カテゴリー別アーカイブ: メンテとカスタム

日記: 12月7日(2021年)

 アンダーカウルを取り付けた。

 アンダーカウルというのは、車体底部のエキゾーストパイプのあたりにつけるカウル。ベリーパンと呼んだりすることもある。

 一応、車体底部の整流効果や、エンジンの冷却効果などに寄与する、という名目のパーツだけど、実際のところは、見た目に変化をつけるためだけにつけるパーツだ、と言い切ってしまっていいだろう。こんなカバー1つで性能が上下するようなシチュエーションは、よほどの限界走行時だけで、テケテケツーリングにおいては全く装着のメリットはない。

 断言するけど、効果は見た目オンリーだ。

 ただ、重量物が1つ増えるというだけだ。

 だが、それでいいのだ。アンダーカウル付きの見た目を、本人が気に入ればいいのだ。

 というわけで、そんなアンダーカウルの装着作業を実施した。

 FZ6のアンダーカウルは、純正のものがあり、また社外品も数社からリリースされていた。のだけど、FZ6がカタログ落ちしてから10年以上が経過する今となっては、そのほとんどが入手不可能になってしまっている。

 そんな中、今回私が用意したのは、現在でも購入できるおそらく唯一に近いメーカーである、Odaxのものだ。

 要するに、現存するものを消去法で選択した、というわけだ。積極的な選択ではないので、満足度は正直100%ではない。本音を言えば、現用のツーリングスクリーンと同じメーカーである、Puigのものをつけたかった。装着したパーツのメーカーに統一性があるのは気分がいいし、デザインもPuigのものは鋭角なフォルムで私好みだったから。でも、Puigのものはもう製造されていないようで、取り寄せすらできなかったから、仕方なく取り寄せ可能だったOdaxで妥協した、という次第だ。まぁいいでしょう。

 注文後、かなり待たされたうえでやっと届いたアンダーカウルは、懸念していた工作精度の粗さもそれほどなく、ちゃんとポン付けで装着することができる、なかなか優秀なものだった。左右のパーツのかみ合わせにこそ、少々難があったものの、それ以外には大きな問題はなかった。

 取付作業は、アクセスしにくい個所のボルトに、少し苦戦したりはしたものの、トータル1時間そこそこで完了した。海外製のパーツにしては、困らされるところのない、なかなか当たりの商品だったんじゃないかな。

 装着しての見た目の印象は・・・悪くないね。

 いいところは、アンダーカウルがついている、という当たり前の部分。ハーフカウルにアンダーカウル、という見た目は、昔から私のドストライクで、思えば先代のゼルビスもその見た目が気に入ってのチョイスだった。だから、昔馴染みに再会した、というような満足感がある。

 色が黒というのも、カウルの青とツートンになっていておしゃれ。メッシュ窓の差し色もいい。当初はカウルと同色の青で塗ろうか迷ったものの、それはこの黒に飽きたら考えればいいかな、と思っている。

 一方でいまいちなところは、Odaxのアンダーカウルのデザインそのものかなぁ。ちょっと丸みを帯びすぎている気がするんだよね。もう少しシャープな造形だったら、なおよかったと思う。FZ6元来の昆虫のような造形や、フロントの猫目には、シャープなフォルムがより似合うはずだと思うのだ。そしてこの丸みを帯びたフォルムが、必要以上に重たい印象を与える結果にもなっていると思う。その辺がマイナスポイントだ。

 まぁ、でも、全体的には気に入っているよ。15年目を迎えようという相棒が、ここへきて着飾って別の印象を与えてくれるというのは、倦怠期を回避する上でもいいことだろう。

 装着後、少し走ってみても、特にガタが出たりはなさそうだった。一方で、もちろん走りが速くなったりもしない。こんなもんだろう。

 それでも、新しい見た目になったマシンというのは、それだけで気分がいい。軽快に走っている「気分」になれた。体感性能、つまり「思いこみ性能」は向上だ。

 いいね。

日記: 12月3日(2021年)

 サイドスタンドをショート化した。

 ローダウンした結果、車高に対して相対的にサイドスタンドが長すぎる状態に陥り、サイドスタンドを立てた駐車状態における車体の角度が垂直に近づきすぎている、という弊害が発生していた。

 とはいえ致命的というほどの状況ではなく、平地に駐車してある分には、一応ぎりぎり安定を保てるくらいの角度はついていたので、ローダウンした段階では特に対処をせず、様子見としていた。なまじ実用できてはいたために、ついつい執行猶予を与えてしまっていた、と言ってもいい。

 しかし、実際にこの安定感に不安のある状態の車体を保有してみると、気分の良くないことが多かった。

 例えば大きめの地震が起きたりすると、それだけでなんだか「倒れてないだろうな」などと不安になってしまう。それに実用の上でも、ツーリング先の駐車場が必ずしも平坦であるとは限らず、むしろ何らかの角度がついていたり、凹凸があったりすることのほうが多いので、ツーリング先で余計な心配がいちいち増える。

 そういういろいろな面を勘案すると、やはりサイドスタンドを立てた車体には、もう少し角度のマージンが欲しい、という結論に達してしまった。

 というわけで、ローダウンをお願いしたバイク屋に再び車体を預け、サイドスタンドのショート化加工をしてもらった次第だ。

 作業内容は、サイドスタンドをカットし、短縮したうえで、切断面にしかるべき鉄板を溶接して、接地面を作りなおしてもらうという、力技というか、職人芸というか、そういうガチの加工、ワンオフパーツ制作だ。これは自分ではできない。

 完成したサイドスタンドは、はじめからこれが純正品のようにしか見えない、というような見事な仕上がりで、私は大満足。肝心のサイドスタンドを立てた状態での車体の角度も、ローダウン前の時代と遜色のないもので、完全に要望通りだった。うーん、職人はすごい。

 ってことで、今度こそ完全にローダウン計画は完結だ。かなり紆余曲折を経たというか、周囲には「1度で済むことを3度かけたわけね?」とか皮肉も言われたけど、結果よければすべてよし。期待通りかそれ以上の成果を得られた。

 気が付けば冬季に入ってしまい、これからはバイクに乗るのもキツイ季節になっていくけど、せっかくいじったのだから寒さ対策をして乗っていこう。

 ・・・かなぁ?

日記: 11月14日(2021年)

 エアクリーナー交換を実施。

 恥ずかしながら、このバイクでエアクリーナー交換をした記憶が、ついぞない。

 購入したYSPに車検整備をまるっとお願いしていた頃は、こういった消耗品は適切なタイミングで自動的に交換されていたものと推測される。オイルとかプラグとかフルードとか、その辺全部だ。だから、まったく意識してこなかった。

 でもその後、ほとんど乗らない期間が到来し、2年に1回の格安車検というルーチンになってからは、そういったフェイルセーフ機構からすっかり外れて久しい。

 ということで、今が適切なタイミングなのかどうかは判然としないものの、高いものでもないし、安心のために、そして交換スパンのゼロ地点をはっきりさせるために、エアクリ交換を実施したというわけだ。

 交換するエアクリは純正のもの。純正パーツをウェビックで簡単に取り寄せられるのは、本当に便利な世の中になったな。こうしてまた街のバイク用品店が衰退するのだと思うと複雑な心境だけど、よくよく考えると街のバイク用品店を使った記憶があまりないので、まぁ、仕方がないな。

 交換の様子は写真の通り。左上は交換のためにいつものようにタンクを持ち上げてヒモで固定している様子。右上は新旧交代の儀。案外古いほうも綺麗だった。左下はエアクリボックスの様子。この中身を交換するだけの、簡単な作業だった。

 で、問題の右下の写真だ。

 これは今回の交換作業で発覚した、ローダウンの悪影響を示した写真になる。

 どういうことかというと「センタースタンドが立てられない」ということだ。

 こうなったのは考えてみると当然ではあった。ローダウンしたおかげで、センタースタンドをかけるために必要なテコの力がかかりにくくなり、車体を引き起こせなくなってしまったのだ。

 そのため今回の作業は、左上の写真のように、サイドスタンドをかけて行ったんだけど、どうにもこれは具合がよくない。今後のいろいろなバイクいじりを考えると、いつまでもセンタースタンドがないのは心もとない。

 で、作業後にいろいろ考えた結果が右下の写真。

 「後輪をなにか高さのあるものに乗せてからセンタースタンドをかければ疑似的に車高を上げた状態になるからセンタースタンドがかかるのではないか」

 という実験結果の様子だ。

 この考えは見事に図に当たって、すんなりとセンタースタンドをかけることに成功した。

 写真はすでにセンタースタンドをかけ終えている様子。後輪の前においてあるのが車高上げに利用したレンガタイル。実家の庭に転がっていたものを拝借した。大きさ、高さ、ともに完ぺきだった。メンテナンススタンドでも買う羽目になるかとも思ったけど、そうならなくてよかったよかった。

 ってなわけで、エアクリーナー交換を済ませ、センタースタンド問題も一応解決し、すっきりだ。


【メモ】ちなみにユーザーマニュアルによると交換スパンは4000km走行とかなんとか。現総走行距離は20000kmくらいだから、次は24000kmで交換かな。その頃乗っているかは怪しいけども。

日記: 10月3日(2021年)

 日付が古いけどあまり深い意味はない。

 実際にその日付に写真はアップしたんだけど、文章を作り忘れていたというだけだ。アップした写真のファイル名(タイムスタンプを名前にしている)を変えるのが面倒くさかったので、記事をそれに合わせた次第。

 いきなり話がそれた。本題に入ろう。

 写真のような物体を購入した。

 キーホルダーのなかで鍵類に混ざっている、しゃもじのような、錨のような、ハンマーヘッドシャークのような、プラナリアのような、そんな形状の青い金属片のことだ。

 さて問題です。これはなんでしょう。

 ・・・。

 ・・・。

 はい、時間切れです。

 正解は、ヘルメットホルダーの延長金具、のようなものでした。

 つまりどういうことかって? うーん。

 どういうものか、ということを長々と文章で説明しようとはしたものの、それは難しそうだったのでやめた。

 とはいえ、この金属片が一体どういう仕組みで「延長金具」になるのかは、ちょっと気になるかもしれない。検索すればいろいろでてくるので、どうしても知りたい人は各自調べてもらいたい。ここでは、ヘルメットホルダーまで届かないあごひもをヘルメットホルダーまで届かせる延長金具、と言うに留める。すまぬ。

 で、なんだってこんなものを買ったかというと、まぁ、そのままなんだけど、ヘルメットホルダーにヘルメットのDリングが届かなくなったからだ。

 ヘルメットホルダーというのはバイクに備えられた装備のひとつ。鍵で開閉するフック、という形状のものであり、ヘルメットのあごひものDリングをそのフックにひっかけて、ヘルメットをバイクにセキュアに固定しておくためのものになる。

 しかし昨今のヘルメットは、そもそもヘルメットのあごひもが、Dリングによる接続ではなく、ラチェットによる接続のものが主流になってきている。一応ラチェット式のあごひもにも、ヘルメットホルダー用のDリングが備えられてはいるものの、Dリングの位置が悪いせいで、ヘルメットホルダーまでDリングが物理的に届かない、というケースが少なくない。

 そんな現状に対応するために、バイク用品として一定の支持を得ているアイテムが、この「ヘルメットホルダーの延長金具」なのだ。

 かく言う私も、ヘルメットを買い換えてからというもの、「ヘルメットホルダーにDリングが届かない」現象に見舞われ、ヘルメットホルダーを使えないバイク生活を強いられていた。

 それでも今まで大した問題にならなかったのは、私の場合だいたいはヘルメットはリアボックスに入れてしまっているからだった。そもそもヘルメットホルダーは、以前からあまり使っていなかったというわけ。

 しかし、それでも数少ない場面では、リアボックスに他の荷物を満載しているせいで、ヘルメットの置き場がない、という困ったことになっていた。そういう場合は仕方がないので、ヘルメットをミラーにひっかけておいたりするのだけど、防犯上の観点から、どうしてもこの手段は気分がよくなかった。

 ってことで、今回このアイテムを購入して、いざというときに備えておくことにした次第だ。

 使う機会がいつ来るのかは、正直わからない。だけど、数百円で安心を買ったと思えば、悪くはないだろう。

日記: 10月2日(2021年)

 ローダウン計画最終章。

 ついにローダウンが完了した!

 ということで、その結果について述べたい。

 まだバイク屋に受け取りに行って、帰ってくる途中に1時間余り乗っただけの感想しかないので、浅いことしか言えないだろうけど、言うなら今なので言おう。

 【作業内容について】

 図示の順番が前後するけど、ローダウンのために行った作業について、Fig.4と5で示す。

 Fig. 5がもともと車体についていたリアサスペンションの部品の一部。これを少し短いFig. 4のパーツに組み替えることで、ローダウンを実施した。サスの分解という作業になるので、プロにお願いした次第。ついでにサスが清掃されたりもしたので、いろいろと、はかどった。

 作業としてはそれに加えて、フロントの突き出し量を15mmほど増やしてもらった。突き出しというのは、要するにハンドルがフロントフォークのどの高さについているか、というようなこと。わからない人は調べてください。

 Fig. 1と2のオレンジの丸で示した箇所が、突き出しの違いなんだけど・・・見にくいな。すまぬ。

 リアサスだけ短くすると、乗車姿勢が標準よりも前高後低になってしまうので、フロントも下げてバランスを維持した、という意味合いだ。

 【結果の見た目】

 Fig. 1と2に、見た目の変化を載せた。Fig. 1が作業前、Fig. 2が作業後だ。

 できるだけ縮尺や構図を合わせて、横から見た時の車高の変化を図示したかったんだけど・・・Afterの写真撮影が思いっきり逆光だったので見にくすぎるな、これ。ごめんなさい。でも一応これで説明を続けたい。

 赤い線は、水平線。フロントフォークのフォークシール部分をつないだ水平線で比べると、この部分は高さが変わっていないことがわかる。

 緑の線は、作業前後の特定の個所をつないだもの。ひとつはフロントのカウルの突起をつないで、もう一つはリアのタンデムグリップの付け根をつないだ。わかりやすいように、赤い水平線で補助線を引いておいたのだけど、いずれの部分も高さが下がっているのがわかる。

 さらに車高の変化を見て取れる個所として、青い丸を描いた。この部分の、リアフェンダーの上部の空間が、作業前後でかなり変わっているのがわかると思う。ここが作業後に狭くなっている分だけ、車高が下がったというわけだ。このせいで少し格好悪くなった気もするけど・・・仕方ない。

 【角度】

 車高を下げたことの、ちょっとした問題のひとつは、サイドスタンドを立てて停車するときの、車体の角度が垂直に近くなってしまった、ということだ。Fig. 3と6で示した。

 これは作業前からわかっていた問題で、もし安全性を損ねるレベルで車体が立ってしまったら、スタンドを切断/溶接して、ショートスタンド化してもらうつもりだった。でも、実際に作業してみたところ、車体の傾きは一応安定しているっぽい範囲に留まっていたので、今回の作業ではそのままにしてもらった次第だ。

 少し運用してみて、やっぱり角度がなくて怖いな、ってなったら、加工してもらうハラ。

 【感想】

 すげええええええ快適。めっちゃ足つく。

 ホビット族の宿命として、バイクはある程度つま先立ちで乗るもんだと思っていたんだけど、やっぱりかかとでしっかりと足がつくのは、安心感が違った。はじめての経験・・・というか、ゼルビスの頃と同じレベルの安心感。素晴らしい。

 精神面で言えば、停車するのが億劫ではなくなったというのが大きい。今まで「止まるのが面倒だから」という理由で、スルーしてきた寄り道や立ち寄りを、これからの旅では、もう少し積極的にできそうだ。

 サスのストロークが短くなったことによる悪影響は、普通の舗装路を走っている中では感じなかった。たぶん、ずっと感じないと思う。ワインディングも走っていないので、走行特性の変化なども、まだわからない。これまた私のライディングレベルでは、たぶん大して感じないと思うけど。

 とにかく、1時間余りの街乗りでは、良い面ばかりを体感した。10年早くやるべきだった。

 【データ類】

 記録的に残しておくデータ。

 FZ6 Fazer S2。元々のシート高795㎜。

 ローダウンキット。TECHNIUM製。ローダウン量30㎜くらいかな。約2万円。

 プリロード最弱。これでも5~10㎜くらいはローダウンしたかな。

 実質シート高。755~760㎜くらい。小型バイクレベルに低い。