ってことで、久しぶりに少しだけ、バイクに乗って遠出をしてきた。と言っても片道1時間半そこそこの距離までだけど。
今回訪れたのは、埼玉県唯一の村である、東秩父村にある桜の名所、虎山の千本桜(または弐千本桜)だ。
連日の温暖な気候で、東京ではもう散り始めている今年の桜だけど、虎山の桜はまだのこっていて、むしろこの日はちょうど見ごろ、ということだったので行ってきた次第だ。
早朝に家を出て、まずたどり着いたのは関越道の高坂SA。
駐車場にはバイクが何十台も停まっていて、その混雑ぶりには驚いた。よくよく考えると今まで、バイクでは早朝の高坂SAに行ったことがほとんどなかったけど、毎週末こんな感じなのかな。バイクの群れに混ざるのが苦手な私としては、ちょっと居心地が悪かった。
ちなみにこの時点で、実は私は寒さに閉口していた。昼には夏日になる予報だったから、春秋ジャケの中にロンTというような軽めの服装で出かけたんだけど、早朝は想像以上に寒かったのだ。春の1日の寒暖差をなめていたね。
「しばらくSAで暖をとらないと、これ以上進むのは危険だ」と判断したので、疲れてもいないうえに、バイカーが多くて居心地も悪い中だというのに、しかし休憩を長めにとることになってしまった。
その後、やっと少し体が温まり、日が昇って気温も上がってきたところで、目的地に向かっての移動を再開した。
SAを出てすぐの嵐山小川ICで関越道を降り、下道に入った。
ここから虎山までの道のりは、遠くの山並みがきれいに映えつつも、走る道は平坦、というのどかな田舎道で気分が良かった。BOLTはクルーザーなので、くねくね道よりも、なだらか道のほうが楽しい。途中で通過した小川町の鄙びた街並みも、旅情を感じられてよかった。
目的地の虎山の千本桜には、8時45分頃についた。
しかし、駐車場を含め、入場は9時からとのことで、いったん入り口で門前払いを食らってしまった。
同じように門前払いを食らった自動車を追跡すると、近くの空き地(?)にたどり着いた。そこに複数のオープン待ちと思しき不審車が停車していたので、私もその仲間に入ることにした。
やがて時刻は9時を回り、不審車チームがいそいそと発進していったので、私も続いて発進し、オープンとほぼ同時の9時過ぎに虎山の千本桜の入り口に到着、今度こそ入場をはたした。
バイクの駐車場は、砂利、雑草、急坂と、ちょっと運転操作に神経を使う難所ぞろいの空間だった。
入場時刻が時刻だったので、まだ先客はほとんどいなかったのだけど、数少ない先客の1台は、なんと、おそらく同年式の色違いBOLTだった。こういう場合、うれしいというよりも、なんだか気まずい。でも、一応記念写真を無断で撮っておいた。ふはは。なお、持ち主の姿は視認しなかった。
散策した虎山の千本桜は、さすがに圧巻だった。これだけの数の桜の木に囲まれる経験はあまりしたことがない。どこを見ても桜、という空間で、春の風情を存分に摂取どころか、過剰摂取できた。
その特異な風景のせいなのか、コスプレイヤーの方々が撮影に訪れる場所でもあるらしく、この日も何組かのコスプレ軍団と、現場ですれ違うことになった。桜の過剰摂取で、舌が麻痺しているところに、程よい味変となるような、そんな光景でよかった。
桜見物を終えた後は、すぐ近くにある道の駅「和紙の里ひがしちちぶ」に立ち寄った。
駐車場には、今度は年式どころか色まで同じBOLTが止まっていて、今日はBOLTをよく見る日だなと感じられた。
ここでは名物のイワナの塩焼きを食べた。そのために立ち寄ったようなものだ。イワナ焼のおじさんが、ひたすら恐縮そうに、イワナが500円から600円に値上げしたことを謝していたのが印象的だった。そんなことで謝らなくていいのに。大変おいしいイワナの塩焼きでした。
その後、ちょっと休憩をしてから、ゆっくりと帰路について、この日のツーリングは終了した。
ふー、楽しかった。