日記: 7月29日(2023年)

 「積載を改善しよう」。

 今回のテーマはこれだ。

 バイクの悩みといえば「積載」なのは、太古の昔から変わらないわけなんだけど、FZ6にトップケースをつけて、その悩みから全開放された十余年前以来、そんな悩みはすっかり忘れていた。

 それが今回のBolt購入で、残念ながら復活してしまった、という次第だ。

 納車されたバイク屋からの帰路では、積載能力が皆無だったこともあって、仕方なくバッグを背負って走ってきた。だけど私の主義としては、バイクに乗る時には、体にバッグの類をできるだけ装着したくないと考えている。許せても、ホルスターバッグやシザーバッグのような、腰装備の小型のものまでだ。肩や背中への負担は断じて増やしたくない。

 ということで、バイク屋からの帰宅後、そのまま取り急ぎ、積載を改善することにした。

 今回は応急というか、つなぎの処置ということで、手持ちの2つのバイクバッグ類を検討してみた。

 まずはただ単にバイクにそれらをポンと乗っけてみて、ビジュアルの良し悪しや、実際の使用シーンの利便性を考えてみることにした。

 左上はタナックスのシートバッグ。ポンと乗せると、なかなかにいい感じ。サイズ感がパッセンジャーシートを覆い隠すくらいでちょうどいい。なるほど。

 右上はデグナーのサイドバッグ左右セット。ちょっとおさまりが悪いけど、これも案外悪くない。クルーザーには革のサドルバッグ、という固定観念があるけど、これも似合ってるな。スポーティーなクルーザーには、クラシカルではないバッグもまた似合う。知見が広がった。

 どちらも10年以上前に購入したものの割には状態がよく、どちらも私から見るとそれなりにマッチしていた。それで少し悩んだんだけども、前者のシートバッグを、しばらくは使ってみることにした。サイドバッグのほうは、装着時にテールランプに干渉して装着位置の自由度が低かったり、ヘルメットホルダーにも干渉して使えなくなったりと、デメリットとおもえる点があったからだ。

 ということで、装着作業を行った。

 ・・・というほど大層なことはしてないけど、購入して初めてのシートはずしだ。それなりに初体験が詰まっていて、興味深かった。

 というのも、Bolt(※)のシートは、キーでぱかっと開くようなものではなく、レンチを使ってボルト(※)を外してやらないと開かないものだったのだ。今まで乗ってきたバイクは、どれもキーを使えば、シートは簡単に外せる構造のものばかりだったので、こういう展開ははじめてだった。

 (※バイクの車名はBolt。ねじの一種の名称はボルト。と表記分けしていくつもり)

 また、パッセンジャーシートが別体というバイクも初めて。キーでぱかっとはいかないうえに、シートを2つも外さないといけないとは、なかなかに面倒くさいな、と感じたのもまた事実だった。パッセンジャーシートの外し方に至っては、簡易ユーザーマニュアルには載ってもいなかったし(簡単だったけど)。

 ともあれ、パッセンジャーシートを外し、外したパッセンジャーシートにシートバッグ取付用のハーネスを取り付け、シートをバイクに戻し、ハーネスとシートバッグをつないだら、シートバッグの取付完了だ。

 まったくガタ無しの、かっちりとした取り付けが行えた。見栄えも悪くないんじゃないかな。

 あまり容量の大きくないバッグではあるものの、これで私が普段するような、テケテケお散歩ショートツーリングに必要な荷物くらいは、簡単に運べるようになったことだろう。

 よしよし。

日記: 7月28日(2023年)

 新しいバイクが納車された。

 先日の契約報告で述べた通り、YAMAHA Bolt(2021年式)だ。

 写真は新旧交代の儀。こうしてみると、FZ6君のカラーは鮮やかで写真映えしますな。手前のBoltはほぼ新品で、奥のFZ6君は16年目なんだけども、FZ6君はその年齢差を感じさせない、色あせぬ輝きを放っている。それだけに、手放すのは実に惜しかったけど、新しい相棒と君とを同時に所有することはできないので、仕方がないのだ! すまん!

 で、この日は新しい相棒のBoltに跨って、真夏の道路を1時間強走って帰宅してきた。

 初ライドの感想はいろいろあるけど、トータル的にはまずまずの手ごたえ。不慣れ、という点を差っ引けば、FZ6よりはよほどおとなしい性格だと見た。雑につないでもドン突きしないし(FZ6はドン突きしやすすぎた)、エンストしそうもないモルモリのトルク感がある。全体に運転するのが容易だ。そして足つきも死ぬほどいい。それでいて鼓動感からか「大きなメカを操っている」という感覚は今まで以上に強い。気は優しくて力持ち、という印象だ。

 そして何よりも、今までと全く違う乗り味の乗り物は、乗っているだけで楽しい。渋滞すら楽しめた(暑さには辟易したが)。

 とはいえ新しい相棒には、まだまだ未知の点も多い。これから少しずつ関係を深めていって、知っていこうと思う。

 よろしくな。

日記: 7月23日(2023年)

 信州ビーナスラインドライブ旅行に行ってきた。

 今回の足は、諸般の事情によりバイクでもミニでもなく、実家のデミオ君。今どきの普通の車に、逆に戸惑いながらも(なんでウィンカーが右側なんだ)、楽しく走り、観光してきた。

 今回の行先であるビーナスライン周辺は、これまでドライブやツーリングで、何度も何度も行ったことがあるところだったので、新鮮味はあまりなかったものの、何度も行っているところならではの、既知の場所に変化を探す楽しみや、変わっていないことへの安心感、それにわずかな新発見の喜びを、合わせて味わうことができた。これはこれでよいものだ。

 今回の旅行で感じたのは、盛況になってきたな、ってことかな。

 私がよく行くビーナスライン周辺の蓼科高原は、ン十年前から通っているんだけど、昔は賑やかだったのに、ここ20年ほどは年々寂れていく、昭和に取り残された観光地、という印象が強かった。

 でも、今回の旅行では、それが盛り返されてきている動きが感じられた。

 しょぼいとはいえ道の駅のビーナスライン蓼科湖ができていたり、ホテルが満室だったり、そこで食事をするのも待ちが発生していたり、ビーナスラインで駐車場難民になりかけたり、軽い渋滞が発生していたり。少なくとも閑古鳥とは無縁の、往年のにぎやかさを取り戻しつつある姿が、そこにはあった。

 人が多ければ多いで、多少他人が煩わしくはあるものの、寂れるよりはよほど良い傾向だ。

 高原の快走路を楽しみ、温泉旅館でくつろぎ、北八ヶ岳や車山の上からの眺望を得、暑いときにはソフトクリームを食べ、諏訪大社に詣で、高島城を見上げ、岡谷でうなぎを食べ、最後に中央道で渋滞にはまるという、信州ビーナスラインドライブのフルコース。

 やりきった。

日記: 7月16日(2023年)

 FZ6君とラストランに行ってきた。

 行先はいつものいつものいつもの相模湖周辺。FZ6君と何十回と走ってきたコースだ。

 ゆっくりといつものコースを流しながら、16年の歴史を噛みしめた。うーん、長々一緒だったよな。うんうん。

 16年経っても、FZ6君の走りは快調で淀みはない。16年かけて2万キロ台しか走ってないのだから、快調で当たり前といえば当たり前だけども、それでもこれだけ長い付き合いになるとは、その後16年間もFZ6で走り続けているとは、買った当時は考えてもいなかった。

 こんなに長い付き合いになったのも、FZ6というバイクがあまりにも万能で優秀だったからだ。

 のんびり流そうと思えば流せるし、飛ばそうと思えば、あっという間に制限速度の倍程度の速度にまでなる。そしてまったくもって壊れない。素人整備でもノートラブル。R6譲りのエンジンは伊達ではなかった。

 日本ではマイナーなFZ6だけど、ヨーロッパでは「日本におけるスーフォア」の地位にいるバイクだったらしい。そう言われても素直に納得できる、優等生で万能なバイクだった。

 帰宅後は、下取り前のちょっとしたノーマル戻しを行った。

 ノーマル化しようがしまいが、どうせろくな値段はつかない、ヨボヨボの16歳ではあるんだけども、せめて綺麗な姿で嫁に出してやりたい親心、というような心境だった。

 主な作業個所は、スクリーン交換、USB&外部充電ソケットの取り外し、スライダーの取り外し、かな。ローダウン、リアボックス、ベリーパン、レバー、はカスタム状態のままにしておいた。

 FZ6君、いままでありがとう。

 あとちょっと、Bolt納車日にだけ、つきあってくれよな。

日記: 7月15日(2023年)

 新しいバイクを契約してきた!

 契約したのはYAMAHA BOLT 2021年式

 ヤマハが2014年からリリースしてきた、クルーザータイプのバイクの最終型の2021年式だ。

 2020年ごろから目をつけていたこのバイク。2021年から2023年の今年になるまで、新年式の発表がなかったから、そろそろ生産終了になっちゃうかな、と思っていたら実際になってしまった。

 手に入らないとなると欲しくなるのが人情。

 ということで、慌てて契約してしまったという次第だ。

 ・・・というと、いかにも滑り込みセーフっぽいんだけど、実はもう新車を手に入れるには手遅れで、全然アウトなタイミングだった。

 そこで、探しに探したところ、偶然走行1000kmの新古車を発見したので、それをほぼ新車価格で入手するということになったという次第だ。

 タイミングを逸して損している感もあるけど、慣らし運転の手間ぶん得したと、無理矢理思い込むことにしよう。

 最後に、Boltを契約するに至った動機や経緯のようなものをずらずら挙げておこう。

 まず見た目。大変私好みの外見をしている。形状がヤマハらしい女性的な美しさがあって好きだし、カラーリングも好みだった。2020年式の紺青もよかったけど、2021年式の灰青はさらに特徴的でいい。一目で気に入っていた。

 メーカーがヤマハという点も安心感があった。長年ヤマハ乗りだったので、どうしてもヤマハへの贔屓目がある。

 クルーザータイプのバイクに乗ってみたかった、というのもある。足が膝より前というのはどういう乗車姿勢なのだろうか。

 クルーザータイプといえばハーレー、みたいなところはあるけど、基本的にブランド趣味はないので(ヤマハが良いとか言っといてなんだけど)、そういう意味では自分の中であまりその辺の葛藤というか意識はなかった。1に見た目、2に性能、3、4がなくて、5にコスパだ。別にハーレーアンチではないし、Iron 883なんかはBolt並みにかっこいいはと思うけども。

 国産最後の空冷、という謳い文句も魅力的だった。今まで空冷のバイクに乗ったことはない。そして排ガス規制などを考えると、今後ももう空冷のバイクはろくなものが出ない可能性が高いから、ここで乗っておいて「夏あついわー、つれえわー」とかミサワっておきたい。

 一応、乗り換えにあたっての競合は、Iron 883やRebel 500があった。見た目の違いが一番大きな部分だったけど、他に言えば、前者は信頼性と値段、後者はクルーザー風味の希薄さで、Boltに軍配を上げることとなった。10年後なら軽くて楽そうなRebelだったかもしれない。

 諸々あって納車は2週間後くらいかな。楽しみだ。