腹いっぱいで訪れた寧夏路夜市で唯一買ったのは、このパパイヤミルクだった。
注文すると店員の兄ちゃんが、きったないミキサーにパパイヤの果肉、ミルク、氷を無造作にぶち込んで、がーっとパパイヤミルクを作ってくれた。
実は、パパイヤというものの味すらよくわかってなかったんだけど、かなり旨かった。カップには20分以内に飲みきれよ、って書いてあるんだけど、夜市を見物しながら飲んでいたら、5分かそこらであっという間に飲みきってしまった。
士林夜市を後にして、別の夜市にはしごすることにして向かったのが、寧夏路夜市。Web調べによると、食い物系中心の夜市らしいので、ここをチョイスした。
雙連駅から徒歩10分ほどで到着。大通りを直進するだけだったので、夜でも簡単にたどり着けた。そこを歩いているさなか、進行方向では花火が上がっていたりして、道行く人々が足を止めて花火を見物していた。日本的な風景だった。
そして到着した寧夏路。まっすぐな道沿いに並ぶ食い物屋台の数々。端から端まで、混雑の中をゆっくり歩いて10分ちょいだったかな。そんなに規模の大きくない夜市に、人々が押し寄せて、B級グルメを楽しんでいるようだった。
私はもう士林で散々食った後にきたから、そんなに食欲もなかったんだけど(じゃぁなんで食い物中心の夜市をチョイスしたんだよ、っつー)、ここも腹を減らしてきたらいろいろ食えそうでいいな。
前回すごく期待して食べたのに、あまりおいしいと思わなかった蚵仔煎。すなわち台湾屋台式牡蠣オムレツ。これに懲りずに挑戦してきた。
なぜまた挑戦しようかと思ったのかというと、絶対にまずいはずはないよな、と思ったからだ。あれだけいろいろなおいしいものを提供してくれる台湾で、長年人気を誇っているB級グルメが、そんなにまずいわけはない。材料だって、卵に牡蠣で、好きなものばかりだ。店のチョイスと、食うべきとき(腹いっぱいじゃない、とか)を誤りさえしなければ、もう少し味わえるはずだ。
ってことで、店を吟味して、できるだけおいしそうに作っていた店で、再度食べてみた。
ああ、やっぱり結構おいしいじゃないか。
片栗粉水で量を割り増しされた卵でとじられているので、牡蠣オムレツ、というよりは、牡蠣お好み焼き、というような様相を呈している。もんじゃ焼きのような実に安っぽい料理だ。でもそうだとわかって挑めば、それも1つの味わい。上にかかった甘辛いたれも、前回の店のは好きになれなかったけど、今回のは悪くない。台湾の屋台で残念に思っていた汚点が、一つ解消された。よかった。
フライドチキン、ホットドッグ、と油っこいものを食べ通しだったので、それを洗い流してくれるような、潤すデザートを求めて購入したのがこれ。
愛玉というのは、愛玉子という果物から作るゼリーらしい。愛玉子はオーギョーチと読む。オーギョーチといわれると聞いたことがあるかもしれない。それにシロップとレモン果汁をかけて、飲めるゼリーにして売られていたのを飲んだ。
油でしつこくなっていた口やのどに、冷たさと甘さと酸味とがさわやかに流れて心地よかった。甘さも比較的控えめで飲みやすく、太めのストローを通して吸い上げられてくる愛玉が、食感にアクセントを加えてくれて、おいしい。ちょうどいいときに、ちょうどいいものを飲めてよかった。