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英国’14: 12.スノーズヒル・ラベンダー

 近場周りの日と定めたこの日の午後は、さらに近所のチマチマとしたスポットをめぐった。こういう動き方ができるのも、レンタカードライブ旅行の醍醐味だ。

 次に向かったのはスノーズヒルラベンダーというラベンダー畑。コッツウォルズではよくみやげ物屋でラベンダー製品を見かけるんだけども、その総本山のようなところだ。今回訪英したのはラベンダー最盛期の7月。きっとラベンダーが一面に咲いている風景を見られるに違いないと期待した。

 その期待は見事に的中した。スマホカメラの写真ではなかなかその感動を収めきれなくて、いまいちな写真しかなかったんだけども、本当に息を呑む光景だった。好天、紫色の絨毯、ラベンダーの薫る風、遠景に広がるコッツウォルズの丘陵。この季節この場所でしか観られない組み合わせを大いに堪能した。

 このことをB&Bの主人に話したところ、「来週にはラベンダーの刈り取りでした。最高のタイミングでしたね」とのこと。実にラッキーだった。

ラベンダー畑

英国’14: 11.ブロードウェイ

 近場のチッピング・カムデン、ヒドコート・マナー・ガーデンの観光を終えて、一旦立ち寄ったのがブロードウェイだ。

 ブロードウェイというとどうしてもアメリカのミュージカルのメッカを想像してしまうけど、もちろんそうじゃない。この街もやはりコッツウォルズの代表的な街のひとつであり、また、我々の宿泊したB&Bから1番近い街でもあった(正確には間にウィラージーという小さな村があるが)。近いだけにいつでもいける、という感じでこれまで観光していなかったんだけども、ここへきてようやっと観光した、というところだ。

 その名前の通り、道幅が大きくとられているこの街は、広々とした空間が印象的な街だった。周囲の建物の建材こそ、やはり蜂蜜色のレンガでできていて、コッツウォルズらしさを醸し出してはいる。でも、どちらかというと「こじんまり、チマチマした街並み」を想像しがちなコッツウォルズからすると、その優雅な道の広さは、やや異質な雰囲気だった。イギリスの田舎というよりは、アメリカやカナダの田舎、という感じ(知らんけど)。

 道幅の広さの効能もあってか、商業的に利用し易い街らしく、メイン通りの店は素朴というよりは、いかにも観光地的な、あるいは地元民の普段使いとしてなのかもしれないけど、とにかく商売に長けた感じがあった。農民ではなく商人の街、というような雰囲気。ま、これはこれで、変化球として興味深いんじゃないかな。

 ちなみに、そもそもなぜこの街は道幅が広いのか、ということなんだけども、なんでもここは昔、2頭立ての馬車を、峠を越えるために4頭立てに換装する宿場街として機能していたらしい。そんな交通事情から、道の広さと街の名前とが決まったのだそうだ。街の一角にはそのことを示す石碑があったりもして、なるほどといった風情だった。

道路幅が広い

空間が広い

いい雰囲気の食料品店

2頭立て馬車はここまで

英国’14: 10.ヒドコート・マナー・ガーデン

 チッピング・カムデンから車で10分程度のところにある、マナーハウスを改装した庭園がヒドコート・マナー・ガーデンだ。ガーデニングの本場に来たということで、本格的なイングリッシュガーデンのひとつも見て帰らないわけには行くまい、ということで訪問した。

 なお、ここは行ってから知ったんだけども、イングリッシュガーデンといいつつ、作った人はアメリカ人の富豪らしい。だからどうということでもないんだけども、そういうことだ。

 で、庭だ。

 なんでも今はアジサイの季節らしく、はいどれんじゃー(Hydrangea:アジサイ)、はいどれんじゃーいっていた。確かにあちこちでアジサイが咲いていて綺麗だったんだけど、日本人が真っ先に思い浮かべるような、青や紫のアジサイではなくて、ピンクや白いアジサイが多かった。

 そのほか、庭園内は生垣で数十ブロックに区切られていて、それぞれのブロックで、それぞれのテーマに沿った見事なガーデニングが施されていた。私には庭のことはよくわからないんだけども、これを維持するのは相当なコストがかかっているであろうことは、想像に難くなく、そういう感覚で恐れ入ってしまった。

 ただ、なんだろうな。おもったよりもこじんまりというか、私のような素人にも、ガツンと衝撃を与えてくれるようなものではなかったかもしれない。私のような素人の場合、もっとデカさとか、過剰なまでの華美さとか、そういうものがないと感激できない。そういう点で、英国は趣味がいいというか、成金趣味に走らないので、玄人向けのように感じたよ。

ガーデンの入り口建物

ガーデンの様子1

ガーデンの様子2

ロングウォーク

ハイドレンジャー

日記: 8月5日(2014年)

 Chromecastを買った。

 Chromecastを知らない人のために説明すると、ChromecastというのはTV画面にスマホやPC用の「コンテンツを表示」させることが主目的のデバイスだ。

 なお、プロモサイトなどを一見すると、「スマホの画面をTVに表示させるもの」だと思われがちだけれども、それは少し違う。そういうことも出来なくはないけど、それは本領ではない。スマホはあくまでも命令を出す「リモコン」であって、動作はすべてChromecastが行うというのが、最も力を発揮するシチュエーションなのだろうと思う。詳しいメカニズムなどは各自で調べられたし。

 そんなChromecastを、私は主にゲーム動画をはじめとする動画再生目的で購入してみた。

 私は基本的にほとんどテレビや映画の類の映像コンテンツをまるで観ない人種なんだけども、一方でここ数年は、ウル4やLoLをはじめとするプロフェッショナルなゲーム配信に限っては、なぜか熱心に観るようになってきた。そこで、そんなゲーム配信を、窮屈なPCデスク周辺でだけではなく、リビングで食事をしたり、ソファでくつろぎながら、無理なく鑑賞できる環境を整えるというのは、魅力的かもしれないと思って、購入に踏み切った次第だ。

 そんなChromecastを購入して2日が経った現時点での感想・事象は以下のような感じだ。

  • TV画面でくつろぎながら観るオンライン動画を観れるのはよい
  • YouTubeしかまだ見てないけど画質音質ともによい(ソースと機器依存だけど)
  • Wifiは2.4GHz帯のみ。5GHz帯でスマホをつないでいたらつなぎなおしを要求された
  • 初期設定でトラブルはなかった
  • が、その後はトラブルがある
  • TVの電源を落としたり、スマホをスリープさせるたびにChromecastを見失う
  • この状態でもTV画面はChromecastのスクリーンセーバーが映っているので、「電源は入っているがネットワークにつながっていない」か「Chromecastとスマホ間のWifiアクセスが何らかの理由で拒絶されている」かのどちらかの状態になっているのだと思う
  • この状況はChromecastの電源を入れなおして再起動するとなおる
  • が、Chromecastには電源スイッチがないため、コンセントプラグの抜き差しでしか再起動できない
  • 正直かなり面倒くさい
  • 今のところ解決となるような報告がネットに見当たらない

 トータル的には「基本機能には満足。でも不具合(?)のせいで使い勝手には不満」というところだ。

 とにかく、毎度毎度Chromecastを再起動しなければならないというのが、ユーザビリティを著しく損ね、ひいてはChromecast生活そのものの質を下げている。なんとか改善できないものかなぁ。

英国’14: 9.チッピング・カムデン

 B&Bから10分ちょっとのドライブで到着したのは、コッツウォルズの著名な街のひとつ、チッピング・カムデン。ハイストリートの街並みの美しさと、その一角に遺されている古いマーケットホール跡が特徴的な街だ。

 この日の最初の見物の場所としてこの街にやってきたため、到着したのはまだ午前の早い時間だった。そのため、まだ街は動き出しておらず、多くの店は開店準備中といったところ。かわいらしい店も多かっただけに、そのどれひとつとして入ることが出来なかったのは残念だった。でもそのおかげで観光客も少なく、静かな雰囲気の中で、街の様子をうかがうことができたので、逆によかったかもしれない。

 メイン通り沿いの建物は、歴史を感じさせる蜂蜜色のレンガでできた、これぞコッツウォルズというような街並みを形成していた。現役で営業中の小売店の店舗やホテルが、歴史を内包している様は、不思議な異世界感を与えてくれる。多くの建物には、それと調和するような植物によるデコレーションが施されていて、過去の止まった時間と、今の息づいている時間との融合が印象的だった。

 ただ、おそらく住民のものだとは思うんだけども、せっかくの綺麗なハイストリート沿いに、びっしりと乗用車が駐車してあったのは、少々もったいないな、と思った。この街に限らず、今回訪ねたイギリスの多くの場所で、住居前の路上がその住民の駐車場、というケースは普通のようだった。地理的にも車がないと生活できないし、古い町並みは保存しないといけないから駐車場も満足に作れないし、路駐というのは妥当な線なんだろうけどね。

街並みとマーケットホール跡

路註だらけの街並み

駐車場は安め

普通の民家の入り口もおしゃれ

肉屋