日記: 6月8日(2013年)

 この週末は1泊2日の福岡旅行に行ってきた。用事で仕方なく行った部分が大きいので、基本的には食い倒れ以外の観光はほとんど何もしていないんだけど、その辺を記録していきたい。

 【元祖博多めんたい重

 明太子、博多ラーメン、モツ鍋、水炊き、をすべて喰らうことをマストとして旅立ったこの旅行最初の食事は、めんたい重なるものにした。明太子が一番外食で達成しにくい品種であるような気がしたので、逃さないように真っ先に調べて行くことにした・・・というのは建前で、単純に歩く経路上の先頭に店舗があったからだったりする。

 なかなかおしゃれな店内の、カウンター席に案内され、そこで基本の「めんたい重」を注文した。出てきたのは、重箱型の磁器の器に盛られた白米と、その上に鎮座する一本の明太子、といったもの。白米の上にはもみ海苔とゴマが敷き詰められていて、全体に甘めの醤油だれがかけられていた。

 味は、普通にたれと海苔とゴマのかかった明太子ごはん、という予想通りのもので意外性はなかった。当然不味いわけはないんだけど、是非この店で食いたい、っていうほどのスペシャルななにかはなかったかなぁ。高い明太子を買ってきて、自宅で白米で食うので十分と言えなくもない。現地で食える、というのが売りといえば売り。

 【博多だるま

 博多ラーメン第1弾。

 博多ラーメンのいろんな店のレビューを調べてみると、とんこつラーメンだからこってりしているのかと思いきや、案外「ニオイのわりにあっさり」とか「すっきりクリーミー」というようなレビューが多かった。きっとそういうものなのだろう。けど、若さあふれる私としては、ガツンとインパクトが強そうなやつが食いたい。

 ってことで、こってりめっぽいレビューが目立ったこちらの店を訪問した。

 ラーメン、カタ。いろんなものを食わねばならないので、替え玉はしないし、チャーハンセットやらにもしないし、餃子もつけない。断腸の思いでラーメンのみをいただく。

 食べた。うむ、美味い。けど、東京で食えないほどハイレベルかっつーと、食えるなぁ。わりかし好きなタイプの味ではあったけど、今までに食べたことのある範疇の味だった。東京で食べたら「いいラーメン屋見つけたわ」になったかもしれないけど、「本場で食う博多ラーメン」に過度に期待していたぶん、既視感のある味で拍子抜け。

 【住吉神社櫛田神社東長寺

 立て続けに2食を食べたので、腹ごなしに散歩をかねて神社仏閣めぐり。

 住吉神社は鳥居から本殿まで続く緑に囲まれた道がいい雰囲気でよかった。人気も少なく、神秘的な感じ。

 櫛田神社は逆に人がいっぱいいてにぎやかだった。地元民らしき人も多かったし、観光客も多かった。特に外国人の客が多く、日本人:アジア人:西洋人が推定5:3:2くらいの勢いで目にはいった。

 東長寺は日本最大の木彫りの大仏があるらしく、それ目当てに訪問。確かにでかかった。けど、なんかこっそり展示しているようでもったいなかった。もう少し派手に売り出しても良いのに。

 中洲のホテルからここまで歩き通しでGoogle Map曰く3.5kmほど歩いたようだ。いい加減疲れたので、地下鉄で次の目的地へ移動することにした。

 【福岡市博物館

 この旅行で1番観たかったもの。それはズバリ、ここに収蔵されている

 金印
 
 だ。「漢ノ委ノ奴ノ国王」って書かれている、教科書でおなじみの、あの金印。その本物があるとなると、是非見たいぜ! ってなわけで行って観てきた。

 いやー、テンションあがるわー。実物は思ったよりも小さくて、そして金メッキのようにキラキラしていた。大きなガラスケースの中央に、ちょこんと小さな金印が鎮座していたものだから、遠くて細部が観にくかったのが残念だった。でも懸命にじろじろと食い入るように観てしまった。

 しかしこの博物館、こんなにも重要で貴重な歴史的遺物を展示している割には、実に小規模でこじんまりとしたところだった。入場料はたったの100円。頑張って時間をかけても30分くらいで常設展示物は見終えてしまう規模。立地も悪くて(地下鉄駅から1.6km、徒歩15分)、観覧客も少なかった。

 正直、こんなところにこんなものがあっていいのかな、と不安にすらなってしまったよ。あんまり不安だったから、立っていた学芸員の人に「これ、本物ですよね?」とか失礼な質問をしてしまった。うへへ。

 【元祖長浜屋

 博物館の近くからバスに乗って、本日2杯目のラーメン屋へ。

 長浜ラーメンと博多ラーメンってちがうのかな? よくわからないけど、長浜ラーメンを体験する上でベースとなりそうなところはどこかな、と見繕って選んだのが元祖長浜屋。

 店の周囲には、似たような名前のラーメン屋がひしめき合っていて、長浜ラーメンの聖地のような様相を呈していた。ちょっと便乗商法というか、剽窃というか、起源の主張というか、そんな争いも見られるようで、苦笑してしまう。

 で、食べた。薄っ!っていうのが最初の印象。いわゆる普通に想像される「とんこつラーメン」とはだいぶ違うものだった。さらさらっとしていて、変な表現になるけど、とんこつで作った鶏がらスープのようなそんな感じ。味はとんこつだけど、食感は鶏がら。全体的に味が薄くて、印象も薄い。そこに粉っぽい細麺と、塩っ辛い肉、それに葱が乗っていた。

 トータル的にいうと、うーん、微妙かなぁ。あと3回くらい食べるとクセになりそうな気もするけど、観光客が期待に胸を膨らませて食べるものとしては、あまりにも平坦な食べ物だった。味覚的なインパクトがまるでない。お茶漬けみたいなラーメンだ。だから逆に、お酒を飲んだあとなんかにはいいのかもしれない。

 【モーリス・ブラックシープ

 食ったぶんは歩かねば、ってことで長浜屋からホテルまでの2駅ぶんを歩いていたんだけど、途中で目に入った美味そうなビールのサインの誘惑に打ち勝てず、入店。

 Old Speckled Henなるエールをパイントで飲みながら休憩。16時というランチでもディナーでもない微妙な時間帯だったので、他の客も少なく、がらがらの店内で、のんびりと休憩した。昔スコットランドで飲んで好きになったAbbot Aleと同社提供らしいOld Speckled Henは、やっぱり好みの味で大満足。こんなめったに飲めないエールに偶然遭遇できるとは運がいい。

 しかし、カロリーを消費しようという徒歩行(3kmほど)でカロリーを摂取してしまい、まるで無意味に。とほほ。

 【宴会】

 およばれした宴会で、ふぐやら水炊きやらをいただいた。自分プランではないのでどうでもいいな。とりあえず、「水炊きを食う」というフラグはたてることができた。美味かった。

 【屋台】

 博多名物の屋台。なんだけども、もうこの日は飯を食いすぎてギブアップ。中州の屋台街を冷やかすだけで終わった。

 そういえば1軒の屋台で、TVで観たことのある有名人らしき人を見かけた。興味ないのでそのまま通り過ぎたけども。

 で、ホテルに帰って就寝。インドア勢としてはかれこれ10km弱も歩き回って疲れたよ。泥のように眠るのであった。

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