ピーター・モリニューが選んだ『過去20年で最も革新的な5つのゲーム』
http://gs.inside-games.jp/news/206/20692.html
これによれば、革新的な5つのゲームに選出されたのは、1)Dune 2、2)スーパーマリオ64、3)Tomb Raider、4)Halo、5)World of Warcraft、だそうだ。おぅ、見事にどれひとつやったことがないな。
そこで私、こと、Nezが選ぶ革新的な5つも、誰も要求していないのに発表してみたい。是非発表したい。
さて・・・これは「20年」というのがポイントだな。つまり、「原始のゲーム界の歴史」にとってというよりは、「成熟しつつあったゲーム界」に新しいインパクトを与えたものを選ぶべきなのだろう。つまり、「元祖」であればいいかというと、そうでもないのかもしれない。無論、そういう要素も重視したいけども。
20年前といえば1989年。1990年のスーパーファミコン発売を目前にしていると時代だと思うので、ここではスーパーファミコン以降に限定して進めていこう。
(なお、私は実は15-20年前くらいには、そんなにコアなゲーマーではなかったし、そもそも色々なゲームに手を出すほどの経済状況下にいなかったので、PC時代以前に経験したゲームの総数は少ない。今回の選出は、そんな少ないものの中から選んだ、視野の狭い結果になることをご了承いただきたい)
「Nezが選ぶ過去20年で最も革新的な5つのゲーム」
【ダンジョンマスター(スーパーファミコン)】
ファミコン時代に、DQ3、FF3で遊んだものの、ややこの手のエンカウント式RPGが食傷気味で、SFCになっても、FF4にはそんなに熱中することができず、途中で投げ出してしまっていた。そんな私を襲ったのがこのゲームだ。
3D(擬似)、リアルタイム、空腹、睡眠。DQやFFのディフォルメされた世界で剣を振るってきたところへきて、こんな過酷な世界で、人間の死体を放り投げ、モンスターの肉を食うはめになるとは。そのあまりのギャップにしてやられた。ここまではまった家庭用RPGは、後にも先にも多分ないと思うほど、こればっかりやっていた。
ダンマス経験後、気が付けば世間はRPG=FFな世の中だったんだけど、おかげでしばらく普通のRPGに全く持って興味を覚えなくなってしまったよ。
私がRPGに求めるものの方向性が、「他人の冒険の操作、鑑賞」ではなくて、「キャラクター=自分である要素が強いもの」になったのは、多分ここからだと思う。今その要素が最も強いジャンルはMMORPGだと思うんだけど、そこに惹かれた原点は多分こいつだ。そして、洋ゲー独特の濃さ、厳しさへの免疫がついたのもこいつ。
このゲームがあってこその、Meridian 59への参入だったと思う。そして内心、今の3DMMORPGの多くは、こいつの子孫だと思っている(EQ然り、WoW然り)。
ちなみに、PC版(?)のオリジナルリリース日は1987年らしいんだけど、私にとってのダンマスはSFC版なので、20年前の範囲内とした。
【ストリートファイター2(アーケード)】
ザ・格ゲー。私のゲームシーンのメインステージが、家からゲームセンターに変わったのはこいつのせいだ。
ただ、私がゲーセンに行き始めた頃は、多分もうダッシュになっていたころで、その後すぐにターボ、そしてSFC版が出たんだったと思う(SFCの移植度は衝撃だった。あれはすごいな)。
このゲームのすごいところは、今でも受け継がれている格ゲーの基本ルールを作ったというのはもちろん第1の偉業だけど、そういう部分とは別にもう1つ、世間的に「不良のたまり場」というような存在だったゲームセンターを、ゲーマー層にまで広げた、というところがあると思う。私を含め、多くのゲーマーにとっての、「ゲームをする場所」を変え、また「ゲーセンという場所」のイメージすらも変えた。それだけのムーブメントを引き起こした功績は、スト2のものだと思う(より一層ゲーセンの一般化を推進したのはプリクラとUFOキャッチャーあたりだろうけど、これは広げた層がゲーマーでは無い点で、根本的にスト2とは異なる)。
なお個人的には、「ちゃんと」格ゲーをしたのは、侍スピからで、だからスーパー以前のスト2には思い入れは少ない。でも、最も革新的であることは確かだ。
【バーチャファイター(アーケード)】
ポリゴンの実力を天下に知らしめた。それだけ。でも、それがやっぱり世界を変えたね。格ゲー2つは挙げたくなかったけど、バーチャレーシングやその他大勢をここで挙げるのは違うと思った。私の中では、ポリゴンの時代の象徴=VF、だ。
見た目のスト2、システムのVF、とかいう友人が当時いたけど、逆だ。格闘ゲームのシステムは、初代スト2でもう完成されていて、スト2はシステムを誉めなければいけない。そしてVFのすごいところは、グラフィックだ。
美しい、とかじゃなくて、すげー、という。このころの時代っていうのは、そのちょっと前の時代までは、同じようなレベルのCGをつくると、NHKがそのCGを売りにして特番をつくり、「1000万円のCGで古代王朝を再現!」とかやっているような時代だったんだよね。それが、そんな高価なはずのCGと遜色の無い動きを、僅か50円で筐体の中に再現できる。これは驚愕したよ。
もちろんVFがやらなくても、そのうち時代がこういったものを作っただろうし、これが一番最初ってわけでもなかったけど、最初にヒットさせたのが偉い。
そしてこの素朴な見た目にマッチした、オタク受けしそうな格闘マニア向けのキャラ設定もうまかった。「はっきょくけんが・・・」「じーくんどうが・・・」というような、なんちゃって格闘博士が、いろんなところに量産されたに違いない。
余談ながら、その後VF2を見たときの衝撃は、いまだに忘れられない。友人と町田のゲーセンに入り、人だかりの向こうの大型スクリーンに映し出された美麗なグラフィックが、中華娘と酔拳爺の戦いだったことさえも、鮮明に覚えている。今思えば1990年代の数年間の進歩って、凄まじい勢いだったなぁ。
【スーパーリアル麻雀P4(アーケード)】
コイン投入。地和。負け。
別の意味で衝撃だった。
・・・ごめん、いらんボケをはさんだ。
【Meridian 59(PC)】
EQとどっちにしようかと思ったけど、やっぱりこっち。今の私を形作った記念すべき第一歩。
いわば原体験なので、これがなければもっとUOにはまっただろうし、EQにははまらなかったんじゃないかと思う。原体験がDiabloの人の多くが、同じ俯瞰視点のUOに類似性を見たように、Meridian 59が原体験の私が、同じ主観視点のEQによりなじんだのは自然のなりゆきだ。
この辺の時代以降になると、もうこのサイトでも色々と語りつくしているので、細かくは述べない。これ以降については、10周年企画に詳しいので、興味のある変態は参考にされたし。とにかくこれは世界的にも、自分的にも、近代MMORPGの元祖なのだ。
オンラインゲームにおける振る舞いや、洋ゲーにまつわる様々な困難を自分で切り抜ける術なども、このゲームに教わった気がする。