骨伝導ヘッドセットを買ってみた。
きっかけは「TwitterのTLで誰かが購入報告をしていたのを即座に真似して購入」という、かなり衝動的なもの。
比較的物の購入に慎重な私にしては珍しく、見て、気になってから、買ってしまうまでが速かった。たぶんこの間5分くらい。深く検討もせずに、一気に購入まで駆け抜けてしまった。
そうなったのは、2つの理由からだ。
理由の1つは、このヘッドセットが、ちょうどタイムリーに困っていた事象に対するソリューションになりそうだ、と直感したこと。
その困っていたこととというのは、Nintendo SwitchはオンラインプレイをしながらVCで会話をするのがやっかい、ということだ。
Nintendo Switchには、今どきのゲーム機としての大きな欠陥として、VCが実装されていない、という特徴がある。そのため、プレイしながらVCをする場合、スマホなりPCなりの外部の通信機器を使ってVCをすることになる。私の場合は、PCにヘッドセットをつけてVCをしている。
これでVCそのものはできるわけだけど、こういう構成にすると、ヘッドセットが耳を塞いでしまうため、TVのスピーカーから流れてくるNintendo Switchの音声は、ヘッドセットで遮断されてしまう。
頑張ってNintendo Switchの音声とPCの音声とをミックスする機器でも揃えない限りは、この状況が続くものだと思っていた。
しかし、オープンイヤーな骨伝導ヘッドセットならば、この状況を完全に払拭してくれるのではないか。そう思ったわけだ。
理由の2つ目は、骨伝導スピーカーという技術そのものへの興味だ。
これはもう単純にそのままの理由。強いて深いストーリーを付与するなら、私が骨伝導スピーカーをかつて検討したのは、バイクに乗り始めたン十年前の事で、その頃は諸々の理由でバイク用のスピーカーとしては骨伝導という「(当時の)新技術」は導入しなかったんだけど、その頃を思い出して、急に使ってみたくなった、という次第だ。
そんなわけで骨伝導ヘッドセットを購入したわけだけど・・・なかなかいいものだった。
まず、購入理由の1つ目に上げた、Nintendo Switchと併用するためのヘッドセットとしての有用性に関しては、完全に図に当たって、申し分のない結果を与えてくれた。VCは今まで通りに普通にできる上で、ヘッドセットでふさがれていた時とは比べ物にならないほど、ゲーム音もクリアに聞き取れる環境になった。期待通りだ。
2つ目の骨伝導スピーカーという技術の体験については、正直予想以上だった。体験するまでは、骨伝導スピーカーから聞こえてくる音は、なんというか、もう少し変なんだろうというか、「普通のスピーカーとは種類の違う音」なのかと思っていたんだけど、さにあらず。普通に耳で聞くのと、ほとんど変わらない感覚で音声が知覚されることには、たいぶ驚かされた。あぁ、骨伝導ってこんなクリアなんだ、こんな普通なんだ・・・と。
それでも普通のスピーカーと如実な違いがあるとすれば、射撃音や爆発音のような、いわゆる破裂音が大きく響く時に、骨伝導している部分がブルルッと物理的に震えることくらいかな。
これは気持ち悪いと言えば悪いし、邪魔といえば邪魔なんだけど、私の場合は、骨伝導スピーカーはゲーミングデバイスなのだ、と決めつけてしまうことで、コントローラーの振動機能と同じ体感装置だと思い込めたので、むしろプラスでさえあった。
ということで、購入時に期待していたことは、概ね満たしてくれるヘッドセットだった。買い物としては成功だったと言えるだろう。
最後に、購入理由とマッチングさせた以外の、私の使用レビューというか思いつくことをだらだらと列記しつつ、本稿を終えようと思う。
- 散歩でも使用した。音漏れせず、環境音も聞こえるので、耳孔を塞ぐイヤホンより安全
- ただし、当然ながらノイズキャンセリングなどはできないので、交通音がやかましい場所などでは、音声が聞こえにくい
- マイク機能のほうも、いまのところ良好そう。自分ではよくわからないけど、今のところVCの相手方からのクレームはない
- なお「今日Nezさん鼻詰まってます?」とは聞かれた。音質がくぐもっている可能性はある
- オープンイヤーなのでチャリに乗っても使えるんじゃ、とも思ったけど調べてみるとかなりグレーなのでやめとく
- ネックはたぶん値段。これ2万円強の価格だった。オーディオマニアでもないのでこれは高く感じられた。もうちょい安いので同等のものは探せばあるかも
- 今回は「骨伝導スピーカーの初体験」というものを粗悪品で悪印象にしたくなかったので、値段でリスクを担保した
- コードレスなのでVCをしながら歩き回れるというのも面白かった
- しれっと話しながら冷蔵庫前まで行ってこっそり麦茶を補給したりできる