その頃は非常に楽しくて、毎日テレホーダイタイムが来るのが待ち遠しくてしょうがなかった。

 また私も自分のサイト(このサイトだ)で、XvsTの戦術講座なんかを公開してみたりして、その側面援護を担ったような担わなかったような。まぁ、そんな感じで楽しい思い出がいっぱいなゲームなのである。

 さすがに同じメンツと同じゲームを対戦し続けては、そのうち飽きが来るというものではあったけど、それでも夏くらいまではXvsTをやっていたんだったかな? その辺の記憶はあいまいだけど、私のゲーム史のなかでは欠くことのできないゲームだ。世間的には非常にマイナーなんだろうけどね。

 さて、XvsTをオンラインゲームとしてみたときの最大の特徴は、「協力ミッションで遊べる」という点に尽きる。

 RPGではなく、アクションゲームで「協力ミッション」を行うことができるオンラインゲームは、実は非常に少ない。XvsT当時のオンラインゲーム環境下では、ホストマシンの処理負担や、データの送信量という点からしても、大量のコンピュータ操作オブジェクトを登場させるのが困難だった、というのはわからなくもない。でも、その後飛躍的に技術が向上し、PCの性能や回線速度が上がっていっても、「協力ミッション」を行うことのできるアクションゲームというのは、ほとんど登場しなかった。理由はわからない。友人と困難なステージのクリアを目指すというのは、非常に楽しいように思うんだけど、需要がないのだろうか。

 そんななか、XvsTは8人までが参加することのできる、協力ミッションを備えていた。さすがに8人同時となると、回線、マシンともに良好な面子がそろう必要があったけど、それでも一応遊ぶことができるレベルで実装されていたのだ。これがどれほどすごいことだったかに気が付いたのは、その後いくら待っても「次なる協力ミッションゲーム」が登場しなかった数年後のことである。

 8機のX-wingが編隊を組んで、巨大なインペリアル級スターデストロイヤーと、無数の直掩機に挑む。今思い出しても燃えるゲームだった。

 しかもXvsTは、この協力ミッションを「キャンペーン(連続ミッション)」で行うことすらできた。仲間と少しづつ難しくなっていくミッションに、日々挑んでいくことができたのである。こうなればもう、気分は宇宙の戦士にならざるを得ない。

 そんなわけで、対戦ゲーム、協力ゲーム、アクションゲームという、3要素をオンラインでかなえてくれたXvsTは、私の中でゆるぎない地位を得るに至ったのであった。蛇足ながら私は、これを超えるゲームが出るとすれば、個人的には「協力ミッションキャンペーンつきメックウォーリア」しかないな、と思っていたんだけど、結局そんなものは出なかったなぁ。残念だ。

10th Aniv.: X-wing vs TIE Fighter」への6件のフィードバック

  1. アバター画像通りすがりのVGプレイヤー

    いつも楽しく拝見させていただいています。

    もしかするとご存じなのかもしれませんが
    悪名高きSWGでも同じようなことができましたよ。
    JTLという拡張後にスペースシップに乗れるようになるのですが、その中でクエストをしていく(MMOなんで当然の展開なのですが)ので当然他のプレイヤーと協力体制でやったりとか、帝VS共でPVPも出来て、すごく楽しかった事を思い出しました(笑)
    突然のシステム変更さえなければ今でも十分楽しめたゲームなのが悔やまれます・・・・

    突然の駄文失礼しました。

    返信
  2. アバター画像swth

    最近Co-opを搭載してるゲームが増えてきたよ。
    ただね。キャンペーンCo-opを搭載してるのは非常に少ない。その点あの時代でキャンペーンCo-opを搭載してるXvTは異端児だったんだよね。

    まぁ、やっと海外の人も対戦プレーだけじゃなく協力プレーの楽しさを判ってくれたに違いない。この調子でキャンペーンCo-opゲームが標準搭載されまくると良いやね。

    返信
  3. アバター画像Nez/蝿

    通りすがりのVGプレイヤーさん:
    あー、そういえばありましたなー、
    SWGのスペースコンバットシム編。

    やりたいと思いつつ一回解約したSWGには戻れなかった私。
    実は、結構本格的にアクションしてたのかなー?
    話だけでもおもしろそうだ。時すでにおそしですけど。

    へびさん:
    JUNKMETALはまごうことなき粗悪品だと思う。
    1時間で見放した。製作者には技術かプライドか
    その両方かがなかったと思う。

    コンセプトだけではダメ、の典型例。

    swthさん:
    よいやね。
    厳密には、XvsTでキャンペーンあったのはBoPだけだっけ?
    オリジナルはなかったような気も。

    まぁ、いずれにしても、XvsTはよかった。うむうむ。

    返信
  4. アバター画像YIN

    私も某所に毎晩入りびたってDiabloやXvsTをやっていたクチです。
    同盟と帝国でチャットの文字の色を変えてましたよね:)

    もう10年になるんですねぇ。
    昨日のことのようにも思えるし、はるか昔のことのようにも思えるなぁ・・・。

    返信
  5. アバター画像Nez/蝿

    YINさん:
    おお? だれだー。とりあえず、お久しぶり、でいいのかな?

    色変えてましたねー。
    「+15%帰還」とか戦果を報告しつつ戻っていたのが懐かしい。

    返信

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