カテゴリー別アーカイブ: バイクとツーリング

日記: 4月8日 (2007年)

 久々に週末昼に覚醒した。予報では曇りだといっていたわりに、良い天気だ。

 このところ週末のたびに深夜までゲームをするという、不健康不健全生活が染み付いていたので、昼になってもぼーっとしていることが多かったし、そうでなくても雨天や曇天だったりして、ろくにバイクにも乗ってやれていなかった。久々に乗りたいぜ!

 ってなわけで、昼飯、兼、買い物にいくためにバイクのカバーをはずしてやった。のだけど・・・。

 なぜかバイクがえらい汚れているではないか。

 泥水をストローで垂らしたような、ほそーい茶色い汚れの線が数条に渡って、タンクやシートについていた。そのまままたがる気にはなれないほどに汚いぞ。カバーをはずしてこんなに汚れていたことが、未だかつてなかったのでかなりショックだ。うーん、これは一体・・・。

 さてはネコの仕業か!? それともネズミか!? ヘビか!? トカゲか!? ミミズか!? ツチノコか!? などとどんどん気持ち悪い方面に想像を膨らましてはみたものの、実家周辺でネズミやヘビが歩き回っているなんて話は聞いたことがないし、ネコが入り込める隙間なんてバイクとカバーの間にはなさそうだ。それより小さな小動物や昆虫にしては、汚れの規模が大きすぎる。幻想動物など問題外だ。

 となると・・・。はい、そうですね。そのとおり。皆さんご想像のとおり、単純にバイクカバーが損傷して穴が開いているに違いない。そう思って銀色のバイクカバーを子細に眺めてやると、案の定、縫い目の一部分が、かすれるように破れてしまっていた。

 破れていた箇所は、ちょうどカバーにかかるテンションが集中する箇所にある縫い目の部分。しかもミラーとリアキャリアを頂点とした谷の、ちょうど谷底に当たる位置だったので、それはもう雨水や朝露が大挙して押し寄せ、流れ込むにうってつけの入り口となっていたのだった。そらバイクも汚れるわなぁ。

 今のバイクの購入と同時に導入したバイクカバー。早いものでもう4年か。さすがに風雨にさらされ続けたカバーには寿命が来たと思うことにして、今度新しいのを買ってこよう(この日は用事があって買いにいけなかった)。

 問題は、買うサイズだな・・・。乗換えを考慮すべきかどうか、悩む。

日記: 1月6日 (2007年)

 昔、実家の近くに、いたくお気に入りのラーメン屋があって、数年前までは月に1回以上の割合で通っては、塩トンコツラーメンをそこで食っていた。

 あれから数年の歳月が過ぎた去年、突然その店は閉店してしまった。もう往時ほど頻繁に、その店に食いには行けなくなっていたものの、たまーに実家に帰ったときにそのラーメン屋へ行き、塩トンコツラーメンを食うことに、小さな幸せを見出していた私にとって、その閉店はショックだった。もうあの味は二度と食うことができない。その事実は、思いのほか私を打ちのめしたといっていい。

 ところが! ふとそのラーメン屋を思い出して、ネットでなんとはなしにその店について検索してみると、同系列の、似たような味のラーメンを出す店が、ほかにもあるらしいとの情報を発見できたではないか。

 あの味に再び合えるかもしれない!

 冬晴れにめぐまれた今日、私はそんな思いを胸に、バイクにまたがって、一路噂のラーメン屋を目指したのであった。

 実家からバイクで15分くらいかな。少し混雑していた国道を、すり抜けたり抜けなかったりという気まぐれ走行で進んでいくと、迷わず件のラーメン屋にたどり着くことができた。

 店は、トラックの運ちゃん御用達、という感じの、国道沿いのラーメンショップ風たたずまい。一言で言えば野暮ったく、ダサい。いまどきの洒落たラーメン屋とは一線を画す、昭和の気配色濃い、仮設住宅のような店構えだった。

 だが、それがいい。私の通っていた、今はなきラーメン屋も、そんな時代遅れの店だったからだ。逆に安心しさえした。

 しかし、入店すると、早速残念な結果が待ち受けていた。

 私が愛してやまなかったのは、塩トンコツラーメン。しかし、その店のメニューには、塩トンコツラーメンがなかったのだ。あるのは醤油か味噌のみ。嗚呼、なんてこった!

 やむなく醤油トンコツラーメンを注文することにした。

 そして待つことしばし。やってきたラーメンの味は、確かに、間違いなく今は亡きあの店と同じ・・・とまではいかないまでも、極めて酷似した味だった。残念ながら醤油味だったわけだけど、これが塩味だったら、あの懐かしの味になるであろうことは、想像に難くない。そんな味だ。

 ただ、当然塩味と醤油味は、全くの別物なわけで、想像はできても、それ自体は全く懐かしくもなんともない味であった。「あの味」を求めてきた当初の目的からすれば、失敗、といっていい。ただし、肝心の美味いか不味いかということを言えば、十二分にうまかった。醤油味だった、ということで、それほど「懐かしの味」感はなかったんだけど、そういう点懐古趣味を度外視してみても、十分にうまいといえる味だった。

 結局「あの味」でないことに、そして「塩トンコツがメニューにない」ことに、内心で不満を漏らしつつも、それはそれとして美味かったラーメンの魅力に負け、替え玉まで頼んでしまい、満腹。体も暖まったところで、帰路についた。

 懐かしの味との遭遇は、ニアミスに留まったという不満感と、美味いラーメンに出会えたという満足感で、複雑な気分を味わいながら、ラーメンで暖まった体で帰路15分間のツーリングを楽しんだ私なのであった。

日記: 12月29日 (2006年)

 「横須賀で戦艦三笠と軍艦カレー」ツーリング、に出発。

 ・・・したんだけど、出発が遅くて横浜までたどり着いた時点で正午過ぎ。面倒くさくなってそのままファミレスで飯を食って、引き返してしまった。終わってみれば、いわば「横浜でファミレス」ツーリング。失敗君。

 いや、やっぱりツーリングは田舎へ田舎へ行くに限るね。東京~横浜の混雑道路を延々と進んでいたら、面白くもなんともないわ、産業道路のトラックで精神的にも疲れるわで、いいとこなし。横浜に到着した時点で、もう飽き飽きしてしまったよ。そこで奮起して横須賀へ向かい、海沿いの三浦半島を1周でもすれば気分も晴れるんだろうけど(いや、行ったことないから実は酷道かもしれないけど)、帰り道でまた同じところを通ると思ったら、もうすっかりやる気ナッシング。私においては、ここで気力が尽きた。

 ってことで、とりあえず第1チェックポイントの根岸森林公園で散歩をして心の洗濯。そのままベンチでぼーっと冬の好天を楽しんだ後、ファミレスで食事をして帰ってきてしまった。わざわざ1時間半近くかけて、これといって何もない公園へ行き、数十分たたずんだだけで、また1時間半かけて帰るという、この無駄っぷり。でも、ま、そんな無駄がよいということにしよう。

 ちなみにこの根岸森林公園は、ゴミゴミしたスポットの多い横浜で、まるで別世界のようにのどかな公園。一面の芝生と立ち木だけが広がっていて、「はい、あとは好きにくつろげ」というような自由奔放さが快い。トレーニングをする部活の学生、フリスビーを投げる人、子供連れの家族、犬を走らせる人などが、好き好きに余暇を楽しんでいる。私のような変人を除けば、わざわざ遠くから行くような場所ではないと思うけど、近くにこんな公園があったら、この上ない幸せに違いない。

 しかしやっぱ横須賀は遠いな。というか、海が遠いよなー。東京・神奈川は、東西に進むのは簡単だけど、南北に進むのが難しい。海を見て終わりたかったのになぁ。

日記: 11月19日 (2006年)

 いざ進めやキッチン~♪
 めざすはジャガイモ~♪

 ってなわけで、道の駅「ちちぶ」にあるらしい「秩父コロッケ」とやらを食すべく、北北東(?)に進路を取った。コロッケ大好きであります!

 旅の記録の出発地点は、JR武蔵五日市駅。

 中央線の終着駅表示でたまに見るこの駅。はじめて訪れたけど、駅は大きいものの、なーんにもないですな。観光客と思しき人々が、ぽつぽつと駅から出てくるけど、有名観光地ほどの人出はなさそうだ。蒸気車のような形をしたバスが、寂しげにターミナルに停まっていたのが印象的。

 ここから秋川街道(県道31号かな)をひたすら北進する。綺麗に舗装された、交通量の少ない県道で、走っていて気楽だ。ところにより起伏が激しいものの、カーブはゆるく、目を三角にすべきところがない。走るの大好きライダーにとっては物足りないのかもしれないけど、まったりツアラーの私にはいい感じだ。紅葉で黄色い斑模様になっている山村を眺めながら進む。

 やがて青梅市街に入った。県道31号とR411が合流すると、R411を通って都内ライダーの聖地(?)奥多摩湖へ向かうライダーを多く目にするようになった。SSあり、クルーザーあり、ネイキッドありの、バイク博覧会状態。

 青梅駅周辺では、祭りなのか、それとも休日はいつもこうなのかわからないけど、お祭りのように屋台が並び、にぎやかな祭囃子が流れ、仮装した人々が練り歩いていた。青梅は駅でトイレ休憩をとっただけで、すぐに通り過ぎてしまったんだけど、武蔵五日市に比べると、格段に観光地化されている印象だった。

 青梅駅を過ぎ、奥多摩湖へ向かうライダーの群れから離れて、小曽木街道、成木街道を経て、県道53号を北上した。秋川街道から県道53号まで、ずーっとまったりとした雰囲気の田舎道で気分がいい。走行中の匂いが、排気ガスではなく、緑の匂いになってきた。

 県道53号をしばらく進むと、「有間ダム」なるダムへの案内表示が出ていた。立ち寄る予定はなかったんだけど、なんとなくこのダムを見たくなり、ぶらりと立ち寄ってみた。そして記念写真。この写真はなかなか絵になったぞ。ダムとバイクはなぜか似合う気がするよ。

 しかしこの写真を撮るときに、かなり交通を阻害してしまったのは失敗した。邪魔しちゃった車の人、ごめんなさい。周りが見えてませんでした!

 さらに県道53号を北上し、R299と合流すると、そこが道の駅「あしがくぼ」だ。漢字で書くと芦ヶ久保。ひらがなだと泡を吹いているようなコミカルな響きに見える。

 ここで、上州牛の串焼き、なるものを発見。肉!肉!肉!

 というわけで、買って食った。500円也。高いぜ! 同じ店で、焼きシイタケ串も売られていて、これが100円。多くの人が、焼きシイタケを食らう中、堂々と5倍の値が張る牛肉を食う私。ふっ、貧乏人どもが(ウソ)。

 味は普通に牛肉でした。筋っぽいところのない、やわらかい肉で、とてもうまかったよ。まぁ、500円だし!

 肉でパワーをつけた私は、そこからわずか数キロはなれた道の駅「ちちぶ」を目指した。この数キロの行程が、今回の往路最大の混雑路で、すり抜けができるバイクだったとはいえ、えらい渋滞で参ってしまった。地元のヤンキースクーターが珍走していて、やたら危なっかしかったのも印象深い。

 そして道の駅「ちちぶ」に到着。「あしがくぼ」といい「ちちぶ」といい、二輪駐車スペースが、まるで見当たらない。みんなテキトーな場所に停車しているので、それにならって停めたけど、なんだかすっきりしないなぁ。バイクに優しくない世の中だ。

 そしてコロッケを買う。200円というバカ高いコロッケは、大きさもかなり大判の一品だった。直径12、3cmはあろうかというコロッケは、店のおじさんによれば、塩コショウで味がつけてあるので、ソースはかけなくても良いらしい。うむ、私は揚げ物にソースはあまりかけない主義なので、元々かける気はない。のぞむところだ。

 大きなコロッケを、ハンバーガーを食うようにして食らいつく。味は・・・思ったより普通だった。確かにコショウが効いていて、その辺が少しそこいらのものとは違ったけど、トータル的にみて、近所の惣菜店のものと比べて驚くほどウマイ、というほどのものではなかったかな。片道数十キロかけてまで食いにくるものではないことは確かだ。揚げたてという感じでもなく、しばらく置かれていたような生暖かさだったのも残念。

 コロッケを食い終え、お土産に名物の岩魚の押し寿司と古代米のせんべいなるものを買い、復路に出発だ。本当は、コロッケを食ったあと、ソバかアルペンカレーを食おうと思っていたんだけど、肉とコロッケで十分おなかいっぱいになってしまった。まぁ、今度また、芝桜の季節にでも羊山公園にいって、アルペンカレーを食うとしよう。

 復路は、芦ヶ久保から山道に分け入り、奥武蔵グリーンラインを抜けるコースをとることにした。奥武蔵グリーンラインは、尾根伝いの林道で、結構な冒険気分を味わえるルートらしい。楽しみだ。

 途中、ところどころで立ち木の切れ目から、眺めの良い景色が望むことができた。・・・んだけど、基本的にブラインドコーナーの連続する、1車線の、アップダウンの激しい林道なので、あまり余所見ができない。余所見をすると、死ぬ。

 ちゅーことで、いい感じの景色が見えそうになるたびに、停車して景色を眺めた。ちょっと面倒くさい。

 写真は、うち捨てられ荒れ果てた展望台からみた武甲山。ヤマトタケルノミコトが甲冑を納めた山らしい。秩父の代表選手のような山で、由来と名前は格好いいんだけど、実際の姿は写真のように(わからんか)、石灰の採掘で山の形が変わるほどに削られてしまっていて、ちょっと痛々しい。

 林道は紅葉に染まった木々に覆われ、黄色いトンネルをくぐるような、幻想的な雰囲気の場所も、そこかしこにあった(かと思えば、常緑樹に囲まれた、薄暗い不気味な箇所もあるんだけど)。

 木立の間から漏れる陽光が、非常に暖かい空気を演出していて、心がなごむ。道が険しく、心が張り気味な場所だけに、こういうなごむスポットがより一層心地いい。

 そうかと思うと、「発砲注意」とかいう恐ろしい看板が立ってたりもして、別の場所では散弾銃持ったおっさんが、スリングを持って銃をぷらぷらさせながら歩いてたりもした。普通に銃口が、道路を行く私に向いている。こっちに銃口を向けるんじゃねえええ!

 背後から狙撃されるような錯覚に軽くおびえながら、さっさと走り去った。

 刈場坂峠に到着。

 峠では茶屋が開かれていて、ライダーやドライバーが休憩していた。ここまでほとんどライダーの姿を見なかったのに、どこから沸いたのかというくらい、大勢のライダーが集っていて、ちょっと驚いた。この人数と、狭い林道を一緒に走りたくないので、出発をずらそうと固く決意した。

 峠からの眺めはよく、眼下に市街や遠い山々を遠望できた。ちょっと天気が崩れ気味だったので、すごく良い景色、とはいかなかったけど、高いところに登ってきたという感覚を実感できて、ある種の達成感はあった。

 一応名目上は、ここまでは「ただの林道」で、ここから先が「奥武蔵グリーンライン」となるようだ。とはいえ、基本的には、ここまでの道と変わらない、狭くけわしい舗装路が続いていた。そこをR299との合流地点を目指して進んでいった。

 もう1箇所、関八州展望台とかなんとかいうところで写真を撮り、帰ろうかと思っていたんだけど、気がついたら通過してしまったようだ。いまだにいったいどこが関八州展望台だったのか、わからない。んー?

 その後、狭く、かなり急な傾斜を駆け下りて、R299に降り立ち、R299、R16を経て、帰路に着いた。

 総走行距離180kmくらい。コロッケがいまひとつ(決してまずくはない。ウマイ)だったけど、奥武蔵グリーンラインは楽しかったな。