純和製MMORPGのクローズドβテストに当選したので、少しだけ触れてみた。NDA未確認であることと、まだまだ開発途上であるので、タイトルや具体的な内容に関する記述は、とりあえず避ける。
で、遊んでみた感想なんだけど、恐ろしく安っぽい。予算がないというのは、ある種仕方なくはあるんだけど、それにしても悲しくなるほど安っぽく、古臭い。ここでいう古臭さとは、「古き良きハイ・ファンタジー」というような、ゲーム世界やアプローチのいい意味での懐古主義的なものではもちろんなくて、純粋にプログラミングやシナリオが、使い古されていてセンスの無いものだということだ。第一線級のクリエイターによる仕事ではないことが、プレイ開始1分でわかってしまう。
おそらくこのゲームも、アジア系MMORPGの基本路線であるところの「低予算作成/短期間資金回収」のビジネスモデルを画いているんだろう。それは商業的には正解なのかもしれないけど、この種の絵を画いたMMORPGが私に馴染むことは、過去にほとんどなかったので、このゲームもまた私の中からはほぼ消えたと考えている。まだクローズドβであるという部分にだけ、少しだけの望みがあるものの、概ね残念だ。
(そのくせ音楽やアドバイザーに無駄な予算を使っているのが不可解だ。費用対効果を挙げるほどの集客力がある名前なのかがわからないけど、ただの客寄せパンダなんだろうなぁ)
しかしこのゲームに限らず、和製MMORPGは基本的に考えが甘いというか、コンセプトが素人っぽいというか、そういう浅さを感じるんだよなぁ・・・って偉そうだな。ま、いいや。
つまり企画が「ぼくのかんがえたさいきょうのげーむ」というようなレベルのものが多いのだ。
「○○のシナリオと、××のキャラと、△△のシステムが組み合わさったゲームが最強!」というような、既存ゲームを「いいとこどり」する妄想は誰でもするし、ゲーマーにとって最高の酒の肴になる話題だ。だけど、それをそのまま企画化しただけ、というようなレベルの企画では、当然そうそう上手くいくはずもない。それで上手くいくようなら、誰だって天才ゲームプランナーだ。
にもかかわらず、「まさかそういう安易な思い付きを本当に実行してしまったのでは?」という疑惑が見え隠れするゲームのなんと多いことか。
別にパクるのはいい。面白くしてくれるなら、どんどんいいとこどりして欲しい。でも、いいとこどりした時点でアイデアが枯渇しているようでは、そしてそれを乗せる土台に手を抜いているようでは、やっぱりいいゲームにはなるまいよ。
既存物を改良してヒットさせるのは日本製品のお家芸だけど、MMORPGにおいてはどうやらそれは、全くもってうまくいっていないようだ。和製MMORPGの隆盛を願う私としては、MMORPG開発の現場の人々に、かつてお家芸をお家芸たらしめてきた過去の偉人たちが、どれだけ「本気でパクっていたのか」を学んでいただき、それを活かしてくれることを願わずにはいられないのでした。