作成者別アーカイブ: Nez/蝿

日記: 11月28日(2019年)

 沖縄旅行の話、その10【橋の駅リカリカワルミ】。

 エピソードを小分けにしすぎてボリュームを出しすぎたことを後悔しつつある本シリーズ。が、始めてしまったので最後までやろう。いつか見返した時に、きっとそうしてよかったと思えるはずだ。

 2日目のドライブ旅行の次の立ち寄り地は、ワルミ大橋の手前にある施設、橋の駅リカリカワルミ、というところだ。ここで遠くに見える、これから向かう予定の古宇利島と古宇利大橋の絶景を眺め、同時に、食堂で昼食をとることにした。

 まず絶景。はい、きれいでした。

 食堂の窓からも食事をしながら絶景を楽しめたし、展望台に上ればさらに遮るもののない、より鮮やかな角度からその絶景を望むことができた。

 そして食事。これも旨かった。

 正直に言うと、店構えがかなりしょぼくて、入店前には「(ここ味とか大丈夫かな・・・)」とクオリティをかなり疑問視していた。建物の雰囲気が贔屓目に言ってもさびれた町の公民館みたいな感じだったから。

 でも、意を決して食券を購入し、しばし待って供されたアグー丼なる「豚の甘辛焼き丼卵黄乗せ」を食べたら、いやー旨かった。両親の食べた、豆腐チャンプルーも、ソーキそばも旨かった。洗練された美味しさというよりは、街の食堂の美味しさという方向性で、味濃いめ量多めという面の良さだったけど、そういうB級グルメもまたヨシだ。

 しょぼい外観でも、中に入ってしまえば逆にアットホームと言えないこともなかったし、お茶やサラダも撮り放題だったし、疲れを癒し、空腹を満たすには十分以上だった。満足満足。

 続く。

日記: 11月27日(2019年)

 沖縄旅行の話、その9【今帰仁城跡】。

 はい、きましたー。読めませーん。読めない観光地きましたー。

 今帰仁城。

 なきじんじょう、と読むそうだ。

 「帰」はわかるよ。読み方は「き」でいい。「仁」もわかる。「じん」でいい。当然だ。

 でもなんで「今」が「な」なんだよおおおおおお! 「こんきじん」とか「いまきじん」じゃねえのかよおおおお! ホワイトアルバムになるぞ。くそ、くそっ。

 はい。

 そんな今帰仁城は、併設されていた博物館のビデオ解説によれば、首里城勢力との戦争で負けた勢力の居城だったところらしい。本州で言えばなんだろうな、秀吉に落とされた小田原城みたいな、そんなところかな。

 それの跡地を見てきた。

 この観光地、正直あまり重視していなかったんだけど、予想以上にかなり立派な城跡で、行って良かった場所だった。うれしい誤算だ。

 もう建築物はなくて、石垣だけが残っているような場所だったんだけど、長大な石垣による長城の様は壮大で、見ごたえ十分。歴史に思いを馳せるタイプの観光者(私だ)には是非お勧めしたい。

 天守跡・・・とは言わないだろうけど、そういう城の主郭のあった場所からの景色も絶景。眼下に海を見下ろせる高台の上にあった主郭は、さぞや素晴らしかっただろうと、往時を想わずにはいられない。国破れて山河在り、とか嘯きたくなる。いい。

 今帰仁城跡の観光で大変だったのは、疲労だった。

 狭くない敷地内を結構歩かされる上に、城郭という特性上、上下移動も多い。11月中旬とはいえ、まだ昼間の気温は25度にもなろうという沖縄での城跡見物は、軽いハイキングの様相を呈していた。

 これにより、私はともかくとして、年老いた両親は、かなりグロッキーに。見物後に飲んだサトウキビジュース(1カップ300円。高い!?)でわずかに回復したものの、このダメージは重く、重く、この日のあとの旅程にのしかかったのだった。

 続く。

日記: 11月26日(2019年)

 沖縄旅行の話、その8【備瀬のフクギ並木】。

 美ら海水族館のそばにある名所、備瀬のフクギ並木。

 フクギなる樹木が並木となっているエリアで、ここをちらっと覗いてみるところから、2日目の観光は始めることにした。

 まぁ、写真の通りの場所だったかな。

 こんな並木が2 kmだか続くらしいのだけど、そんなには(主に両親が)歩いていられないので、入り口付近を軽く散策するにとどめ、すぐに退散することにした。じっくり散策をするのであれば、歩いてもいいし、レンタルサイクルや水牛車などの選択肢もあるようではあったけども。

 とはいえフクギ並木は、入り口付近だけでもきれいだったし、特に訪れたのがまだ午前の早い時間だったので、空気も静謐な感じで、実にさわやかな空間だった。

 並木の外の海岸の景色も、また美しかった。並木と海岸とのコントラストを自由に切り替えながら、気持ちのいい朝の時間を過ごすことができた。

 あと1点特筆したいのは、猫かな。

 ここだけではなくて、沖縄にいる間ずーっと「猫が多いな」と思ったんだけど、特にこの並木にはあちこちで猫が散歩をしていた。

 これらの猫は人間に慣れているようで、近づいても逃げるどころか、あちらから近寄ってきさえするので、猫好きの向きにはたまらない場所だろう。猫と並木、というような写真を採るのも容易かった。

 続く。

日記: 11月25日(2019年)

 沖縄旅行の話、その7【ステーキハウス88美ら海店】。

 理由はよくわからないけど、沖縄にはステーキ屋が多い。米軍基地にまつわる歴史背景の関連であることは想像に難くないけど、詳しいことはよく知らないし、まぁどうでもいい。

 そんな数あるステーキ屋のなかでも、沖縄旅行者にとってもっとも有名な系列店のひとつが、ステーキハウス88ではないだろうか。沖縄じゅうに数多くの店舗を構えるステーキハウス88の名前は、沖縄旅行を計画したことのある人なら1度は目にしたことがある名前に違いない。

 ってことで、1日目の夕食は、このステーキハウス88の「美ら海店」で食べてきた。

 いきなりステーキ自体の結論からいうと、まぁまぁかなぁ、っていう感じだった。

 関東圏で馴染みのある喩えをすれば、「雑なフォルクス」っていうほど印象。絶賛するほどではないけど、十分美味しくいただけた。

 (以下、そういうなじみのある店との比較がちょくちょく出るけど、わかりやすさのためなので目をつぶって欲しい)

 ステーキそのものは、メニューにピンキリがあったので、自分の食べたもの(USだかNZだかのリブロース)のみの感想になるけど、200グラム強で3000円という値段からすると、それ相応か、やや劣るかなっていうくらいの味わいだった。この肉に関していえば、同じくらいの価格帯のフォルクスやいきなりステーキの肉のほうが、私には好ましい。

 取り放題のサラダバーとスープバーがついてくるのは良かった。とはいえ、フォルクスでもサラダバーはつくからな。あまりこの店独自の得点にはならない。

 ちょっと興味深かったのはスープバーのスープ。マッシュルームのスープが、いままでに飲んだことのない種類のものだった。白濁したとろりとしたスープで、ホワイトシチューに近い風貌。でも味はホワイトシチューではない別の何か。沖縄の郷土スープだろうか。最初は違和感があったけど、飲むうちになかなか美味しく感じられるようになり、気に入った。

 そしてこの店で特に良かった点は、ずばり店の雰囲気だ。

 チープなネオン輝く外観といい、洗練されていないアメリカのダイナー風の内装といい、カントリーミュージック(?)主体のBGMといい、古き良きアメリカの風が吹いていた。ゲーマー的にはFalloutっぽい(いやだいぶ違うんだけど)気分を味わえた。

 ともあれ、そんなステーキハウス88で満腹になって初日の旅程はすべて終了だ。該当少な目でだいぶ暗い夜道を、慣れない車で恐る恐る宿まで帰り、寝た。

 続く。

日記: 11月24日(2019年)

 沖縄旅行の話、その6【フラココ】

 今回の旅行の宿泊地は、本部町にあるフラココというコテージにした。ここに3泊した。

 今回の旅行で1番良かったことは、多分この宿ではないだろうか。そう思えるくらいパーフェクトな宿だった。

 フラココは1棟貸し(厳密には1棟を縦半分に割った1/2棟貸しだが)のコテージなんだけど、とにかくその質がいろいろと高かったので、いいところを挙げていきたい。

 まず、綺麗。去年建ったばかりの建屋は、いまだ新品で清潔感にあふれていた。置かれたテーブルやソファ、家具全般に至るまで、清掃も行き届いていて、嫌なところが1つもなかった。

 広さも大人3人で利用するには十分以上に広く、ゆったりと過ごすことができた。

 ハワイのラナイを思わせる広めのベランダからの景色もすばらしく、瀬底島に沈む夕日を眺めるなど、観光地に行かずとも南の島の生活の醍醐味に触れることができた。

 備品も充実していて、調理器具や食器の類は言うに及ばず、調味料やアメニティ、使い捨てスリッパに、洗濯機や洗剤に至るまで、「そこに住むような滞在をする」のに必要なすべてがそろっていた。この手の貸しコテージは、そういったものはすべて自分で用意する形式が多い中、この利便性は素晴らしかった。

 さらに、敷地内の別棟にお住まい(たぶん)のホスト夫妻のホスピタリティについても特筆したい。

 人柄が非常に柔らかく、必要な助けの手は差し伸べ、それでいて滞在中に余計な接触はしてこない。また到着するや否や、スムージーとスイーツを頂いうえに、さらに2日目には連泊者サービスとのことでフルーツの盛り合わせまで頂いた。もちろんロハでだ。

 そんな良いところづくめのフラココ。極めつけのウリはといえば、コスパ。これに尽きるだろう。1泊1名4000円強。大人3人で14000円程度。「嘘だろ?」としか言えない。同じような規模&設備ハワイのコンドは、1泊90000円だったぞ…。うっひょ。

 最後にフェアな評価をするために、一応欠点も挙げておこう。

 基本的には「立地」、これにつきる。

 そもそもレンタカーでないと利用が不便。沖縄旅行をする時点でレンタカー派は多かろうから、大きな欠点にはならないかもしれないけど、とにかくレンタカーはほぼ必須だ。そのくらいのやや僻地にある。

 またそれに伴って、周囲の施設が多少貧弱ということ挙げられる。レストランや居酒屋の併設された、いわゆる「観光ホテル」に慣れた人にとっては、どうしたらいいのかわからなくなるかもしれない。「買い出し」や「お出かけ」や「送迎」なんかを駆使する必要がある。

 買い出しに関していうと、最寄りのスーパーがいまいちなのも、少々厄介だった。最寄りのスーパーは、地元の生活者向けのスーパーがあるだけなので、例えば肉ひとつとっても、コスパのいい肉はあっても、ちょっといランクの肉はない。旅先の自炊くらい奮発したい、と思ってもかなわない。この辺は、ちゃんと下調べをしたり、ホスト夫妻聞いたりすれば、もっといい食材の入手先は判明したのかもしれないけど、今回は廉価スーパーですべてを済ませてしまった。そういう点で自炊時の食卓に華がなかった。

 ともあれ、これらは些細な欠点だし、自分で克服できる点でしかない。

 今回の宿フラココは、最初に述べたように、今回の旅行でもっとも良かった点の1つとして、長く私の記憶に留まることになるだろう。

 続く。